舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

毒殺テロリスト、色々聞いてみた!

2020-02-15 12:45:26 | Weblog
2/15(土)に元毒殺テロリストのイチロウさんとトークイベントをします。

詳しくはこちら参照。
【お知らせ】トークイベント「月刊おはなし図鑑」第14回 ゲストは元 毒殺テロリストのイチロウさん!(2/15、ぺがさす荘)



本番に向けて、毒テロのアルバムをよしこさんが貸してくれて色々聞いてみたので、紹介していこうと思います!





1stアルバム「放送禁止カタログ」(1997)

ドリフから、ドラえもん、サザエさん、ゲゲゲの鬼太郎などのアニソン、クラリネットを壊しちゃった、ドナドナ、ドレミの唄などの童謡、ヤン坊マー坊天気予報まで、著作権スレスレ(というかガン無視)で、ド下ネタ全開の替え歌をぶちかます。それにしてもあえてタイトルは書かないけどJ-POPの替え歌は普通に怒られなかったのだろうか…時代を感じます。さらに、当時の流行だったコスプレや合コンやゲームを全力でバカにしたり、他にもクソババアの歌など、とにかく中学生レベルの悪ふざけを全力でロックにしてしまう。まさに放送禁止。挙げ句の果てに自分たちのやっているビジュアル系バンドそのものをバカにした歌まで。自虐的!とはいえ、こういう流行に乗った売れる音楽に全力で逆行するスタンスはある意味パンクだと思うし僕は大好きです。「新潟弁DEATHよ」なんて新潟県民以外誰に伝わるんだよ!究極の問題作「毒殺ダービー」はもはや歌ですらなく中学生レベルの下ネタ全開の名前の馬ばかりの競馬中継、しかもまさかの某テレビ局の本物のアナウンサーを起用し、どこに力を入れてるんだ!とにかく、全力で悪ふざけをする謎のエネルギーに満ちた一枚です。





3rdアルバム「ネクラ大戦」(2000)

当時の流行だったカリスマ美容師やプリクラやインターネット、さらにボケ老人や万引きや少年法を全力でバカにするなど、相変わらず悪意に満ち満ちた放送禁止の悪ふざけは全開。しかも今回は、いかにも流行りそうなビジュアル系のラブソングと見せかけて曲中で全否定(というか小学生レベルの揚げ足取り)していく「I LOVE YOU DESTROY」、路上ミュージシャンの弾き語りのパロディでめちゃくちゃに狂った内容の「空とキミと水酸化ナトリウム」、戦隊ヒーロー主題歌の極悪パロディ「毒殺戦隊テロレンジャーのテーマ」など、楽曲(と悪ふざけ)のクオリティも格段にパワーアップしています。「新潟弁ラップ?」はラップと言っておきながら謎のアドリブコントだし、「熱い男」ではまさかのバンドのスタッフをバカにしているし、一体誰が分かるんだよ!納豆をネタにした「PUNKS納豆DEATH」とか何がやりたいんだよ!とにかく今作は思い付いたネタを全部ぶち込んだ感じで、1分以内の一発ギャグ的な曲もやたらと多く、何がびっくりって全部で30分くらいなのに20曲もあります!そして最後の「ちょこっとテロ」はまた替え歌かと思いきや、自分たちをバカにした自虐的な一曲です。





5thアルバム「淫行の宴」(2002)

セックスレス夫婦、リストカット、ヤリマン、イケメン、オタクまで、相変わらず世の中のありとあらゆるものに悪意をまき散らす極悪スタンスは健在。さらに、当時流行っていたアイドルや歌手やタレントやアニメやゲームまでひたすらバカにしまくる!中でも、某国民的アイドルソングを3曲連続でド下ネタ全開の替え歌に!相変わらず力の入れ方がおかしい!マジで怒られなかったんだろうか…それにしても、オナニーをネタにするのが好きすぎる…他にも「不覚!授業中に勃起!」という、授業中に勃起しただけの歌とか、相変わらず中学生レベルの下ネタと悪ふざけが全開だ!と言いつつも、時代の流行や常識にとらわれない強烈な勢いを持った彼らは間違いなくパンクなのだ…と、僕は思う。例えば、「ゆきぢるし」では当時ニュースになっていた食中毒や狂牛病、食品偽装などを激しく批判し、「伏魔殿」に至っては超ストレートな政治批判ソングになっている(しかも、曲の冒頭でニュースの音声を編集して日本中で政治家が殺人をしまくっているような地獄のニュースを作り上げ、さらにはヒトラーの演説まで流すという攻めすぎなパフォーマンス)。腐敗した権力や時代に全力で喧嘩を売る音楽は、まさにパンク。極めつけは「お遊戯パンク」で、当時流行していた青春パンクに対し、「反骨精神なんか無ぇ!」「薄っぺらな唄ばっかり」「他人の物まね」「ファッション」と悪口が全開!しかしただのいつもの悪ふざけかと思いきや「終ったとか死んだとか勝手に評論するんじゃねえ死んじゃいないよパンクロック」というメッセージにぐっとくるわけです。そう、毒テロはまさにパンクだったのだ…ちなみに一曲目の「業界人」ではバンドから金を巻き上げ客にも手を出す業界人に激怒しているわけですが、これ、実話なんですかね…あと、今までよりも色んなメンバーが歌う曲が増えていたり、音楽的にも豊かになっている感じがしますね。





6thアルバム「子供に聞かせたくない童謡」(2003)

ハードロック調の曲も多いが今までに比べるとポップなメロディの曲なども増えた印象。とはいえそこは毒テロ、障害者、セクハラブスなど相変わらず世の中のタブーをバカにしたような放送禁止の曲ばかりが炸裂。しかし、一曲目の「エログロバイオレンス#666」では表現規制ばかりの世の中であえて下ネタや不謹慎な単語を連発し、あきらかに当時の日本の音楽業界に喧嘩を売っています。「結局はチ〇コマ〇コ」なんか、表現規制にとらわれずに下ネタだろうが何だろうが歌ってやるぞ!という勢いを感じます。「平壌ディズニーランド」「キミは脱北者」では当時ニュースになっていた北朝鮮を激しく批判。「発掘あるある大事典」では当時の健康ブームを全力でバカにしています。「性春パンク」は青春パンク、「黒人ジャップ」ではラップという、当時流行した音楽に何も考えずに乗っかっているリスナーや音楽業界を皮肉っているようにも聞こえます。まあ、どれも結局下ネタなんですが!一見ファンタジーな「猫が空から降ってきた」もあえて無意味な内容の曲を歌うことで当時の薄っぺらなヒットソングを間接的に皮肉っているようにも聞こえます。また、中年男性をバカにした「人生負け組」や「ハードコアバツイチ」も過激な内容ですがおそらく自虐なんだろうと思うと笑えます。最後の「MP3」も当時流行した違法アップロード音楽を批判しつつも、「MP3って何の略?」と時代に乗れていない自分たちへの自虐も込められているようです。「病弱ロッカー」なんて完全に自虐ですからね。流行に逆行し、表現規制やタブーに全力で喧嘩を売りつつも、悪ふざけや自虐も忘れない、毒テロの魅力が詰まった一枚。



最後に、僕が聞いたアルバムには入っていませんでしたが、(多分)代表曲の「娘はバンギャ」の公式MVがYouTubeにあったので紹介しておきます。

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