大地と、太陽と、水の力を信じて。。。

3月11日の震災から既に1ヶ月が過ぎました。

ブログでは元気発信をしておりますが、

いまだに気持ちの振幅が激しく、夜も眠れない日々が続いております。

思えば・・・

多くの尊い命を奪った震災が起きる２週間程前から

自分の体調に大きな変化が現れておりました。

頻繁に夜に目覚める。

まだ寒い時期のはずなのに、気がつくと・・・

寝汗をかいて寝ている。

無気力になり、体の力が出ない。

時々ひどい動悸に襲われる。。。

特に不思議なくらいだったのは、家の中で体を動かすのさえひどいだるさ。

１週間もの間、２階の掃除をしなくなり、

娘に「２階のお掃除しないの、結婚以来初めてだよ、どうしたんだろ。。。」

と言ったのを、覚えております。

そして、あの日金曜日・・・

私は１１時に家を出て、農園研にナバナをとりに行き、

午後から仙台港の某レストランに届けるということで

午前中はそのやりとりで電話をし続けておりました。

結局何度もやりとりの末・・・担当者が不在の為、急遽

あの日大きな津波が押し寄せた仙台港行きはキャンセルとなり・・・

娘は娘で、翌土曜日に気仙沼まで電車でいく予定だったのですが

たったの１日違いで・・・

二人とも難を逃れることができました。

震災後、電気が復旧しテレビの画像を見ると、

想像を絶するほどの・・・悲惨な状況が撮されておりました。

気仙沼の海岸沿いで走っていただろう電車が・・・横倒しに倒れている映像、

津波が一瞬で町を飲み込む映像、

親を捜す子供の悲痛な声。。。

・・・・・・・・

人が生きていく上で、愛する肉親を亡くすことほど・・・

心と身体がばらばらになるほどの悲しみはありません。

あの日、あの時・・・大切な娘の命があったからこそ

私達家族は以前と同じ生活へと戻ってこられましたが・・・

どうしても、

思いがいつまでも、

被災した方へ、大切な命を奪われた方々へ引き寄せられる日々が

続いております。

 

そんな思いから抜け出せなくなったとき・・・・・

私は土に向かうようにしております。

今までの人生で、苦しいときや落ち込んだとき

いつも土と向き合う事で

なんとか自分を立て直してきたというおもいが・・・

自然と、

土へと向かわせるのかもしれません。

雑草を取り、鍬で土を起こして、

一粒一粒種を撒き・・・

小さな芽が出るまで、

毎日毎日土の状態を確認に足を運んで・・・

あの震災の日以来、憑かれたように

土に向かう日々を続けております。

 

一方、今回の震災で大きな打撃を受けた農業・漁業関係からは

未来に向けての明るいニュースも届いております。

名取の閖上では、

ゆりあげ港朝市が開かれて、多くの人が市場を訪れて

売り手と客の笑い声が響き、活気が戻っているそうです。

南三陸町では、

幸い今回の震災を免れることのできた唯一一件の

ブランド野菜「春告げやさい」の出荷農家が、

先輩・同僚と共に築き上げてきた「春告げやさい」のブランド産地を守るため、

被災した仲間農家の分も頑張ると、黙々と出荷を続けております。

JA石巻では、

「塩害に遭った田にもできるだけ苗を植えつける。

田植えをやめても、塩害は改善する保証はない。むしろ米を作り、

水管理をしながら除塩する。それが早期回復に有効と判断した」として、

組合員、被災した農家と共に５月の田植えを目指して、

作付けの準備を始めております。

（日本農業新聞より抜粋）

 

日本は農業・漁業・酪農・林業など第一次産業を主体としてきた民族ですが、

いつのまにやら脇へ脇へと押しやられてきました。

それでも、「大地と、太陽と、水」を味方にしている農家・漁業の方々の

底力は・・・

それこそ底が見えないほどの強さを持っております。

自然を味方にして、われわれ人間の生きる原動力である

「食」を支えてきたと言う誇りが

彼らの強さの、新たな挑戦への原動力になっているんだと思います。

どんなに辛い苦しい思いをしても、

この大地が大きな被害がうけても・・・

彼らが戻りたいと思う場所は

黙々と耕してきた・・・

この宮城の大地でしかありません。

 

いま一度・・・

もう一度・・・

地産地消・身土不二の意味を

農業と言う原点に戻って

しっかりと考えていきたいと

思っております。

 

尚、最後になりますが、私が所属する「みやぎ野菜ソムリエの会」では

復興に向けての義援金を募っております。

詳しくは、みやぎ野菜ソムリエの会のHPをご覧になって下さい。

皆様の御厚意、ご協力をお願いしたいと思います。