舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

『戦うニートの死ぬとき』が出来るまで。

2014-10-11 22:56:52 | Weblog
という訳で、10月10日を以てスタートした、チヒロブルース一人芝居『戦うニートの死ぬとき』。
そもそも、何故こんなことを思いついたのか、何故10月10日から始まったのか、まずはそこらへんを書いてみたいと思います。



「戦うニートの死ぬとき」の公演情報については、一つ前の記事をご覧ください。
チヒロブルース一人芝居 『戦うニートの死ぬとき』 開演です。



この一人芝居をやろうと思い立ったのは昨日、10月10日(金)の夜、『戦うゾウの死ぬとき』の観劇後、自転車で疾走しながらアイディアを思い付いた
瞬間に開演したと言っても過言ではありません。
せっかくなので、僕が『戦うニートの死ぬとき』を思い立った直接的なの理由であり、言うまでもなくタイトルの元ネタである『戦うゾウの死ぬとき』の感想から、書いていきたいと思います。






ちず屋の2階大行進と札幌ハムプロジェクトさんのコラボ企画『戦うゾウの死ぬとき』、恐れず言うと、個人的にあんまり好きじゃなかったです。
「あんまり」って書いたのは、いわゆる「これは演劇としてダメだ!」って思ったわけでは決してないから、ということは言っておきたい。

一応言っておきますが、僕はちず屋の2階大行進は出演させていただいたこともある大好きな企画ですし、ハムプロさんも新潟公演には必ず行っている本当に大好きな劇団です。
この企画をしていたつくつなさんにも、今まで色んな出会いをいただいているし本当に感謝してます。

僕が見た昨日の公演に出演していた、ゴードンとののかちゃんのことも僕はとても好きですからね。
二人とはそれぞれ共演したこともあり、今年ゴードンとののかちゃんが出演した舞台もそれぞれ二本ずつ見て感動しているし、実際、今回の演技も決して悪くはなかったです、っていうか良かったですよ。

また、あのちず屋という限られた空間であれだけのセット、ギミックを立て込んだこと、その中であれだけ役者が動き回っていたのは素直に感動しました。
それだけでも観に行った価値はあったと思います。



だから、演劇が悪かった訳では決してないんです。
ないんですが…

じゃあ何が好きになれなかった理由かって言うと、「今」の「自分」には適さなかったと、そういうことです。
演劇が悪いんじゃない、俺が悪いんじゃなく、敢えて言うならタイミングが悪かった、そういうことって、実はよくありますよね。



ネタバレしない程度に、ちょっと具体的な話をすると、今回の『戦うゾウの死ぬとき』のストーリーに、僕は空間的、そして時間的な閉塞感を強く感じました。
その閉塞感ってちず屋の2階っていう狭い空間にはドストライクで、会場の持つ雰囲気が物語を演出するという意味では大成功だったと思います。

ですけどね…僕、個人的に閉塞感っていうのが滅茶苦茶、苦手なんです!
もう、これは僕の中にある問題なんで、演劇のクオリティ云々の前にもうどうしようもないことなんです!

多分これってね、今まで見て来た映画とかで感じたトラウマとかが原因だと思うんですよ。
いや、閉塞感のある話だけど好きなのはありますよ、宇宙船という密室空間が舞台の「エイリアン」とか。

でも、「エイリアン」って主人公が脱出しようとするシーンもあるじゃないですか。
そうじゃなくて、閉じ込められた空間に段々適応していく、みたいなのが、僕は何だかとても怖いのです。

去年シネ・ウインドで「アルクニ物語」っていう映画を見たんですが、あの映画の怖さにとても似ています。
(あまりにマニアックな例なんで、気になる人は調べてみてください。)



とにかく僕は、あの演劇の「閉塞感」がとてもつらかったです。
もしかしたら何年後とかにまた見る機会があったらその時はいいお芝居だと思えるかも知れないですが、少なくとも今の自分には合わなかったです。

まあでも、演劇ってのは人生と一緒で出会うまで分からないから面白いんだし、逆に見る前から分かってたら面白くないと思うんで、そりゃこういうこともありますよ!
それ含めて、演劇の面白さってもんです。





ちなみにこういうことって実はよくあって、例えば今年の演劇大学で坂手洋二さんの講座を受講した時も、僕は坂手さんのお話が全然分からなくて頑張って理解しようと努めても徐々に精神的にやられてきて、結局途中で辞退しました。
あれも、坂手さんと自分の中の何かのタイミングが合わなかったんだと思ってます。

要するに何が言いたいかって言うと、面白いかどうかなんて結局、今の自分の状態に物凄く左右されるもんだなあと。
だから、もしどんなに良いものでもこれは今の自分に合わないって思ったらそんなものすぱっとやめちゃっていいと思ってて、ぶっちゃけると今自分が演劇に出ないようにしてるのもそういう理由です。





ただ、そうやって愚痴ばっか言ってたっても面白くないし、だったら今の自分が面白いと思うことをやった方が生産的だよなあ…
そういう理由で始めたのが、この『戦うニートの死ぬとき』です。

だから、タイトルも公演期間も敢えて、『戦うゾウの死ぬとき』を丸パクリしました。
ちょっと挑戦的過ぎかもしれませんが、どんだけ新潟で面白い演劇を新潟で作ろうが、今の俺にとって一番面白い演劇はこれだ!という自信は物凄くあります。

その理由はちょっと長くなるんで、次の記事に書こうと思います。
何はともあれ、こんなに制作意欲を刺激されたのは久し振りです。

それだけのエネルギーを持った演劇だったのかもしれないなあとは思いますし、そういう意味で『戦うゾウの死ぬとき』にはとても感謝しています。
ありがとうございました!





つづく。







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