荻野洋一 映画等覚書ブログ

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ウォン・カーウァイの選ぶ中国語圏映画のオールタイム・ベスト20

2014-03-23 01:32:49 | 映画
 すこし前に香港電影金像獎の依頼により王家衛(ウォン・カーウァイ)監督が製作年代順に選んだ、中国語圏映画のオールタイム・ベスト20を、覚書として残しておきたい。

『神女(女神)』 1934 呉永剛監督 上海
『夜半歌声(深夜の歌声)』 1937 馬徐維邦監督 上海
『一江春水向東流(春の河、東へ流る)』 1947 蔡楚生、鄭君里監督 上海
『小城之春』 1948 費穆監督 上海
『清宮秘史』 1948 朱石麟監督 香港
『紫釵記』 1959 李鉄監督 香港
『紅色娘子軍』 1960 謝晋監督 上海
『早春二月(早春の二月)』 1963 謝鉄驪監督 北京
『梁山伯與祝英台(梁山泊と祝英台)』 1963 李翰祥監督 香港
『大閙天宮(大暴れ孫悟空)』 1965 万籟鳴監督 上海
『龍門客棧(残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿)』 1967 胡金銓(キン・フー)監督 台湾
『刺馬(ブラッド・ブラザース)』 1973 張徹監督 香港
『省港旗兵』 1984 麥當雄(ジョニー・マク)監督 香港
『上海之夜(上海ブルース)』 1984 徐克(ツイ・ハーク)監督 香港
『黄土地(黄色い大地)』 1984 陳凱歌監督 西安
『英雄本色(男たちの挽歌)』 1986 呉宇森(ジョン・ウー)監督 香港
『悲情城市』 1989 侯孝賢監督 台湾
『牯嶺街少年殺人事件』 1991 楊徳昌(エドワード・ヤン)監督 台湾
『秋菊打官司(秋菊の物語)』 1992 張芸謀監督 北京
『陽光燦爛的日子(太陽の少年)』 1994 姜文監督 北京

 オーソドックスなセレクトだ。原題、邦題、製作年、監督名のほかに、作られた撮影所の所在地も付記する。これが決定的なファクターだから。北京映画が少なく、香港映画と台湾映画が多いのと、民国時代の上海映画が多いのは、香港人のメンタリティが大いに反映されている。馬徐維邦(マーシュイ・ウェイパン)『夜半歌声』と費穆(フェイ・ムー)『小城之春』、あるいはキン・フー『残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿』、楊徳昌『牯嶺街少年殺人事件』あたりは世界的に見てもベストに入ってくるだろう。なお、『神女』は阮玲玉(ロァン・リンユイ 掲載写真の女優)主演。『刺馬(ブラッド・ブラザース)』監督の張徹は、呉宇森(ジョン・ウー)の師匠である。
 邦題については、私の勉強不足によって拾いきれていないものもあるかも。あしからず。


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4 コメント

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Unknown (badass)
2014-03-29 02:34:03
とてもおもしろいリストをご教示いただきありがとうございます。中国の古い映画はほとんど見たことないのですが、ぜひなんとか見たいものだと思いました。
ウォン・カーウァイは、「グランドマスター」のアメリカ公開にあわせたインタビューでは、カンフー映画のフェイバリットとして、キン・フーの「侠女」やショー・ブラザーズの「龍虎闘」を挙げてました。
http://www.nytimes.com/2013/08/18/movies/wong-kar-wai-on-his-new-film-the-grandmaster.html
Unknown (中洲居士)
2014-03-31 03:08:43
badassさん

ありがとうございます。正直言って、他人のふんどし的なブログ記事ですが、楽しんでいただけたなら、うれしいです。「ニューヨーク・タイムズ」のリンクもありがとうございました。
本記事の参照サイトです (中洲居士)
2014-06-15 12:45:08
本記事の参照サイトです。英文ですので、中国語の原題がわかりづらいのが難点ですが、参考までに張っておきます。

http://www.tasteofcinema.com/2012/wong-kar-wais-top-20-chinese-language-films/
上記参照サイトがリンク切れ? (すかあふえいす)
2018-12-30 13:07:22
はじめまして。

上記の参照サイトがリンク切れなのかページが見れない状態のようです。

「ウェブアーカイブ」から拾った過去ログはまだ見れるようですね。

・「Wong Kar-wai’s Top 20 Chinese-language Films」
https://web.archive.org/web/20120725061615/http://www.tasteofcinema.com:80/2012/wong-kar-wais-top-20-chinese-language-films/

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