12/21(土)、楓画廊「猪股香織展」を見に行ってきました。
実は12/19(木)にも行ったらとても良かったのでまた行ったのですが、そうしたら作者の猪股さんが在廊していました。
大きなキャンバスやアクリル板に、色とりどりの画材や墨汁で、または布や和紙を貼り付けて、大胆に描かれた作品は、すごい存在感を放っていました。
しかも、そこに付けられた「ゆるしましょう」「だれひとりとしてみすてないせかい」「しんじましょう」などの意味深長なタイトルからは作者の気持ちが想像させられて、より深く絵画を鑑賞、感動することができました。
「現在進行形の夜」という絵画は、タイトルを見てからまた見ると、確かに夜の明かりに見えてくる。
そして「可視光線の花」には芳香剤も使われていて、視覚に障害のある人にも絵を楽しんでほしいという気持ちがあるそうです。
そして絵画以外に、作者の気持ちが書かれた紙が壁にたくさん貼ってあるのですが、これがすごく良かったのです。
うろ覚えで書いていきます。
「自由に創作するために、芸術を仕事にはせずに別の仕事をする。芸術で天狗にならないために仕事で苦労をするのも大切だし、お金のために芸術をしていると自分の思い通りのことができなくなる」
「昔から人より色々なものを頭の中に入れてしまうのでとても疲れる。時には嫌なものも目にしてしまう。同時にこの世界の美しいもので自分を満たしたいと思う。自分の中のマイナスの感情と向き合うために、美しい絵を描くというプラスの行動が必要だ」
「自分の絵を理解できないと言われたことがあったが、その人は理解するために何度も展示に通ってくれた。芸術を理解しようとする、その行為が一番大切だ」
「人と人は争わずに分かり合おうとすることができる。そのためには美術館に行って様々な芸術と向き合うことがおすすめだ。苦しんでいる人に自分の作品を見に来てほしい」
どの言葉も、作者の猪股さんは、自分自身とも芸術とも真摯に向き合っていると感じられました。
というか、自分自身と真摯に向き合う行為こそが芸術だと僕は思っているので、本当にこういう人がいて嬉しかったです。
芸術に真剣に向き合っている人や、そういう人の作品に触れると、世の中捨てたものじゃない!自分は孤独じゃない!と物凄く気持ちが救われるんですよね。
こういう真っ直ぐな芸術家が新潟にもいて、その作品に出会うことができてとても良かったです。