いしころとまとの花野果村(はなやかむら)

野菜ソムリエ全国大会金賞受賞料理教室『花野果村キッチンガーデン』主宰 
いしころとまとのベジフルこぼれ話

梶みゆきさんの記事の考察

2007-12-17 22:29:23 | 食育コンダクター

「梶みゆきさんの記事の考察」とは何とも大それた題名を出したもので・・・

[フードマイレージ」訳すると、「食物輸送距離」。食べものの生産地と消費地が離れていれば、その間の輸送で大量の二酸化炭素がでて、それだけ地球温暖化に拍車をかけることになるという考え方。
 ところが、流通距離が長いほど、、「“風が吹けば桶屋が儲かる”式に地球温暖化だけでなく、いろんな地球上の現象が→  →   →  と言う形で起きている事から、ちょっとだけ説明を。

もうすぐクリスマス。
ではケーキの上にデコレイトしている真っ赤なイチゴ。
イチゴって旬は12月?

我が家のイチゴは旬が6月。5月頃から果実がやっと大きくなり始め、5月の末からやっと色が付き始め、やっと色づいた頃に食べる初めての一粒は、酸っぱさと甘さが混じり合って、イチゴを食べている実感がいっぱい。
 ところが、クリスマスにはイチゴをケーキに載せて食べたい!という人が多くなると、生産者は一生懸命努力してこの雪の降る12月にイチゴを育てるよう、と頑張るわけ。そうすると温室を設置し、温室内が15℃に保つように電気や石油の燃料を使うようになります。
そして、何とか生産にこぎ着け、そうして全国に配送。
そうすると今度は配送中にも潰れないようなイチゴが欲しくなり、すぐ食べるのにはまったく不必要な長い流通に耐える品種改良を考え始める。
物によっては保存料などの添加物を加える。
そして長い輸送に必要な原油の産出が少なくなると、遺伝子組み換えのトウモロコシをいっぱい栽培してそれを燃料にしようと考え、森林を伐採し、耕地は段々と減って砂漠化が進み、そして更には温暖化が進んでいく・・・

地球上で起きていることを箇所書きに書いてみると、初めてそれらが一つの線で繋がっていることに気がつきます。最近の度重なる食料品の値上げ、特に穀物類とガソリン石油は凄い値上がりで、危機感を感じること、ありませんでしょうか?
北京オリンピックで湧いている中国では、肉食が急激に進み、畑や田んぼの耕地を潰して飼料をつくり、牧草地や放牧地をどんどん増やしているそう。中国国内での砂漠化は急激に進み、そして今まで輸出していた食料を今度は中国では自国民の為に確保にまわっているそうです。
はてさて、既に食糧自給率を40パーセントを割って39%になった日本、この先ちゃんと食糧を確保出来るのでしょうか?

ちょっと肩が凝ってしまいました。次は“いしころとまと”という名の国で食糧自給率が減った時のお話し。

まずは何故私が野菜作りを初めたかというと、2つ違いの姉が大きく関わってきてます。(今姉は韓国で楽しい旅行を楽しんでいるので、残された私はここで憂さ晴らし)
「○○子、ここに茄子とピーマンの苗植えたから、夏にはきっといっぱい採れるよ~~」ということで、わくわく、ウキウキと夏を迎え、いつ成るかいつ成るかと待っていたら、あっという間に秋になって・・・収穫は1個もなし。あれ?何で?と沸々と悔しさと疑問が湧いてきて、それからは野菜作りの鬼になって、小松菜の種をまいたり、人参を蒔き、EM菌の講習会を受けて、更なるお勉強。そして、でっかいダイコンが収穫できたときは最高の喜び。喜んで親戚の家に持って行ったら、実は既に巣入りの状態で 、あらら。
更に熱が高じて、畑を購入。そちらでも野菜作りをし始めて・・・

そしたらある日のこと、今度は姉が玄関先にとっても綺麗な寄せ植えをおいていって。その中にあったリシマキアの黄金色と可愛い葉っぱの形に魅せられて、今度は自宅の庭が花々にだんだんと占領され始め。。。
毎年お庭で育てていた、リーフレタスやネギ。畑で育てればいいや、と言うことでお庭の野菜の占有面積を減らしたけれど、さ、目玉焼きの付け合わせにリーフレタスをちゃちゃと摘んでこようと思っても、畑に行ってたら時間が足りない。さ、そうめんに紫蘇を薬味に入れてと思ってもそうめんが伸びてしまう、と言うことで、フードマイレージゼロの生活を自ら手放してしまったら、今度は我が家の野菜の自給率も減ってしまう大きな誤算が。

そして、いろんな経緯のあとに、今では大好きな花も野菜も小果樹たちが、仲良く育っているお庭になったわけです。
バラや宿根草は季節の来たことをちゃんと教えてくれ、かわいい蕾を見つけたときの嬉しさはひとしお。トマトや茄子は暑い夏でも元気に葉っぱを広げ、真っ赤な実をたわわに成らせ、毎朝の食卓の付け合わせに、使っても使ってもいっぱい。
真夏に収穫するブラックベリーは収穫が大変な位。子供と共に収穫するときはもう汗だくだけど、つまんで食べるベリーの酸っぱさと甘さは、家族との時間をとても幸せな時に変えてくれます。
そして真冬には・・・・
霜に輝くリーフレタスの美しさに目を奪われて、肌を切る寒さの中で佇んでいる自分がおります。

キッチンガーデンは究極の身土不二。そして、地産地消。これらは自分の健康を守るだけでなく、実は、地球が抱えている地球温暖化の問題の解決にも結びついていくわけです。
ガーデナーの方々は是非ともお庭でキッチンガーデンを作ってみませんか?

ちょっと栽培は無理という方は、スーパーで食品を買うときに、まきちゃんの勧める身土不二と言う言葉をちょっと頭に浮かべて見て下さい。冬にお弁当の色づけはプチトマトではなく、可愛く切った人参にしようとか、ね。

 

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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
フードマイレージ (けんちゃんママ)
2007-12-19 06:27:09
今、私が一番気にしているのが「フードマイレージ」です。
前に話したかもしれませんが、わたしが野菜ソムリエになろうと思ったきっかけは環境問題からです。
根っこは今も変わってなくて、環境問題を考える上での野菜ソムリエなんですね。
でもって、今の旬は「フードマイレージ」なんです。
いしころとまとさんの話をきいて、来年どこかに畑を借りようかと思っていましたが、とりあえず、今のマンションのベランダをもっと充実させたほうがよいかなぁ~と思い始めました
朝は金の頭 (ゆり子)
2007-12-19 08:57:17
家族が出かけてやれやれとブログを開いたところです。ピリッと冷たい今朝の空気に師匠の含蓄ある考察が気持ちいいほど心と頭に入ってきました。
どうして人は身近にある『足る』物を手放してないものねだりをしてしまうんでしょう。子供のころうちには井戸がありました。いなかの祖母は残飯で豚を飼っていたといいます。
車でスーパーにいって○○の水なーんてラベルの貼ってある水をペットボトルでうんこら買ってきて飲んでいい気になっている現代人。そろそろここら辺りが折り返し地点なんでしょうか。
けんちゃんママ!究極のベランダ菜園マイスター?目指して頑張ってみてください
私も来春は麻袋なんぞでジャガイモを作ってみようかと思ってます
Unknown (吉ちゃん)
2007-12-19 09:10:02
人間の生活環境が進歩して行くと、より良い生活をしようと思って来るとどうしてもそれに伴うリスクも出てくるんですよね。そんな事を考えると昔の生活は不便だったかも知れませんがあくせくせず自然のなすままに野菜も作り季節感を味わっていたと思います。文章のようにイチゴをクリスマス用に作るとなるとそれだけの労力と余分な経費もかかってくるんですよね。
別にクリスマスだからと言ってわざわざイチゴをケーキの上に乗せる必要もないように思いますが・・・。
確かにイチゴをのせるとケーキが美味しく見えるかもしれませんが、これはまさしく企業が儲けるための戦略でしょうね。原油の高騰の変化や物流の流れの変化により物価が高騰したり私のような低次元の生活者は益々あくせくする時代だと痛切に感じます。今はささやかな家庭菜園がせめての救いです。
野菜作りを皆で楽しみましょう (もんぺばあさん)
2007-12-19 09:37:12
おはようございます
子供が小さいとき 教育費にお金がかかるので 何を切りつめようかと思ったら、すでに洋服も手作りの私には 食費しかなかったのです。
ポテトチップスも(その頃は野菜を作っていたので)ジャガイモから・・・もちろんパンもおやつも・・・
その頃は環境の事を考えてじゃなかったのですが もともと農家の娘 畑から野菜をとって来て食べるのが当たり前だったのですね。
今 畑はなくなり いただき物の野菜やお店から買った野菜を食べるようになりましたが、畑から「もいで食べる」そんな自然な生活に戻りたいと つくづく願っています。
野菜作りのご指導もよろしくお願い致しますね~
イチゴいらないです! (ゆり子)
2007-12-19 16:32:35
吉さん、本当です。この時期のイチゴ美味しくないんですよね。というか、本当のイチゴの旬の時期にイチゴを食べさせられなくなった現代人、と思いませんか。今のイチゴの旬は冬何て、どうしてなんでしょうね。全くクリスマスケーキからイチゴをボイコットする会を一緒に立ちあげましょうか(^_^;)
皆さんのコメントを読んでいて、どうしてこのブログが楽しいか改めてしみじーみと感じます。そう!物事の本質を分かっている方たちが集っているからなんですよ。えっ?ゆり子もそのひとり!?うーんとえーと自分ではそのつもりなんですけどぉ
もんぺさん、今日も頂いたもんぺぇをズボンの上にはいて、今年最後の庭仕事(であって欲しい)にいそしみました
ベランダソムリエへ (いしころとまと)
2007-12-19 21:11:34
環境問題から野菜ソムリエを目指されたとのこと。いろんな視点から野菜ソムリエを目指すかたがたがおられますが、
けんちゃんママにとってのこれからの課題は、この野菜ソムリエの資格をどのように地球問題へ活かしていくか、ということになるかと思います。自分でできることを見極め、そしてここまではできるはずと目標を掲げていけば、おのずと自分の進むべき道が見えてくるかと思います。私も食育部門の初心者ですが、これからの進むべき道を見定めて進んでいきたいと思っております。
ところでベランダ菜園、手伝いに行きましょうか?一坪でも夢あふれるベランダ菜園に LET’S TRY!
けんちゃんがイチゴを食べているニコニコ笑顔が、今目に浮かんでおりますよ。
吉ちゃんへ (いしころとまと)
2007-12-19 21:18:21
ささやかな楽しみとして、家庭菜園を選ばれた吉ちゃん。果たして、それがささやかな楽しみでしょうか?野菜作りの先輩である吉ちゃんからは、全身から野菜を育てている喜びを感じております。ブログを拝見しても正面から野菜と取り組んでいる真摯なものを感じてしまい、私も来年こそは吉ちゃんと同じに真面目に野菜作りをしなくちゃ、と反省ばかりなんです。果たしてこの反省が、来年の野菜作りに反映してくれるか?自分ではかなり???ですが・・・
もんぺばあさんへ (いしころとまと)
2007-12-19 21:32:00
私の母は、ひな祭りになると、家の中にある黒くなった古いこけしを集めてひな壇を作ってくれました。もんぺさんのブログは、わが母を彷彿とさせる優しさにあふれております。畑からとった芋でポテトチップを作り、手作りのお菓子を焼く香りが漂うお家は、今でもお子さんの心に残る暖かいおうちではないでしょうか?先日、もんぺさんのお声をプッシュ電話を通してお聞きしましたが、もんぺさんのお声は、昔の黒電話のような感じ。声にもその方のお人柄が表れるもんなんですね。
ゆり子さんへ (いしころとまと)
2007-12-19 21:51:16
コタツを囲んで、わいわいと四方山ばなし。ここでは二人が何か一生懸命話しているし、お隣の人はちょっと転寝。そして私は失礼してちょっとトイレに・・・
そんな雰囲気がとてもいいとおっしゃっていたゆり子さん。実は、その役割を担っているのがゆり子さんではないかと、内心私は感謝しているんです。
この飽食の時代、どんなにお金をかけておいしいものを買ってきても、三ツ星レストランで大枚叩いて食べても、最後に食べたくなるのはねぎのいっぱい入った納豆、熱々のご飯にかけるのりの佃煮、ちょっと唐辛子のかかった白菜漬け。ああ、考えただけでもご飯を山盛り食べたくなってしまいました。ゆり子さん、今宵は一緒にご飯を食べましょうか?実は今、ゆり子さんの相当身近で、このコメントを書いているんですが・・・
今、思うこと (えっこ)
2007-12-19 22:50:03
地球温暖化に伴う、地球の様々な諸現象・・・
北極の氷がどんどん解け始めてきたり、異常気象で、今まで予想も付かなかった様な台風、竜巻、ハリケーン等・・・。私たちの孫位の代になったら、どんな地球になるんでしょうか?本当に切実な環境問題ですよね!! アメリカ、中国の大国は、これには真剣に取り組むことが必須でしょう。
そして、日本も京都議定書等で各国と共に取り上げてはいるものの、それとはうらはらに、米価の暴落・・
それによってやむなく離農を迫られる人々・・・
日本の田園がいかに環境に良い加担をしているのかを
考えもせずにもたらした政策の結果か??
食糧自給率が低い日本であればこそ農業を大事にして
それに携わる人々を保護する政府の考案が、今、求められている様な気がします。

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