昨日の夜は、森見登美彦の小説『四畳半神話大系』を読み返していました。
主人公の「私」は京都で灰色の大学生活を送っている大学3回生。
入学した当時は希望にあふれ薔薇色で桃色のキャンパスライフを夢見ていたが、その夢は破れて腐れ大学生と化している。
他人の不幸をおかずにして飯が3杯食べられるという同回生の小津に引っ掻き回され、8回生らしい融通無碍な樋口に無理難題を押し付けられ、孤高の乙女・明石さんとは先輩と後輩の関係のまま。
何故こんなことになったのか!
「私」の栄光溢れる薔薇色のキャンパスライフは何処に行ったのか!
4つの平行世界で繰り広げられる「私」のキャンパスライフの物語です。
4つのパートに分かれていてそれぞれ別の世界。
4つとも最初と最後がほぼ同じの構成。
でもってコピペを大量に使って、そのコピペで繰り返しギャグのような効果を生んでいます。と同時に主人公の「私」を俯瞰で見ているような気分にさせます。
言葉の使い方が面白くて、硬くて大仰な文章なのに軽妙です。
最初のパートで「私」が撮る自主映画がその後の3編と内容的に同じだったり、第3話まで似たようなお話を繰り返してネタをふっておいて第4話で一気にSFファンタジーの世界に突入して全体をまとめたりと凝った構成で面白いです。
個人的には、森見登美彦が描く腐れ大学生の腐れっぷりが好きで好きで堪らないです。
頭の良い莫迦は見ていて面白い。
力いっぱい脱力し真剣に莫迦なことをする腐れっぷり。
面白いです。
ちなみに、現在腐れ大学生化している人が読むとおそらく大ダメージを負います。
そうでない場合はより一層、腐れ大学生化が進んで後戻りできなくなる可能性があります。
現在、腐れ大学生化しているお方は心して読むように。