8/14(土)、イオンシネマ新潟南で「サイダーのように言葉が湧き上がる」を観てきました。
ショッピングモールの中にあるデイサービスで働く俳句好きの少年が、見た目のコンプレックスをマスクで隠してライブ配信をしてる少女と出会い、ひょんなことからある老人の想いを仲間達と叶えることに。
ささやかな物語ですが、彼らと一緒に一夏の青春を過ごしたしたような気持ちになれる青春映画でした。
主人公達の活動場所の大半が田んぼの真ん中にある大きなショッピングモールでほぼ完結してる話なのですが、何が良かったってこの映画をまさに田んぼの真ん中の巨大なイオン新潟南のイオンシネマで見られたこと。
映画の中に登場する風景が、今自分がいる場所と重なるような、不思議な感動がありました。
主人公達の家庭以外、彼らの出会いや物語の大半はショッピングモールの中で起こります。
途中である老人の想い出のレコードを探すという冒険もあるけど、それだってほぼレコードショップの中だけで起こります。
だからよくある夏の青春アニメの中では、「君の名は。」とかと比べるとSFもアクションもほとんどない小規模な物語ではあるのですが、でもそのささやかな青春という感じが良かったです。
小規模な物語だからこそ、後半にとある目的で二人が町外れの山の上から町を見下ろすという下りの、いつもと違う開放感!が味わえたのも良かったです。
あと、基本的にアニメの絵が全体的にパステルカラーでカラフルで、背景とかも軽くデフォルメした感じも特徴的なのですが、それも夏曲のレコードジャケットみたいでいいんですよね。
何しろ、レコードが重要な意味を持つ物語なので。
あと人間ドラマとして、仲良くなった2人が現実の出会いとSNSでの交流を並行して描いていく話運びも、現代の若者達のリアルという感じがして良かったです。
親にアカウントがバレる生々しい気まずさなど、SNSはトラブルも多いけれど、こうして平和に使って青春してる人達だってちゃんといるよなと思いました。
ネタバレになるから詳しくは書きませんが、おじいさんがずっと探していたレコードに込められた青春と、現代の主人公達の青春が、世代を超えて同じ町の夏祭りの夜に重なるラストは、最高のタイミングで流れる大貫妙子さんの歌声の素晴らしさもあり、王道ですが普通に感動しました。
日常的でありながらちょっと面白い設定ではあるものの、最終的にはちゃんと夏の王道青春映画になっていて、やっぱり何だかんだ好きだなあと思いました。