12/6(日)、T-JOY新潟万代で「泣く子はいねぇが」、観てきました。
新潟市内では、T-JOY新潟万代のみでの上映。
秋田県男鹿半島、若くして娘が生まれたたすくは、妻のことねから情けないと愛想を尽かされています。
田舎の社会にも馴染めず、祭りでなまはげをした夜に泥酔し問題を起こしてしまいます。
それで離婚し、田舎から逃げるように上京するも、娘に会いたくて再び故郷に帰るが…という物語。
田舎の伝統の影にある閉塞感と、父親の自信が持てない主人公という、色んな生きづらさが全開になっている映画だなと思いました
映画の中で、たすくは田舎の伝統行事で問題を起こしたダメな奴という描かれ方をしていますが、個人的に僕は別にたすくがダメな奴には全然見えなかったんですよね。
確かに問題は起こしているけれど、不器用だけど精一杯父親になろうとしている人にしか見えなかったし、寧ろ一度ちょっとでもやらかしたら一生袋叩きにされ続けるんだろうなという田舎の地獄を感じました。
そんな地元に、金も仕事もなく、家族からも離婚した元妻からも愛想を尽かされた状態で帰るのは本当にしんどいだろうな…と思いました。
それだけに、数少ない理解者の存在が大きかったりもするんだろうなと思ったけれど、それも長続きしないところがまた切ないんですよね。
でも、やっぱり映画を見ていて一番思ったのは、何だかんだたすくは真面目でいい奴だということでした。
例えば、わりと前半の方で、東京で女の子からセックスに誘われても、妻とは離婚しているとはいえ娘がいるからと言って断るあたり、不器用だけどねはすごく真面目だし、不器用なりに娘と元妻を心から愛しているんだな…と伝わってきました。
だからこそ、そんな彼の想いがどんどん阻害されていく物語は本当に切なかったし、それでもなんとか娘に会いたい彼が最後にとった行動とは…!!というラストは思い出しただけで泣けるほど本当に切なかったのですが、ここだけはネタバレなしで見てほしいので書かないでおきます。
それにしても、仲野太賀さんは多才な俳優さんで好きなんですが、特に最近はドラマ「あのコの夢を見たんです。」で山里亮太さんを演じてるだけあって、不器用で繊細な役が本当に上手いなあと思いました。