時々、古い小説を読みたくなったり古い映画を見たくなったりします。
昨日の夜は、映画『薄桜記』のDVDを観ていました。
高田馬場の決闘から吉良邸討ち入りまでの忠臣蔵のサイドストーリー的なお話で悲劇です。
丹下典膳は高田馬場の決闘で中山安兵衛に助言を与えてしまい、知心流の同門を見捨てたとされて道場を破門される。
高田馬場の決闘を行った中山安兵衛も堀内流を破門される。
安兵衛には上杉家への仕官話が来るが、好意を抱く長尾竜之進の妹・千春が典膳と祝言を上げることを知り、上杉家への仕官を断って浅野家に仕える。
典膳と千春は祝言を上げるが、典膳は公用ですぐに家を留守にする。
その留守中に典膳に恨みを持つ知心流の門弟5人が屋敷に入り込み、千春に乱暴をする。
典膳はその5人に復讐する為、千春の実家を訪れて千春の父と兄に千春と離縁するとだけ告げる。
同じ日。江戸城の松の廊下で浅野内匠頭は吉良上野介に斬りかかる……。
原作は、五味康祐。
監督は、森一生。
出演者は、市川雷蔵、勝新太郎、真城千都世、三田登喜子、大和七海路、北原義郎、島田竜三、千葉敏郎、舟木洋一、伊沢一郎、須賀不二夫、清水元、寺島雄作、加茂良子、浅野寿々子、浜世津子、香川良介、荒木忍、伊達三郎、東良之助、嵐三右衛門、南部彰三、志摩靖彦、葛木香一、光岡龍三郎、浜田雄史、横山文彦、藤川準、玉置一恵、菊野昌代士、旗孝思、沖時男、大杉潤など。
市川雷蔵が主演の映画を見るのは初めてです。
登場する俳優達・女優達の所作が美しい。
歩き方、座り方、走り方、構え方、立つ姿、お茶を飲む姿、舞う姿、謡う姿、馬に乗る姿、立ち振る舞い、全てがきちんと決まっている。隙が無い。
美しい場面だけでなく、醜い姿や野粗な姿やみっともない姿なども描いているけど所作が決まっているから下品にならない。
主役の市川雷蔵だけでなく、出演している全ての演者の所作・立ち振る舞いがしっかりしている。
凄いな。数ヵ月の訓練で身に付くような所作ではないっすよ。
日常から滲み出て普通に使いこなしているような所作の美しさ。吃驚しました。
ウットリでありましたよ。
正しい所作を心がけることは大切な事なのだなぁ、と思った次第にございます。