アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

渥美半島のブロッコリー

2011-02-24 14:04:16 | たべもの
  渥美半島の先端近くの町で農業を営んでいる友人のOさんから、とれたてのブロッコリーが届きました。

  みずみずしい! そして重い! こんもり山になった形がかわいい、すばらしい出来の野菜です。Oさんの住む渥美では、キャベツ畑が多いそうですが、ブロッコリー畑もちらほら点在しているそう。Oさんは、「家庭菜園に毛が生えた程度」の規模での露地栽培を手がけているそうです。彼女の家の主要作物はイチジク。以前送ってもらったイチジクで作ったジャムはおいしかった!(コチラ→)

   さっそくお礼の電話をすると、Oさんいわく、「出荷できない規格外品を送ったのよ」。形はいいし、色もいい。いったいどこが規格外に当たるのか、不審に思っていると、続けて彼女はこういいました。

   「緑色の山の一部に紫色の部分があるでしょ? あれは野菜の中のアントシアニンが出たものなのだけれど、あれが出ているブロッコリーは引き取ってもらえないのよ。ほんとは、あの紫色のところがおいしいのに」

   彼女が卸している出荷先は農協ではないそうですが、規格はすべて農協に準じているため、売れない野菜の烙印が押されたのだそうです。


   「こんな立派なブロッコリー、こちらの直売所だったら飛ぶように売れるよ」と私。紫色のブロッコリーも存在するのに、緑色のブロッコリーはあくまで緑でないといけないなんて、消費者は思いません! おいしくて手ごろな値段で、新鮮で安全な作り方がされていればいうことはないのに、なぜ、規格外としてはじかれるのか不思議です。

  最近、ネット上で、規格外の野菜がたいへん人気を呼んでいると聞きます。やはり、私のように思っている消費者が多いのでしょう。いつも思うことですが、売りたい人とほしい人がうまく出会える場所がもっともっとあったら、幸せなのに。

  ところで、いただいたブロッコリーはなんと露地栽培! まだわずかながら雪が残っている愛知県北部の山里の住人としては、南の渥美は考えられないあたたかさです。渥美で生まれ育ったOさんは、以前、雪などほんの数回しか渥美で見たことがない、と言っていましたが、今年は2回もうっすら積もったとか。天候不順のせいもあって出荷時期がずれたブロッコリー、しばらく食膳をにぎやかにしてくれそうです。
  
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薪をもらった!

2011-02-22 21:17:31 | アンティマキ風自然的生活
 一昨年はまきストーブ用の薪があまり用意できなくて(関連記事はコチラ→)、冬の後半はほとんど石油ストーブで過ごしました。もらいものの廃材や剪定した庭木は豊富にあったのですが、乾いた状態の薪が少なくて、あきらめざるをえなかったのです。

  この冬は、前のような残念な冬にしたくなかったので、かなり早くから、廃材や割り木、短く切った丸太などを、雨よけのある棚にしまったり、積んだ上にシートをかけたりして準備しました。

  また冬の初めには、知人のMさんから、納屋に保管してあった杭やはざかけ用の長い棒などを、ストーブにくべやすいようにわざわざ短く切ったものをたくさんいただきました。

  そんなわけで、ストーブのある暮らしをはじめて今年ほどあたたかく過ごせる年はない、と喜んでいたのですが、わずか3か月で薪不足となりました。短く見ても、あとひと月は必要な暖房。とうてい乾いた薪は足りそうもありません。仕方なく石油ストーブで補いながら、けちけち焚いていました。

   そんなとき、思いがけない朗報が。Mさんからまたまた「薪をいらないか」との連絡が入ったのです。今度はご自宅のものではないので、稲武から車で一時間も行った南信州から運んでくださるとのこと。恐縮しつつ、ぜひにとお願いしました。

  昨日外出先から戻ったら、家の外壁にきれいに積まれていたのがこれ。スギやヒノキもあれば、この辺で「かなき」とか「かたぎ」と呼ばれるナラやクヌギなどもあって、すぐに使える乾燥状態です。Mさんにお礼をいうと、なんとまだあとこの3倍ほどの量があるとのこと。おもわず相好がくずれました。さっそく贅沢に薪を投入し、暖かい夜を過ごしました。

  そして今日の午後、いただいた薪を裏庭に運んでいたとき、Mさんが薪をいっぱい積んだ軽トラを運転して来てくださいました。きのうきょうと続けて運んでくださったのです。これらの薪はすべて、Mさんのご親戚がお風呂用にためていたもので、つい最近まで天水と併用して使っていたのだそうです。薪風呂のほうが、現代的な風呂よりも体が芯から温まるのだそうですが、電気に切り替えることにしたので薪が不要になったとのことなのです。

  そういえば、ストーブで沸かしたお湯は、ガスで沸かした湯よりおいしいと聞いたことがあります。試したことはありませんが、薪風呂のほうが体が温まるのと同じ理屈なのかもしれません。

  ついでに思い出しましたが、稲武ではいまもけっこうたくさんの家々で、炭炬燵を使っています。電気に比べたら、部屋の中までほんわかとあたたかくなるそうで、炭のコタツのある部屋では、灯油のストーブは不要だとのことです。  

  寒いところは、少々手間がかかっても、より温まる工夫をいろいろ今もしているのだなあ、と思ったことでした。
  
  ところで、「かなき」とは、お金になる木、「かたぎ」とは木が硬いからそういうのだと聞いています。ともあれ、しばらくは薪の心配をせずにすみそう。うれしい! でも、先々のことを考えて、今年こそがんばってこれから先の冬の準備を怠らないようにしようと思います。     
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おいしいオーガニックワイン

2011-02-17 14:50:59 | のみもの
  友人の紹介で、安くておいしいワインを手に入れました。10本、まとめて送ってもらったワインは、すべてオーガニック。ビオワインともいうのだそうです。

  ワインはすきなのですが、その辺で売っている安ワインだと味はやはりそれなり。かといって、一本何千円もするワインはめったに買えません。2000円から3000円出すとたまに掘り出し物があって、うれしい思いをするのですが、名前をメモしておかないので忘れてしまい、結局いつも当たったり外れたりして一喜一憂しています。 

  入手したビオワインはどれも1000円から2000円前後の品ばかり。でも、おいしいのです。いまのところ、4本飲んだので、4本だけ紹介します。

  写真左は「パッラ ソーヴィニヨン・ブラン・モスカテル」。スペインのラマンチャ地方のワインです。ラベルに、ラマンチャの男、ドン・キホーテが描かれています。10本のうち最も値段は安いのですが、それにしてはおいしい。うまみというか深みはないのですが、フレッシュ。十分飲めます。

  真ん中は「アフロス ヴィーニョ・ヴェルデ ロウレイロ」。ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ地方の白ワインです。口に含んだとき渋みを感じましたが、すぐに消え、甘みとすっきりした味わいを感じます。すっぱい品種のぶどうを使っているのか、酸味も感じます。一風変わったおいしさがあります。

  右は「カベルネ リソン・プラマジオーレ `センツァ・ソルフィティ`」。イタリアのヴェネト州の赤ワインです。こちらもとてもしっかりした深い味わいがあります。栓を抜いてから1時間置いて飲んだら、もっとおいしくなりました。

  昨夜飲んだのはこちら。

  「ソアヴェ・クラシコ」という、上記のワインと同じくイタリアはヴェネト州の白ワインです。さわやか! たまたま買ってきたカキをニンニク風味のソテーにして、ワインを飲みながらほおばったら、カキと白ワインが、それはうまく調和してすばらしくおいしかった! でも、カキは一人2個しかなかったので、幸せな気分は長続きしませんでした。

   4本ともみんな満足。これらのワインを取り扱っているのは、eurovin(ユーロヴァン)・株式会社岸本です。酒・しょうゆの卸問屋だったこの会社は、90年代にワイン専門店として再出発してから、積極的にオーガニックワインを取り揃えているとのこと。Hpには、こう書いてあります。

  「多くのオーガニックワインの生産者は、小家族で努力を重ね、大きな情熱と努力を持ってワイン造りをしています。少人数ですので、多くの場合生産量はそれほど多くありません。そこでは、大規模な生産者とは全く異なった考えでワインが造られています。『オーガニックワインはおいしくない』と言われたのも昔のこと。 今では、この人達の努力によって美味しく、かつリーズナブルな価格のワインが沢山造られています」

   野菜でも米でも同じですが、安全だからおいしいとは限りません。安全でしかもおいしいのが理想。そういうワインが日本で手軽に入手できるとはうれしい限りです。店のHpには、こんなことも書いてあります。
  
   「私達の店のワインは、とても多種多様です。というのも長い歴史の中では、実に多くの種類のぶどうが世界各地で育てられ、それにもまして多様なワインが造られてきたからです。 みなさんがよく耳にされるぶどうの種類や飲まれるワイン以外にも、世界各地に育つ、その地方固有のぶどう、そしてそのぶどうから造られるおいしいワインが驚くほど沢山あります。 中には強く自己主張をしているなーと感じさせるものに出会うことがあり、そういうときには嬉しくなります」
  
   いいワインとの出会いを、心から楽しんでいる様子が伺えます。このお店の人たちが集めた世界のワイン、いつか大阪にあるお店に行って、眺めてみたいものです。
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フェルト作り

2011-02-15 15:34:38 | 手作りいろいろ
  ずっと前からやってみたかったフェルト作りをしました。使うのは、羊の原毛。一頭分の毛を手に入れた知人に分けてもらった正真正銘の毛そのものを、よくよく洗って、草木染めしたものです(関連記事はコチラ→)。
   最初にしたことは、毛をなるべく繊維らしき方向に広げること。毛がうまく絡まるようにするために縦方向と横方向を交互に重ねる必要があるのです。でも、私のところにある原毛は、羊の体から刈り取ったそのままの状態なので、梳いていません。市販の原毛より扱いづらいのですが、根気よく薄く広げ、引っ張りながら、縦か横か大体のところを見極めて層を重ねていきます。

   今回作ったのは、フェルト小皿とコースター。フェルト小皿は、小皿に何枚も毛を広げながら重ねていき、小皿をフェルトで完全に覆うことができればできあがり。熱い湯と洗剤で毛をこすり続けて作ります。

  熱い湯をかけると、わっと縮みます。洗剤をかけるとすべりがよくなるので泡だらけにしながら、抑えたりこすったりします。

  だんだんフェルト化してきました。でも、小皿との間が浮いてしまい、なかなか密着しません。何度も熱湯をかけては洗剤を振り掛けてごしごしこすります。

  1時間以上かけてこすり続けたのですが、まだフェルトそのものになっていません。でも、時間がないのと疲れてきたのとで、水洗いして水気をふき取り、きょうのところはこれで終了にしました。ところどころまだ毛のままふわふわしています。

  コースターも、何層かに重ねてから湯を注ぎ、洗剤もかけてこすります。指先でたたいたりもんだり、巻きすで巻いてごろごろ転がしたり、さまざまな方法でひたすら毛に刺激を与えます。

  だんだん縮んできましたが、こちらも中途で終了。どちらも完全にはフェルト化していないので、次の機会にまたこすってみようと思います。

  繊維を糸状にして織る文化は世界中にありますが、不織布の代表のようなフェルトの文化も、また古くからあちこちの地域で見られるそうです。ひっぱったら切れる毛を、縒ったり編んだり織ったりせずに、丈夫なシート状の布地に変える工夫をした古代の人の知恵に舌を巻きます。
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オリーブ香草塩

2011-02-11 12:09:59 | たべもの
  陶器の回収に訪れたどんぶり会館(コチラ→)で、棕櫚タワシのほか、もうひとつ、前に買ったのと同じものを買いました。

  香川県小豆島産のオリーブ香草塩です。

  このオリーブ香草塩は、名前の通り、オリーブ入りのハーブソルト。岩塩、ペッパー、オニオン、ガーリック、タイム、セロリ、オレガノにオリーブの粉末がはいっているのです。

  ハーブソルトは頻繁に使うのですが、けっこう高い。自分で作ろうと思いつつ、手軽な市販品をつい購入してしまいます。手元にあるクレイジーソルトとなめ比べてみました。ちがいます! クレージーソルトのほうが塩の辛さが際立っています。オリーブ香草塩で使っている塩のほうがミネラル分が多いのかも。それになにより、オリーブの香りがいい。コクを感じます。

  100g370円という値段にも惹かれます。スープの味付け、チャーハン、炒め物、下味付けなど、けっこう贅沢に使っても、なかなか減りません。  

   ネットを見ると、値段はいろいろ。私がどんぶり会館で買ったのと同じ安い値段で売っているサイトは、こちらです。
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棕櫚タワシ

2011-02-11 10:41:41 | 便利な道具・好きな道具
  陶器の回収のため、岐阜県土岐市のどんぶり会館に行ったとき(コチラ→)、棕櫚タワシを買ってきました。前にもこの場所で同じものを買ったのですが、とても使いやすかったので予備にもうひとつ買っておくことにしたのです。

  見た目は普通の亀の子タワシと変わりありませんが、手でさわると違いがよく分かります。痛くないのです。このタワシで、私は鍋やフライパン、ときには食器も洗いますが、汚れたところにブラシ部分がちゃんと触れて、汚れ残しがありません。それでいて固さがあるので洗いやすい。柔らかいタワシと普通の固い亀の子タワシの両方のいいところを兼ね備えているように思います。

  タワシそのものの油落ちがいいのも特長です。てんぷらした後の鍋を洗っても、タワシが油っぽくならず、お湯でさっと洗えばすぐにきれいになるのです。

  現在、普通に使われている亀の子タワシは、パームヤシの繊維で作られているのだそう。大正末期から昭和初期にかけて棕櫚が不足し始めたため、南方のヤシを使うようになったようです。だから、あの固さは亀の子タワシ特有の固さではなく、パームヤシの特徴だと、この棕櫚タワシを使うようになってから知りました。

   棕櫚といえば、前に棕櫚の箒を買ったとき、和歌山が棕櫚の一大産地だったと知りました(コチラ→)。このタワシも和歌山の生まれ。タワシ職人が一つ一つ手作りしているということです。製造元の高田耕造商店のホームページには、タワシが出来上がる工程が丁寧に紹介されています。値段は400円ちょっと。手作りでこの値段とは、うれしくなります。

   ホームページには、野菜や体を洗う棕櫚タワシシリーズに「やさしいたわし」という名をつけています。「やさしいたわし」を使うと、「やさしいわたし」になれますよ、という含みがありそうで、おもわず微笑んでしまいました。

  ところで、亀の子タワシという呼び名は、株式会社亀の子束子西尾商店の登録商標(第393339号など)だそうです。でも、ああいうかたちのタワシをほかにどう呼んでいいかわからないので、そのまま、「亀の子タワシ」と記しました。   
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陶器のリサイクル

2011-02-10 14:03:54 | アンティマキ風自然的生活
   昨年暮れ、納屋を整理したら、数年前知人を介してもらった古い陶器の山が出てきました。そのおりもらったのは、文机、壊れかけた糸車、和裁の裁ち台、織り機の部品などなど、私にとっては宝のような古道具でした。そのなかに、木箱にはいった古い食器があったのです。ほかの道具はみんな家のどこかにところを得てそれなりに収まっているのですが、食器だけは始末に困り、そのままになっていました。古いといっても時代物というほどのものではなく、多くは色あせて薄汚れていたし、格別立派そうなものもなかったので、ほったらかしにしていたのでした。

  ダンボールに6箱ほどの食器類を運び出し、日の下にさらしました。最初に思ったとおり、いいものはありません。ふたつだけ、面白い形のものがあったので取り除け、小皿の何枚かはクラフトに使えそうなのでそれも除外して、後はすべて処分することにしました。


  でも、ちゃんと形があって使えるものを捨てるのはもったいないなあと思っていたとき、以前、岐阜県の多治見か土岐で陶器のリサイクルをやっていると聞いたことがあるのを思い出し、調べてみたら、やっていました。ときたま行く事のある土岐の道の駅・どんぶり会館でも回収していると分かったのです。

  さっそく持っていきました。受付でその旨告げると、係の人がやってきて端から箱に入れ直し、引き取ってくれました。会館の前にはちゃんとボックスがおいてあります。これからも、ちょっとでも持ってきてここに捨てればいいのだなとわかりました。

   どんぶり会館にちかい、多治見の道の駅・志野・織部にも、同じようなボックスが入り口に置かれ、持参した器を箱に入れている人を見かけました。


   どんぶり会館の職員は、回収した食器は陶器タイルに再生するらしいと言っていましたが、再生陶器で作られた食器もあるらしく、どんなものになるか、いつか見てみたいものです。再生陶器のサイトはこちら(→)

   捨てるものが生き返ると聞くと、ほっとします。捨てるときの後ろめたさが減ります。ただし、回収してもらえるのは食器だけ。花瓶、置物、土鍋、植木鉢、ガラス製品は引き取ってもらえません。陶磁器のリサイクル活動に関してはこちらをご覧ください。


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ウール染め

2011-02-08 10:04:38 | 草木染め
 まだまだらに雪は残っていますが、よく晴れた青空の見える日、色のあせたセーターとカーデガン、ユニクロで安売りしていたセーターを草木染めしました。

たいていの草木のもつ色の成分は、タンパク質と結びつきやすいので、動物性の素材である絹やウールは、前処理なしで楽に染まります。

  ただし、ウールは、いきなり冷たい水の中に入れたり、反対に熱い湯の中に入れたりするとフェルトになってしまうので、徐々に温度を上げたり下げたりして染める必要があります。その手順だけ踏めば、けっこう気楽にいい染めができます。

  染め材料は、クルミの果皮とカリヤス。どちらも乾燥したものを水に入れ、あらかじめ煮出して漉しておきます。染め液の浸透性をよくするため、ウールは、ウール用洗剤を加えたぬるま湯にしばらくつけておきます。そのあと、少しだけ温めた染め液にウールを入れ、ゆっくり温めます。液の温度が80度以上にならないように気をつけながら、むらの出ないように満遍なくウールを動かします。

  適当な時間を見計らって火を止め、冷まします。そのあと、媒染。クルミは鉄液で柔らかめの茶色が出ます。カリヤスはアルミや銅液で黄色系、鉄液で草色のようなオリーブ色のようないい色が生まれます。

  媒染のあと、またもとの染液に。媒染のときももとの染液に戻すときも、どちらも液は温めておき、ウールにダメージを与えないようにします。さめたらよく洗い、酢をちょっと加えたぬるま湯につけ、脱水して完了。

  バスタオルの上に広げて乾かし、翌朝撮った写真がこちら。右が元は黄色だった色あせたセーター、カリヤスの鉄媒染にしました。真ん中は白のセーター。クルミの鉄媒染です。一番左のカーデガン、もとは薄紫色でした。カリヤスの銅媒染で、春先にふさわしいカーデガンに生まれ変わりました。どれもふんわりしあがり、さわると気持いい。見ていて飽きない色の深さです。

  ストッキングに入れて、原毛も一緒に染め直しました。手前右がカリヤスの銅媒染、向こう側が鉄媒染です。左手前の茶色は、以前クリで染めたものです。その向こうのピンクはタカキビの殻、一番奥の白っぽいのは原毛そのものです。

  これらの原毛は、ずっと前に知人が手に入れた羊の毛。彼女と二人で苦労して洗い、油気や汚れを落としました。染め直した原毛は、来週、友人たちと行うフェルト作りに使う予定です。
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中当がんばろまい会の豆腐とおから

2011-02-05 20:43:23 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
  「限界集落」という言葉があることを知ったのは、数年前。65歳以上の高齢者の割合が、住民の50%以上になった集落を指すのだそう。冠婚葬祭など社会的な共同生活の維持が困難になった集落のことで、この先、共同体として生きていくのが「限界」という意味で使われているとのことです。

   なんだかとても切羽詰った感じがあって、この先たいへんだなあ、と思わせることばです。稲武にはいくつか限界集落があるそうですが、稲武の中心地から車で5分ほど行ったところにある、中当町もそのひとつ。

  中心部以外の稲武の大かたの集落の家々は、棚田と同じように、山の中腹や谷あいにあったりして、日当たりも悪く、崖崩れの心配がありそうなところに建っています。でも、この集落は開けた平地にあり、日当たりがよさそうに見え、明るく穏やかな雰囲気が漂っています。だから、限界集落と聞いても、ぴんときません。でも、実際に、この町には、保育園児はもちろん、小中学生もいないのです。

  この中当町の有志の集まり、「中当がんばろまい会」の主婦たちが、このほど、豆腐の製造・販売を実現させました。

  実はおととしの秋、「がんばろまい中当」という名のイベントが開かれ、そのおりはじめて、集落の人たちが試行錯誤の上作った豆腐を、一般の人々に披露しました。たまたま試食して、そのうまさに驚きました。以来ずっと、製造開始をこころ待ちにしていたのです。

  そしてやっと、この2月からどんぐり横丁で販売開始。さっそく買ってきました。

  ラベルも容器も素朴です。何の飾りもありません。それだけに、きっと中身に自信があるのだな、と思わせます。食べてみました。

  やっぱりおいしい! しょうゆも何もかけずに、半分も、パクパク食べてしまいました。豆の味がします。うまみがちゃんとあって、適度な柔らかさを保っています。いままでずいぶんたくさんのおいしいと思われる豆腐を食べてきたけれど、そのなかでも、けっこう上位に入れたい豆腐です。地元でこんないい豆腐が食べられるのは、幸運です! 大豆は、地元や近隣で作られた「ふくゆたか」という品種を使っているそうです。

  おからは豆乳がまだたっぷり残っていてしっとりしています。どんぐり横丁の販売員の人たち一押しの食べ方が、おからサラダ。作ってみました。

  材料は思いつくままの有り合わせで。夏に作ったすっぱすぎるピクルス、生玉ネギ、リンゴ、ヒヨコマメを全部ボウルに入れ、おからと混ぜ合わせます。そこに、オリーブオイルと塩コショウを加え、さらに混ぜます。ピクルスがすっぱいので酢は控えることにして、松田のマヨネーズでよく和えます。これでできあがり。

  これまではおからをわざわざ炒っていたのですが、そんな必要はまったくなくて、いいサラダになりました。おからにまだ味が残っているので、塩だけとか簡単なドレッシングでも、十分おいしく食べられそうです。このおからを使った焼き菓子を作ってみたくなりました。


  ところで、今月のどんぐり新聞に、この豆腐と豆腐を作った宮下工房のメンバーの記事が載っています。昨年末の三河の山里だよりでも、詳しく紹介されています。

  
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リンゴの米粉ケーキ、発売します!

2011-02-03 22:44:35 | アンティマキの焼き菓子とパン
 昨年秋の終わりころから試作を始めた、リンゴと米粉のケーキ、きょうもまた、焼いてみました。食べてみて、突然、あした発売を決めました。これでOK!と思ったからです。
 
  米粉だけだとさっくりはしているけれど、舌触りがイマイチ。それで、米粉を半分弱に抑え、薄力粉と全粒粉を少し多めにしました。リンゴはそのまま入れると水っぽくなるので、粗糖でちょっと煮てから入れています。

  表のラベルと材料表示のラベルを急遽作りラッピング。明日朝、どんぐり横丁に納品します。

  このケーキ、材料を詳しく書くと、北海道産薄力粉(ドルチエ)、稲武産米粉、国内産全粒粉、沖縄産粗糖、長野産リンゴ、豆乳、アメリカ産くるみ、卵、米油(ツノ食品)、ノンアルミのベイキングパウダー、ゲラントの塩、シナモン。稲武産米粉は、長年農薬を極力使わず有機肥料での栽培を続けてきた、筒井重之さんの作。リンゴは飯田市の低農薬栽培のリンゴ農家から届いたものです。卵はどんぐり横丁で販売している岐阜県恵那市のらんらんの卵。

  先日予告した冬のオカキも明日から販売します。
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