羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

とと姉ちゃん

2016-07-20 18:33:58 | 日記
 カフェの女達から常子達へのメタツッコミと一般的な婦人誌への皮肉がチクリ。特にメタツッコミはこのドラマではちょいちょい入るけど、いつもタイミングが遅かったり、ツッコミ自体が緩めで常子がツッコミにあっさり対応して済んでしまったりしがちなのは、話数が多く細切れで進むからツッコミのタイミング調整がむずかしいわりには天然でキツ目に出たツッコミどころが効き過ぎてるんだと思う。後は単純に元ネタ改変の構成に混乱があるから進行の不可解が常子への不可解にすり替わってしまっている。
 真似されたとはいえスタアの装いが闇市でバカ売れした後で、買えない作れないダメだ。と言われても、常子達が頭を捻ってるのは理念云々はともかく次号で真似されないようにする為であって旧雑誌は『今の時点ではダメじゃない』と既にジャッジはされているから、ん? となった。『買えない』ついては常子達のしていることを解決しても範囲外なのでどうにもならない。ここで問題なのは『作れない』の一点何だが、このヒントに常子達はお手上げ。花山に父性を求める美子はバシバシ型紙を切るばかりで、花山の取材以外は利かないことになっていて一般的婦人誌への皮肉以外はあまりカフェを訪ねた甲斐がない。
 洋裁学校の学費何かも常子達が大きな金を大雑把な経緯で使ってるから何か『別に高くない? というか、常子達もはや庶民じゃないよね?』と困惑してしまう。既に成功してその上で理念を忘れずに再スタートにはなってないからさ。出来事の順番や経緯の違いから実話との解離がちと不自然だ。解離の捻れ以外でもせっかく登場したカフェ嬢達がヒントを告げ、常子に初心確認を促すだけで、特にイベントが起こらないのも残念だった。進行があるから構ってられないんだろうけど。闇市の街頭インタビューやスタアの装いの反響の便りを読めば済む話になってて、もったいない気がしたなぁ。

ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子

2016-07-20 18:33:53 | 日記
 金をかけろといったらキリはないけど冷凍死体の造形、力入ってた。そういうの好きな人も一定数いるだろうけどドイヒーな題材はともかく、現実にも浸食された犯人の妄想描写や、殺害した姉と呼んでいた母に語り掛ける犯人(NHKのちゃんぽんのドラマで夢破れて消えていった青年の役者)、そこから「前向きに考えることにしました」ともう一段裏返る『期待通り』の犯人を喜ぶ比奈子の件、救出にきた東海林が荒ぶって対決する時に傍で凍り付いて沈黙する犯人の父の愛人だった女の構図、比奈子の境界上の夢で遺体に寄り添う既に死んだ男。いずれも見応えがあった。
 オリジナルでこういった題材でいくなら外道親父の願いが結果的に叶うのではなく、犯人は家族を全員殺害した後は父を失敗作として捨てて、この男の歪んだ怨念を息子にキッチリ否定させてほしかったな。勿論それでは済まず『理想の父』を求めて、出会った優しそうな既婚の中年男を片っ端から殺して凍らせまくる展開でもよかった。犠牲者の家を利用すれば無理に通常の捜査ですぐ浮かびそうな愛人の家を使わなくて済んだろうし、兄二人の処理問題出てきちゃうだろうがあのクソ親父の願望は何らかの形で犯人自ら否定してほしかった。結果的に割り切ってはいたがね。
 今回は記憶力を生かす機会が余り無かったが、ナイフで逆に犯人を狩る気満々だった比奈子。原作よりハードになってるのかな? 自覚的なボーダー人物で、中島にレアケースとして観察対象にされたような互いにシンパシーを感じたような。東海林とはバディという程の信頼関係は無いし、中島には素を出せても負の誘いから救ってくれる関係にはならなそうだからなぁ。今のところ『七味』だけが頼りだ。既に相当なことがあったが、死んだ母親の言葉以外、全く響いてないのがかなりキてるぜ。