8/9(日)、ユナイテッド・シネマ新潟で「ラ・ヨローナ 彷徨う女」を観てきました。
新潟市内では、ユナイテッド・シネマ新潟のみので上映でした。
予告編はこちら。
昨年「死霊館」シリーズのジェームズ・ワン監督が制作したアメリカのホラー映画「ラ・ヨローナ 泣く女」を観たから、てっきり続編だと思って観に行ったら、それとは全然無関係のグァテマラの映画でした。
でも、どちらも「ラ・ヨローナ」という中南米の怪談を元にしてる映画なんですね。
そもそも中南米には、愛する我が子を失った女性の幽霊が子供をさらいにくる、「ラ・ヨローナ」という怪談があるらしいです。
そういうホラー映画だと思って観ていたけど、怪奇現象が発生するのは終盤15分くらいだけで、大半は軍人によって犠牲になった民間人というグァテマラの社会問題を描いた社会派ドラマでした。
過去にグァテマラの軍と反政府ゲリラが衝突した時、軍が無関係の民間人を殺戮した事件があり、罪を問われた元司令官の自宅はデモで囲まれます。
普通の映画なら元司令官を悪役として描きそうなところですが、この映画がすごいのは、その元司令官の家族の視点から物語を描いていることです。
許されない殺戮事件に対してデモが起きるのは当然だと思いますが、その家族まで巻き込むのは果たして「正義」なのだろうか…?という、この世界の善悪の難しさという、重みのあるテーマを描いていました。
最後にはラ・ヨローナ伝説と繋がるんだけど、ホラーというより亡くなった人々の悲しみの表現として描いていたのが印象的でした。