アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

今年の味噌作り

2020-04-27 09:23:21 | 手作りのたべもの
  稲武は今、花盛りの季節を迎えました。庭先のモクレン、ソメイヨシノ、花桃、水仙、貝母、二輪草はしおれかけていますが、あちこちにはびこったツルニチニチソウが紫の花を咲かせ始め、大島桜、八重桜がほころび始めています。

  いつもなら国道を通るバイクの音がうるさくなる時でもあるのですが、今年は静か。鳥の声とサルか何か獣の声が時折聞こえるくらい。彼らも里の尋常でない様子に気付き始めたのかもしれません。

  さて今年の味噌作りは、いつもよりまじめな気持ちでおこないました。どこにも買い物に行けなくなったり、買いものにはいけても、店頭に食料が極端になくなったり、そういった事態がいずれ訪れるかもしれない。以前も考えないではなかったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、いっそう現実味を帯びるようになりました。

  家で保存できる最低限の大事な食物は、わたしにとっては米と味噌、醤油、塩と梅干。それに、あと煮干しと昆布があればとりあえず大丈夫。

  その大事な食物の一つ、味噌の最後の仕込みが昨夜やっとおわりました。

  今年の仕込みは、大豆6キロ分。麹は豆の1.3~1.5キロ、白味噌は2.5キロ近く入れたので、出来上がりの味噌の量は17キロくらいになります。

  今年の味噌作りは、いくつかいつもと違う点があります。

  まず一つは、豆をつぶすのに、餅つき機を使ったこと。餅つきに使う羽根とは別の味噌羽根を設置し、ゆでたての熱い大豆を水を切ってから機械に投入します。

  ふたを閉め(ここが肝心。閉めないと大豆が飛び散ります)、ボタンを押してちょっとつきます。この「ちょっと」に、今年は気を使いました。

   昨年から醤油麹を分けてもらっている岐阜県可児市のあさの屋さんをこの春訪れたとき、ご主人から、味噌作りについていくつかアドバイスを受けました。その一つが、「大豆は半殺しにすること」。つぶし過ぎてはいけない、というのです。

   これまでわたしはフードプロセッサーやポテトマッシャーでつぶしていたのですが、必ず豆が残り半つぶし状態に。ほんとはひき肉機を使って完全につぶすのがいいことだと思っていたので、このアドバイスにはびっくり。

   ご主人がおっしゃるには「つぶし過ぎると空気が入らず、麹がうまくまわらない」のだそうです。このお店では、大豆を丸のまま味噌にしてそのまま売っている豆味噌もあります。まだ食べていませんが、買ってきました。みそこしで濾すとかフードプロセッサーでつぶすとかしたらいいとのことです。一般の味噌屋も、半つぶしにして仕込み、販売するまえに完全につぶして袋詰めするのだそうです。

   もう一つのアドバイスは、「大豆は完全に冷めてから麹と混ぜる」。麹が死ぬからだそうです。つぶすのにいつも時間をかけていたので、ほぼ冷めた状態にはなっていましたが、特別気にしていなかったことです。

   最後の一つは、「大豆の煮汁はつかわないこと」。これにもびっくり。理由はやはり「大豆の目が詰まり過ぎ、麹がいきわたりにくくなるから」。今回は煮汁のかわりにミネラルウォーターをどぼどぼ入れました。

   甕に味噌玉をいれたあと、最上部にはみりん粕を。これは前回から実行しています。酒粕でもいいのですが、私は酒粕がちょっと苦手なので、みりん粕を。かびない限り、できあがった味噌にこの粕もまぜこむので、味噌が少し甘くなりおいしくなる気がします。

    そして最後にしたこと。これも今年初めてのこころみなのですが、みりん粕の上に、麻布をかぶせました。

    木桶で味噌を仕込んでいる知人が、麻布をかぶせるようになってから、カビが生えたことがないとFacebookに投稿していたのを見て、真似しました。

  おもしは塩。いっときはおもしなんて不要ではないかと勝手に考えてやめていたこともありましたが、味噌玉をある程度ぎゅうぎゅう詰めにして空気を入れないようにしないと、味噌が酸っぱくなるときいてから、しっかり重しを置くようにしました。塩でも砂糖でも小石でもいいのですが、きちんとした形の決まっているおもしより、こういうどうにでも形の変るもののほうが便利だと思います。塩は来年のみそ仕込みに使います。

  大豆は無農薬有機栽培。麹は信州の田中麹店の黄麹と麦麹。大豆を薪窯でゆっくりゆでるといいのだそうですが、それは断念。出来る範囲の味噌作りですが、改良をいくつも施した今年の味噌、開けるのが今から楽しみです。

  
コメント
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