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2017年09月13日 | 事件

歴史あざ笑う卑劣な行為、遺族ら憤慨

    朝日新聞デジタル - 2017年9月13日

  沖縄戦の際に83人が「集団自決」した沖縄県読谷(よみたん)村の洞窟「チビチリガマ」で、入り口の説明板が引き抜かれたり、内部の遺品が荒らされたりしているのが12日、見つかった。ガマを管理する遺族会は、警察に被害届を出すことを検討している。

  元村議で僧侶の知花昌一さん(69)が12日午前11時ごろ、海外のジャーナリストを案内した際に異変に気付いた。村や県警嘉手納(かでな)署によると、旧盆の5日に遺族が中に入った時には異状はなかったといい、署は5~12日午前の間に荒らされたとみている。

 うっそうとした森の中に、チビチリガマはある。内部への立ち入り禁止を示す看板は、入り口から10メートル以上離れた沢の斜面に転がり、彫刻家の金城実さん(78)が遺族たちと共に制作した「世代を結ぶ平和の像」の上には、悲劇を詠んだ詩が書かれた別の看板が放置されていた。

  村職員らとガマに入ると、平和学習で訪れた中高校生らが供えていった千羽鶴の半分ほどが引きちぎられ、地面に散乱していた。30メートルほど奥に進んだ真っ暗な場所に集められていた遺品のつぼやガラス瓶は粉々に割られ、遺骨が残る地面に散らばっていた。

  母の両親やきょうだい計5人が犠牲となった遺族会会長の与那覇徳雄さん(63)は「なぜこんなことが起こったのか。許してはならない。遺族はまた苦しむ。だが、また立ち上がって平和を発信したい。こんなものには負けない」と話した。

  チビチリガマは1987年、「平和の像」が右翼団体員によって破壊されたが、中の遺品や遺骨は無事だった。知花さんは「今回はより悪質。集団自決を生き延び、罪の意識に苦しんできた遺族にとって、ここは単なる墓ではない。沖縄戦の犠牲者を再び殺す行為であり、沖縄の苦しい歴史をあざ笑う卑劣な行為だ」と怒りをあらわにした。