アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「ラストレター」

2023-02-27 22:09:58 | 映画とドラマと本と絵画

  「チイファの手紙」の日本版。ラストレター (映画) - Wikipedia 岩井俊二監督が、中国、日本、韓国の三つの国で、同じ題材の映画を撮りたいと考えてできた、その二つ目。筋はほぼ同じ。出だしはちょっと違います。中国では葬式、日本版は初七日か忌明けらしい。

  中国版だけを見ていた時は気が付かなかったのですが、日本版の方は不要の部分がそぎ落とされていて、見やすくなっていました。不要だったな、ということが日本版を見てわかりました。

  ヒロインは妹役の松たか子なのですが、中国版に比べると人物造形が明瞭で、わかりやすい。その分、神秘的な部分が消え、ヒロインというより、広瀬すず扮する彼女の死んだ姉の娘(姪)のわき役に思えました。中国版はこの娘とヒロイン(チイファ)の娘(従妹同士)とがぼんやり重なるかのような印象でしたが、日本版はきちんと描き分けていて、広瀬すずの美しさ、けなげさを全面的に前に出している感じでした。

  中国版と違っているのはもう一つ。松たか子の死んだ姉と暮らしていた得体のしれない男(豊川悦司)と、小説家(福山雅治)とのシーン。中国版では、男の方は、小説家や死んだ妻に対するコンプレックスをあらわにして応酬し、挙句の果て殴り合いになったのですが、日本版にそのシーンはありませんでした。国の事情を考慮したのかな。

  つぎは、韓国で撮るとの話。どんな映画になるかに興味はありますが、監督がなぜ、同じあらすじの映画を三か国と撮りたいと思ったのかは、推測できません。

  

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あした、10%セール期間中のヘルシーメイトに納品します。

2023-02-23 00:09:51 | アンティマキの焼き菓子とパン

   年3回開かれる、ヘルシーメイトの10%オフセール。今週火曜日から始まっています。アンティマキは、割引対象商品ではありませんが、明日、納品します。

  お持ちするパンは2種。パラダイスリンゴジュースで発酵させたパンとホシノルヴァン種で発酵させたカンパーニュです。

   初登場のこのカンパーニュは、ホシノ天然酵母とヨーグルト、有機ライ麦粉を混ぜて発酵させた種で仕込みました。いつものホシノ酵母だけのパンとは違って、ほんのり酸味があります。ほんとは、サワードゥや小麦粉やライ麦粉からルヴァン種を起こしたいのですが、時間も工夫もいるようなので、最近知ったばかりのこのホシノルヴァンを起こしました。このカンパーニュは、有機強力粉と全粒粉、塩と水と酵母だけで焼きました。皮のカリッとした食感がいい。まずは、この素朴なパンから、新しい酵母の味をお試しください。

  スコーンは黒糖とクルミ入り、ケーキはニンジンと有機バナナ入りを焼きました。ケーキのほうはちょっと焼きすぎましたが、焦げもおいしい。ご飯代わりになるケーキです。

  焼き菓子は、穀物クッキー5種類~オートミールとクルミ、有機コーヒー、米粉と自家製塩麴、黒糖と生姜粉、ココアとカカオニブのほか、シード類とレーズンのたっぷり入ったざくざくクッキー、まるごと甘夏ジャムとココアのクッキー、米粉の味噌ビスコッティ、玄米かきもちをお持ちします。今年のかきもちは、名倉の三川農園の農薬・化学肥料不使用の玄米もち米を使っています。

  お届けは、10時半頃。名古屋店に並ぶのは午後のことになるかと思います。ヘルシーメイト岡崎店に納品した後、暮らしの学校岡崎校に納品します。こちらにお持ちするのは、パン、ケーキ類以外の焼き菓子のみです。

  なお、ヘルシーメイトには、キヨさんのこんにゃくも届けます。

 

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映画「チイファの手紙」

2023-02-07 23:44:07 | 映画とドラマと本と絵画

 岩井俊二監督の2018年公開の映画。中国が舞台で、役者もすべて中国人。https://www.bing.com/search?q=チイファの手紙

 映画は葬式から始まります。喪主は中学生か高校生くらいの女の子と小学生くらいの男の子。死んだのは彼らの母親。その母親の妹・チイファがヒロインです。彼女は姉のところに届いた通知で中学の同級会が開かれるのを知り、会に出席します。そこで出会ったのは、姉を好いていた男子同級生。彼から声をかけられた彼女は逃げるようにしてその場を去ります。

 ところが帰宅後、チイファは彼にもらった名刺の住所あてに、姉に偽装して手紙を書きます。それから始まる二人の文通。

 実は、チイファは、中学校時代、彼のことが好きで告白するのですが、一途に姉を想う彼に一蹴されたことがあります。だから、姉に扮して彼に手紙を書くことは、彼女にとっては果たせなかった恋が実ったかのような錯覚を持たせてくれるひとときだったのです。夫と不仲というわけではなく、家庭はほぼ円満なのに、ひそかな楽しみにのめりこんでいきます。

   纏綿とした情緒が漂ういい映画でした。岩井俊二の映画は「Love Letter」しか見ていませんが、あのせつない雰囲気によく似ていました。子供たちもかわいい。街の様子もいい。監督は、この映画を、日本、韓国、中国でそれぞれ撮りたい、といっているそうで、その第一弾がこちら。第二弾の「ラストレター」は、「チイファの手紙」公開の2年後の2020年にできています。検索したら、あらすじは同じ。三つの国でそれぞれ撮ることにどんな意味があるのか、ちょっと想像できません。でも、近々見ます。

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本「日本人という、ウソ」

2023-02-07 15:55:01 | 映画とドラマと本と絵画

  数年前に読んだ本ですが、紹介しそびれていたので書きます。著者は社会心理学者の山崎俊男。題名に惹かれて読み始めましたが、なるほどと思えるところがいっぱい。軽く読める一冊です。

  たとえば、こんな項目があります。

  「日本人は「会社人間」か」

  筆者は「日本独自の「和の文化」が、日本人の愛社精神や滅私奉公の精神を作り出した」という話は、「眉ツバ」で、戦国時代、足軽から大名まで、武士たちはみな実力守護。主君が自分の能力をきちんと評価してくれないないなら「さっさと見限って転職するべしということが戦国時代の常識であったといいます」。

  本当に自分の会社を愛しているなら、業績が落ち込んだときには「率先して自分たちの給料を下げてくれと願い出るのが当然で」、「会社の存続こそが大事と考えてこそ、本物の会社人間というものでしょう」。

  そこまで忠誠心を持っていないのに、会社のために懸命にはたらく理由は、筆者によれば次のようになります。

  「日本のサラリーマンが会社に忠誠心を示すのは、そうやって振る舞うことが日本の社会において最も適した行動であるから」つまり、「忠誠心を示したほうが何かとトクをするから」会社人間になったというわけです。

  でも、近年、功序列制度や終身雇用制が壊れ始めると、転職は当たり前になり、非正規の社員も増加しています。だからいわゆる「会社人間」が一気に減ったと思われます。「結局のところ、「日本人らしさ」とはけっして普遍のものではないし、日本独特のものでもない」と断言します。

  本書で、印象に残っているエピソードがあります。

  アメリカの大学生と日本人の大学生を対象にした調査結果。ボールペンをいくつか見せて好き嫌いなどを答えてもらいます。アメリカの大学生たちは、個性的で目立つボールペンを選ぶ人が多く、日本の大学生は地味な目立たないボールペンを選ぶ傾向があるのですが、それは表向き。つまり、他人がいるところで選ばせると、日本人は地味なものを選ぶ。でも、個別に意見を聞くと、アメリカの大学生も日本の大学生もほぼ同じく、派手めなものが好き、という結果が出たのだそうです。

  「他人が見ているかどうか」が判断基準を左右するというわけ。上記の「会社人間」同様、人と同じように振る舞うと得するとおもう、そういう人が多いということなのでしょう。ほんとに「得」するかどうかは、今の時代、簡単にはわからないとおもうのですが、考えはなかなか変わらないかもしれません。

 

 

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