21世紀の「建築探偵ＶＳ考現学」入門

６月になって年度が明けたのをきっかけに、九州大学芸術工学部藤原先生の公開講座に通っている。（初めて公開講座に参加できた。とても新鮮な気持ちで楽しい。）
昨日、７月５日で８回目、毎週土日は座学とフィールドワークである。
　
　天神、下関、阿蘇における歴史的建物の探偵は興味深い。古い文化財としての建物は都市の遺産として断片的な情報はあってもなかなか現地を訪れる機会は無い。（もしくは個人の力では限界があるということだろう。）

　写真は阿蘇・京都大学火山研究所の面構え（立面）である。この研究所は火山地域における地球物理学的手法を用いた観測を通じて、火山に関する研究・教育を行うことを目的とした施設であるとのことである。（藤原先生はこの地区の出身でお父さんはこの施設の建設に勤労奉仕されたそうである。）

　私はこの阿蘇の麓、大津町で生まれ育ち（正確ではないが）子供の頃から何度も阿蘇に行ったが、確かにこの建物はあった。（もっとグレーで汚かったと記憶しているが、最近リニューアルしたらしい）ちなみにこの建物は建てられてから８０年経っているそうである。ＦＢＣＣが入居しているシーマークビルも、８０年後も現役で使われているだろうか？そんなことも考えさせられたりするのである。

　ちなみに設計者は永瀬狂三（きょうぞう）。藤原先生の評価ではかなり実力を持ったデザイナーという事である。この建物の様式はチェコキュビズムというらしい。昔の人はいまより情報が無いにもにもかかわらずこんなフーに造っちゃうところがすごい。

　しかも地球物理学やチェコキュビズムなど？？？の知的キーワードが出てくるところが面白いのである。
そして、きっとこんなところがクリエイティブシティーにつながって行くのだろうなー。

コンコード環境デザイン研究所　梅田