昨日の夜は、桜庭一樹の小説『私の男』を読んでいました。
スッキリ爽やかな小説ではない。
駄目男と駄目女の物語。
駄目男と駄目女が何故駄目駄目になったのか? がお話の核。
ねっとりとしていて、物凄い迫力があって、暗くて、静かな物語。
お話の内容は物凄くハード。禁断の愛。愛が重すぎる……。
でも、桜庭一樹の文章はどこかお茶目な所がある、ような気がする。
剣道の上段者が正眼の構えで気迫を前面に出して相手と対峙しているのに、その竹刀の切先にキティーちゃんのシールが貼ってあるのを見付けた時のような、笑えばいいのか、身構えなければいけないのか、判断に迷うような文章に幾つか出くわす。
昨日は、この小説にKOをくらってフラフラの状態で寝ました。
ズシンと心に残るお話でありました。