12/6(日)、万代島美術館「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」、最終日に見て来ました。
デザイナー、陶芸家、芸術家として活躍したフィンランドのルート・ブリュックの作品を遍歴とともに展示。
ところどころ撮影OKだったので、写真と共に振り返っていきます。
初期の頃は、食器のデザインや陶器の芸術作品を作っていて、日常風景や鳥や動物の優しい絵が素敵でした。
次第に、食器以外の、陶器で作った動物や家などの置物も作るようになっていきます。
他にも、写真はありませんが、物語の場面やキリスト教などをモチーフにした作品もあり、絵本のような面白さがありました。
次第に蝶を描いた作品が増えているのですが、これは蝶の学者だった父親の影響とのこと。
また、デザイナーとして蝶の模様の壁紙や、他にも布地をデザインするなど、陶器以外にも幅広く活躍していきます。
さらに、日本では新潟出身の有名なデザイナー亀倉雄策がルート・ブリュックを高く評価して日本に広めた、という歴史も語られていました。
逆に、ルート・ブリュック自身も日本の陶芸や伝統工芸的な美術を愛し、そこから影響を受けた作品もあるとのことで、日本とフィンランドの文化交流を知ることもできました。
最終的には様々な色や形や模様の四角いタイルを組み合わせた大きな抽象的な作品を作るようになっていきます。
他にも、陶器で作った建物を配置して街を再現するような大き目な立体作品なども作っていました。
どの作品も手作りだからこその面白さや存在感があり、陶器の手触り(展示物だから触れないけど)も含めて、なんとも温かみのある作品達だなあと思いました。
そんな作品達を、作者であるルート・ブリュックがデザイナーから芸術家になっていく遍歴とともに見ることができて、やっぱりデザインも芸術も人間の創作物には人間の心を動かすんだなあと感じられ、すごく面白かったです。