青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

「ワイルドバンチ」~実在した西部最後の強盗団

2018-03-20 | 青春・名画劇場

アメリカン・ニューシネマの2大名作「明日に向って撃て!」と「ワイルドバンチ」は同じ強盗団を描いているのに、この2つの作品の内容は全くと言って良いほど違う。実在したこの強盗団は一体どのようなアウトロー達だったのでしょう?

西部最後の強盗団は、「ワイルドバンチ」一味だと言われています。この一味は19世紀末から20世紀初頭に、ワイオミングの山中の洞窟を本拠にして、列車強盗をはじめ、あらゆる強盗をやった。当時の世の中は急速に現代文明の時代になって、電信電話も完備し、法の秩序も行き届き始めていたので、彼らの活躍はごく短命に終わったのですが、その短期間に文明そのものに挑戦するかのように、呆れ返るほど多くの犯罪を重ねました。

わずか2年間に大きな列車強盗を5回もやりましたが、1901年8月24日グレートノーザン鉄道の急行列車から4万ドルを奪うと、これが潮時と思ったのか、モンタナからテキサスのフォートワースへ行き、そこで解散してしまいました。もっとも解散後も単独で強盗をやり、次々と捕らえられたり殺されたりしたのですが。この一味のリーダーはジョージ・リロイ・パーカー、ハリー・ロングボー、キッド・カーリー、ベン・キルパトリック等でしたが、誰が1番のボスということもなく、現代流に言えば、プロジェクト・チームを編成して参加したい者だけで犯罪を行いました。

上は、実在したワイルドバンチの写真です。

ジョージ・リロイ・パーカーはロバート・パーカーという偽名を使っていましたが、「ブッチ・キャシディ」という仇名の方が有名でした。1893年に馬泥棒で逮捕され、釈放されるとすぐに自分の一味を作り、銀行強盗や家畜泥棒などを一つの失敗もなくやってのけたので、彼らは「ワイルドバンチ」と呼ばれるようになりました。しかし常々「人を殺したことは一度もない」と言っていたように、モルモン教の司教の息子だったキャシディは、不必要な暴力を避けることをモットーにしていたのです。常に民主的な態度を一貫し、指名手配のポスターにさえ「陽気で愛想がいい」と書かれた程だったのです。1889年6月24日に最初の列車強盗を試みて以来20年もの間、キャシディは犯罪にまみれた人生を送りました。1901年南米に移住し、ボリビア、あるいはウルグアイで壮絶な死を遂げたとも言われていますが、その最期は未だ謎のままだ。映画「明日に向かって撃て!」でポール・ニューマンが彼を演じました。

そして、同じ映画でロバート・レッドフォードが演じたのが、そのキャシディに同行して南米に渡った「サンダンス・キッド」と呼ばれたハリー・ロングボーです。彼は10代でペンシルバニア州を出て、西部へ向いました。20歳で盗みをはたらき、地元の警察に目を付けられ、まもなくワイオミング州サンダンス刑務所に投獄されました。言うまでもなく彼の仇名は、この刑務所の名から来ています。服役期間が終わっても、彼は堅気になる気などなかった。まもなく彼はある銃撃戦で仲間を失い、モンタナ州近くに移住した。そして1892年11月27日、マルタという町で彼は最初の列車強盗をはたらいた。この強盗で彼が得た現金は20ドルにも満たなかったと言われています。しかし皮肉にも、彼の首には500ドルもの賞金がかけられたのです。

はした金しか稼ぐことが出来なかったにもかかわらず、彼が犯罪を止める訳は無く、ついに銀行強盗に手を出します。やがて西部ではこれ以上は危険すぎると判断したサンダンスは、1901年友人のキャシディと、エッタ・プレースという女性を連れて南米に逃げた。その後の運命はキャシディ同様、謎に包まれたままです。

従来この20世紀初頭は、片方にオールドウエストの風習。そしてもう片方に電灯や自動車、飛行機までがあって、西部劇としては中途半端な時代であったために、あまり取り上げられることはありませんでした。しかし、古い時代がようやく閉じようとしている時代と、それに取り残されて行く人々への挽歌が、1970年頃の時代と共通点があるらしく、この一味の話は「明日に向って撃て!」「ワイルドバンチ」などで新しい傾向の西部劇として製作され、従来の西部劇ファンとは異なる層に、青春映画の変型として、熱狂的な支持を今でも受けています。


音楽の好みは、14歳の時に聴いた音楽で形成される!

2018-03-01 | 雑学(教養)の部屋

私たちの音楽の好みは14歳の時に聴いた音楽によって形成されていることが、新たな研究により明らかになりました。

「ニューヨク・タイムズ」によると、リスナーの生まれた年が音楽の好みを左右しており、14歳の時に聞いた音楽が私たちの音楽の好みに最も重要な影響を与えるとのこと。

今回おこなわれた、Seth Stephens-Davidowitzによる音楽の好みに関する研究。Spotifyのデータをもとに人々の聞く音楽を分析した結果、10代の時聞いた音楽が、その後の音楽の好みに最も大きな影響を与えることが判明しました。

1960年~2000年のBillboardのチャートを調査し、それを年齢別の選曲ランキングと照らし合わせて分析。男性の場合は13~16歳の間にリリースされた曲が、大人になってからの音楽の好みに大きな影響を与える、平均すると男性の最も好きな曲は、14歳の時にリリースされた曲であることが多いそうです。

女性の場合は男性より少し早い。11~14歳の時に聞いた音楽の影響が大きく、平均13歳の時にリリースされた曲が最も好きな音楽になるという。女性のほうが男性より幼少期に受ける影響が大きいらしく、好みを形成する年は思春期の終わりと重なることが明らかになった。

「今回の調査は大人になった私たちの多くが思春期の最初の段階で魅了された楽曲から離れられないことを示しています」とSeth Stephens-Davidowitzは述べています。また、20歳の時に聞く音楽は、10代の時に聞いた音楽の半分ほどの影響力しかないそうです。

思い当たることが多いですね。多分そうだろう、そうじゃないか?と思っていたことが、科学的な研究で裏打ちされて行く過程は面白いですね。