羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

とと姉ちゃん

2016-07-13 18:41:50 | 日記
「コーヒーは好きか? 私は母親が好きでね。それで私も好きになった」花山はコーヒーを淹れながら、女で一つで育ててくれた母は暗い顔をしていたが、青鞜を読んで明るさと自信を取り戻すのを目の当たりにして「言葉には人を救う、不思議な力があるんだと感じてね」と、絵や文章の世界で活動するようになっていったと語り、関元の話した内務省に勤めるまでのことを語り「言葉には人を救う力があるものだとばかりと思っていて、言葉の力の持つ怖さの方には無自覚のまま、それに関わってしまったのではないか」と8月15日に気付いたと語った。
 類焼を恐れて戦中の本営が広め、結果的に犠牲者を増やした焼夷弾に関する意図的な誤報も「私も、書けと言われたら書いていただろう」として、花山は言葉の生む扇動と歪曲の力を恐れていた。「役に立ちたくて、救いたくて、ペンを握っていたはずなのにっ、そんなこともわからずに言葉に関わってきた。もうペンは握らないと決めた。これが全てだ。帰ってくれ」「わかりました。『今日は』帰ります。花山さん、皆さんの毎日の暮らしに明りを灯せるような雑誌を作りたいんです! コーヒーありがとうございました」常子はそう言って、花山の店を出て行った。が、財布を店に忘れてゆく常子。
 仕方なく財布を届けに行った花山。しかし、常子はまだ戻っておらず、君子と、鞠子に闇市の方を任せて家の手伝いに戻った美子に雨漏りを直しにきた大工と間違えられる花山。雨漏りに限らず、男手の無い常子達の家はガタガタになっていた。「ああ~っ!」声を上げて君子達を驚かせる花山。「(大工)道具はどこだい?」どうやら放っておくワケにもいかないらしい花山だった。
・・・どうしても花山と温度差があるから巻き込む展開となってきた。花山に拒否に対する常子からの明確な解はないまま、花山自身が解を探すことになるのか? 花山が裏主人公みたいになっちまうかもしれないが。

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子

2016-07-13 18:41:45 | 日記
 死体描写と殺害描写がかなり激しかった。最後の婦警殺し以外ははっきりしないままなのが何ともはや。性犯罪者の自殺は精神科医? の催眠によるモノなんだろうけど、やってるのが本筋の犯人らしい精神科医? 達だからまだどうこうできない。捕まえないにしても制裁している、というのがハッキリあった方がよかった気もした。作中の警察は勝手に死んだとしていて、比奈子ももう一段行くのかってところで次の婦警殺しの処理が混ざってきたから。自殺男は動画と死体はあっても相当なクズだったから、どっかで誰かが謎な手段で始末してくれました。っという事後的な描写だけだとヤツの犯行描写やその後の悪事の描写からすると足りてない印象。最初の蛙の解剖殺人も本筋で、まだ処理は早いんだろうが、単純に婦警殺しよりインパクトの強い保留検案が2件ある形になっていた。この辺の導入は原作どうなってんのかな? 本1冊分だと最後まで進められるから構成の生理が違うのかもしれないが。
 主人公サイドはそれぞれ違うベクトルで犯人達からすれば超然としている。比奈子も食虫植物のような思考で犯人を狙ってるし、東海林も超正義思考。相手役の属性も持つ風な精神科医? もまた違う正義の狂気。他の警察関係者達は概ねまともな思考だった。ハードな作品だと主な登場人物が全員同じ思考に取り込まれがちだが、理性的な構図にはなっている。ただ推理はそこまでガッチリしてない、狂人が狂人に呼応するようにして進行する。あの情報屋だけは東海林をさっさと現場に送らなきゃならないからチートスペックになっていたが。
 改変も入ったらしく比奈子の狂気が相当キてたが、このままだとバッドエンドまっしぐら。婦警の死も響かず、東海林や鑑識の娘の反応にも困惑するばかり。そのわりには母の七味で正気サイドに立ち返るような描写もあったり、読めない主人公だ。今のところ狂人度合いがかなり強め。