
9/10(火)、新津美術館「シャガール展 詩情と愛―8つの版画集より」を見に行ってきました。
シャガールの生涯を振り返りながら、主に本の挿絵などで描いた版画を中心に紹介する展示。
まず、シャガールがロシア出身のユダヤ人だったこと、第二次世界大戦の直前にパリに移住する前にベルリンにも滞在していたとを初めて知り、もし時期がちょっとずれていたらナチスに虐殺されていたじゃないか…と本気で驚かされました。
シャガールは旧約聖書などの挿絵も描いているのですが、例えばモーセの物語でユダヤ人は迫害されていて、モーセの導きによって聖地エルサレムへと海を割って逃げていく。
おそらくシャガールもロシアで迫害されていただろうし、だからこそ自分の民族への愛を描いたのではないだろうかと想像させられました。
今なお続くパレスチナ・イスラエル問題、イスラエル軍がパレスチナを占領、攻撃している現状に反対している自分ですが、イスラエルに暮らすユダヤ人もまた、世界で迫害されてきた歴史を持っていることも忘れてはいけない。
どんな民族にも大切な守るべき歴史や物語があるし、それを芸術として伝えていくことは、人類の未来にとってとても大切なことだと思う。
だからこそ、異なる人種や民族が互いに傷つけ合うのではなく、互いの文化を尊重し合える世界を願います。
シャガール展を見に来て壮大な感想になってしまいましたが、本当にそういう気持ちにさせられる展示でした。