チア☆ダンの茉希は重めの過去エピ後は要所要所でチクッと一撃入れる役回りで機能したメンバー。百合属性については視線が絡むくらいでそれ以上は掘らず、あくまで友人として汐里と接していた。最後の大会当日、わかばを制して汐里の相談役を買って出たりもしていたがこれもそれ以上踏み込むものではなかった。「ウザいっ!」という台詞の熟練度と体の固さ、そしてバラエティ出演時の若手なのにアクの強いキャラクターが一部で話題になったりもしたようだ。鋭さと不器用さの奇妙なバランスを一つの持ち味として、今後の活躍を期待したい。
委員長こと麻子役でチア☆ダンに出演。麻子は真面目でヤボったい人物像で汐里に匹敵する程、出番の多いメンバーでもあった。学園物でこのタイプの人物は登場する内にキャラクターがネタ化するものだが、脚本が朴訥としていたこともあって最後まで真面目でヤボったい人物像で通していた。あえて朴訥に描写してゆくというのも一つの手法ではある。麻子はチアコス以外の場面での髪型の決め込みの強力さがただ事ではなかった。麻子限定でヘアセット担当が覚醒していた。そんなキャラクターでもあった。チア☆ダン以外では、地上波放送できなくなった越谷サイコーは超面白い。サイコーであった。幽霊の食事のアイディアが天才っ。


物語の骨としては良一の葬儀で完結していて、みゆき高校生編はそこからの長いエピローグだった。章の本線パート登場までの、前半の長い伏線の回収は前回最高潮を迎えたが、最終回では案外サックリ梯子を外されていた。あそこからドラマオリジナル展開させるのはしんどかったのかもしれない。フラれるにしては大掛かりな伏線張り過ぎで作劇的にはちょっと奇妙な気もしたが、やはりシスター的に精神を満たされていた亜希子の牙城を崩すことは伏線を盛り盛りに足した章でも不可能だった。正に鉄壁の亜希子っ! 何とか額キッスのカウンターだけは入れていたけども。空転気味の章ではあったが、演者が技巧を伴って慎重に間合いを取っていたので無用に惨めになるようなことはなかった。高校生になったみゆき役も、最終回の受験の件は亜希子の行動を含めてシュールな立ち回りをしたりもしていたが、全体として好演だった。高校生みゆきは亜希子以上に漫画的人物で、亜希子との関係も亜希子自身がぶちまけた以上に少々歪んでいるようなところもある。しかし演者がポワンっ、としているので尖鋭化するようなことはなく、コミカルなホームドラマ空間が保たれ続けていた。これも適性。亜希子役も一つの十八番として『心有る』有能ロボットレディを演じつつ、母性も発揮していた。役者としての耐性が高い。今期、安心安全で見易く尚且つキャッチーなドラマは他に無く総取り状態で、裏に安室特番があっても逆に消して少なくない安室に感心の無い層を総取りするという離れ業を披露していた。企画の勝利とも言える。だがやはり前半の過去パートの物語を短いシンプルな4コマ漫画原作を大胆に再構築して実写化した太い骨があればこそ。最後の良一と葬儀の亜希子のシーンは本当に素晴らしかった。