昨日の夜は、アン・マキャフリーの小説『歌う船』を読み返しておりました。
SFの連作短編集です。
障害を持って生まれ機械に繋がれてしか生きられない主人公の少女ヘルヴァは、神経シナプスを宇宙船に繋いだサイボーグ宇宙船となるべく教育を受ける。
彼女は〈中央諸世界〉の期待をになったエリート・サイボーグ宇宙船。
しかし彼女は十六歳の少女でもある。
そんなヘルヴァの成長物語。
最初はパートナーの偵察員=乗組員の死別という悲劇で幕開けします。
パートナーとの死別というショックによる死への誘惑からどう乗り越えるというお話が続き、新しい生身の体が手に入るかもというお話や感覚器官が全てシャットダウンさせられるというお話が続いて、最後はパートナーとの死別というショックを真に乗り越えるというハッピーエンドです。
自己主張が激しくてチャーミングな主人公の宇宙船のヘルヴァは(絵的には無骨な宇宙船なのでしょうが)大変魅力的です。
素敵な物語でありますよ。