青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

京都の隠れ家 ~喫茶葦島

2024-05-22 | 昭和の喫茶店

京都には美味しい珈琲を飲むことが出来る、隠れ家的な喫茶店が沢山ありましたが、時の流れとコロナによって、多くのお店がその歴史に幕を下ろしてしまいました。特にジャズ喫茶は壊滅。学生時代に通った、黙ってレコードに耳を傾けるようなジャズ喫茶は、身近な場所では今はもう見ることさえ叶いません。それでも少なからずお気に入りの喫茶店は、まだ残っています。

ここは河原町三条にある隠れ家的な珈琲店「喫茶葦島(あしじま)」です。ビルの5階にひっそり隠れていて、ゆったりしたソファの座席とカウンター席が迎えてくれます。古都散策に疲れた時間、僕は平日にお邪魔します。混雑している時間に行くと、ちょっとやかましい女性グループ客がいたりしますが、マナーの悪い外国人観光客も多くなった京都ですので、そう文句も言えません。本当にいつも空いていて良いお店だ・・というようなお店は今では長く続きません。珈琲1杯1,500円くらいなら払っても良いので、本当に静かでくつろげる喫茶店があればいいのに。

写真のアート作品は2つが重なっています。手前はピアノ、壁際にはギター。木のぬくもり感じるインテリアや彫刻作家・徳持耕一郎さんのアートがくつろげる空間を演出しています。

この喫茶葦島さんは河原町三条。他にもいくつか店舗があります。ここで美味しいのは、自家焙煎の豆を使ったコーヒー。一杯ずつ丁寧に淹れてくれる珈琲は、時間が経っても味が変わらないのが特徴。そして、僕がお薦めしたいのがチーズケーキです。

「珈琲の美味しさをさらに引き立てること」をコンセプトに、チーズケーキが7種類も!店内で数量限定で提供している三条チーズケーキは美味しいですよ。珈琲とセットでお願いすると、ランチが軽く食べることが出来るお値段になりますが、お財布の中身が気になる時は、避けた方が賢明です。

一昔の京都とは違い、人込みの中を歩いて疲れることが多くなった古都。ちょっと足を休めたいと思っても、なかなか良いお店がありません。騒がしくても良いのなら大手チェーン店も沢山京都にはありますが、やはり京都に来たからには珈琲タイムにも拘り、時間と空間を楽しみたいと言う方には、ここはお薦めです。

いつか「あんなお店もあった」という思い出を持つには、良いお店は見つけた時に行くことです。思い出はお金では買うことが出来ません。


渋谷・西村フルーツパーラー ~東京のお気に入り②

2024-05-17 | 昭和の喫茶店

東京時代、コンサートや観劇、書店、そしてタワレコ、すみや、HMVやWAVEなどのCD店巡りで渋谷に行くことが多かった僕は、この店をいつも使っていました。スクランブル交差点前、渋谷西村2階の「西村フルーツパーラー」です。

ニュース等で渋谷のスクランブル交差点が写る度に、このお店が健在かどうか、いつも画面の中を探してしまいます。

いつ行っても満席近いので、エレベーターではなく階段を駆け上がって入り口に向かうのが常でした。

パフェを主体とした渋谷のお店。お客は若い人達ばかりですが、お年寄りや中年カップルも多いのがこのお店。僕がここを利用する時は、ミックスサンドとアイスラテをセットでオーダーしていました。これがセットで約1300円(2010年当時)なのですが、安い!お腹が美味しい味で満たされます。

僕がこの店で最も愛したものは、このお店の「サービス」でした。形の無いものに支払うサービスとはどういうものかが、このお店では実感出来ました。オーダーは誰にしてもいいのですが、食べ物を配膳してくれる人で、気分が変わり味は変わります。アルバイトの女の子は駄目!副店長も駄目!1人最高のちょっとハンサムないい男がいるのです。それがこのお店の店長でした!

写真が当時の店長で、コーヒーを置く時も、例えば2人で行くと、対角線もしくは前後対象に1ミリの狂いも無く、コースターから水、ストローまで全てを置いてくれます。そして問題のミックスサンド。ヨーグルトも付くのですが、フォーク、スプーンをナプキンの上に置く動作までが流れるように華麗なのです。パーフェクトにオーダーを置いていってくれました。

常に店内に目を配っており、厨房の方からモノを落とす音が聞こえて来るやいなや、「お騒がせして申し訳ございません。」店内に速攻でお詫び。出したものに粗相があれば「申し訳ございません。只今すぐにお取替えいたします。今暫くお待ち下さい」。何よりすごいのは、この店長だけは必ず

レディ・ファーストでテーブル・サービスを行うのです!コーヒーを出してからサンドを出すまでの時間まで、最適な時間で出してくれます。コーヒーの氷が溶けない内に。

2010年11月26日、オリビア・ニュートン・ジョンのオーチャードホールのコンサートに行く前に、ここで珈琲を飲んだことも思い出深い。写真はその一月後の12月24日。僕が最後にこのお店に行った日の渋谷の風景です。当時の携帯のカメラが、この程度の性能だったのも懐かしい。(笑)

ショートケーキがクリスマスのデコレーションに。

店の向かいのビルには有馬記念の宣伝が。この2日後に1着ビクトワールピサ、2着ブエナビスタ、3着トゥザグローリーの3連単で僕は6万円を獲得。この翌2011年3月に東日本大震災が起こり、それを契機に僕は大阪に戻りました。

それから10年ほど経過した2022年、僕は思いもしなかったことから、もう1度このお店を思い出すことになります。それは・・・

この映画の中に、このお店の内外が登場していたからです。

しっかり実名でお店の名前も見えています。渋谷の街が舞台になる作品でしたが、このお店を劇中に目にした時は物語そっちのけで驚きました。

 


“ザ・ダイニングルーム” ~東京のお気に入り①

2024-05-13 | 昭和の喫茶店

僕が東京で仕事をしていた時代、心から気に入った心休まる場所が2つありました。昭和の喫茶店ではなく今も営業しているお店ですので、東京の方にお勧めするのは勿論、他の地域から東京を訪れた際には足を伸ばしてみては如何かと思います。

ここは品川駅からすぐにある、品川イーストワンタワー26階。ストリングスホテル東京インターコンチネンタルのレストラン&バー「ザ・ダイニングルーム」です。夜は静かで人も少なく、最高の雰囲気を醸し出してくれます。

エレベーターを降り、綺麗な水面を眺めながら歩を進めると、フロアの真ん中がレストラン&バーになっています。騒がしい会話もなく、騒々しいBGMもない、静かで上品な空間があなたを待っています。

結構な高級感のお店ですが、ホテルのラウンジや喫茶だと思えば、さほど値段が高い訳でもありませんし、高級料理やワインを頼まないといけないお店でもありません。

僕は普通に珈琲を注文し、いろいろなことを考えながら時間の過行くのを、ここで楽しんでいました。時には人とここで語らうこともありましたが、最小限の会話で時間を一緒に共有したものです。

こういうケーキと珈琲で時間を過ごすことも。どの座席に着いても過ごしやすく、隣との空間も十分。とにかく心地よい場所でした。可能であれば夜の遅い時間ほど素敵な場所です。

ここに行く時の注意は1つだけです。騒がない、静かに過ごすこと。上品な振る舞いをお願いしたいと思います。僕が次に東京に行った時、安っぽい空間になっていないことを心から願っています。

 


無料英会話プリンスラハイナ ~昭和の江坂の “名物店” ③

2024-04-21 | 昭和の喫茶店

英会話喫茶・・一時のブームが去り、今やあまり聞かなくなりました。でも、90年代に入ったばかりの頃には、早過ぎたお店が江坂に出現しました。

喫茶「プリンスラハイナ」は、1990年当時、1人を除きスタッフは全員外国人でした。彼らが少しでも英語を話せるお客さんだなと判断したら、どんどん話しかけて来るので、英会話のレッスンになってしまうという喫茶店でした。コーヒー400円、パスタランチ800円という普通の値段だったので、江坂に行った時には空いている時間に珈琲を飲みに行き、1時間少し、僕は英会話をスタッフと楽しみました。格安の英会話レッスンでした。

内環状沿い江坂駅の東に少し行くとあった、バーベキューとビアハウスの「HUBBUB」も忘れられません。塩とレモンで飲むメキシコビールのテカーテや青島ビールなど、70種類以上のビールが揃っていました。テーブルに備え付けの独特のプレートで焼くバーベキューセットと共にビールを楽しみました。

最後にここも忘れてはいけません。パブ「ハリウッド」は50s&60sのライブパブでした。茶系統の木の温もりの感じられる内装と店の名前から、古き良き時代のアメリカへの思いが感じられるお店。当時はテーブルチャージ1500円、ミュージックチャージ500円がまず必要で、その後ウイスキーが600円から、フードも600円からで、やや高いお値段でしたが、夜中の2時まで営業というのは嬉しかったものです。

最近はラーメン屋の閉店が相次いでいると言いますが、駅周辺だけではなく、大学の周辺にも居酒屋チェーン店やコーヒーチェーン店が軒を連ねる時代です。昔のように個性的なお店が本当に無くなりました。こういうお店がしのぎを削る時代はもう来ないのでしょうか?どこに行っても同じ店が、同じようなお店の作りで、同じ味の珈琲や食べ物を出す。お客は定番に安心出来るのかも知れないし、経営者はフランチャイズ契約で簡単に出店出来る。つまらないと思います。

 


チケットはブーミンホールで!~昭和の江坂の “名物店” ②

2024-04-20 | 昭和の喫茶店

前回に引き続き、江坂について書いてみたいと思います。1980年代からの90年代の江坂には、いろいろと面白い、僕にとっては曰く付きの場所がありました。

今はコンサートチケットはネット販売。ファンクラブに入会していると取り易いようですが、転売ヤーも増加していて迷惑この上もありません。僕が学生の頃はネット販売など勿論無く、プレイガイドに直接足を運び、座席を自分で選んで買えました。だから、プレイガイドによって販売している席が異なるので、どこどこのプレイガイドは良い席があるとか無いとかの情報は貴重でした。力のあるプロモーターのお膝元がベストでした。

その上で、発売の数日前から友人たちと交代で並びもしました。整理券が必要になったこともありましたが、来日中止というかコンサートが中止になった、ポール・マッカートニー&WINGSやローリング・ストーンズ、チープトリックのチケットも入手していてため息が洩れましたし、オリビア・ニュートン・ジョンの初来日、ブルース・スプリングスティーンやイーグルス、ビリージョエルの70年代初来日のチケット入手にも苦労しました。

ここは江坂の懐かしの1990年のブーミンホールです。今とは趣が違うと思います。この隣にプレイガイドが設けられ、僕の後輩が責任者を務めていました。この頃からオンラインシステムでチケットを発券するようになり、チケットは印刷ではなく、現在のような味気の無いものになりました。まだ自宅から購入は出来ません。もう時効ですが(笑)この後輩に頼めば、頼んだコンサートのチケットは全て入手出来ました。現在のようにチケットの発売に公正性が適用されていなかったのです。それでも、ミック・ジャガーの初来日コンサートのように、風邪で当日の公演中止に遭遇したりもしましたが。

喫茶「ファクトリー」は、東急ハンズの3階。ロフト風のインテリアが楽しいカフェテリアでした。ニンジンやほうれん草を使ったナチュラルケーキが当時は珍しく人気でした。

喫茶店「プランタン」は今も営業されています。懐かしいお店が現在も続いているのは嬉しいものです。自家焙煎の美味しい珈琲が自慢のお店でした。トーストや手作りサンドイッチも美味しく、当時はサンドイッチが450円でした。フローリングの床に、ウッディ感覚のインテリアが大人のムードで、落ち着いたお店でした。