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全国一般東京東部労働組合の記録

みなし労働時間を言い張る旅行協会とサービス連合労組

2007年03月12日 18時07分27秒 | 添乗員・旅行業界

全国の添乗員の悲痛な叫びを踏みにじり、裏切った労組と協会

(社)日本旅行業協会(JATA、会長新町光示)、(社)日本添乗サービス協会(TCSA、会長山田隆英)、
サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合、会長笠原豊)は、三者代表者の連名で、
「添乗員には、<みなし労働時間>を適用すべきである」と厚生労働省へ要望書を提出!

  先月2月2日、(社)日本旅行業協会(JATA)、(社)日本添乗サービス協会(TCSA)、サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、三者の代表者の連名で「添乗員の労働時間をみなし労働時間を適用すべし」との、とんでもない要望書を厚生労働省労働基準局青木豊局長あてに提出していたことが判明しました。超長時間労働、残業代ゼロを合法化しようというのです。

  要望書の内容は、「添乗業務は、一般の労働者の労働形態と異なる特殊性のある業務であり、・・・・みなし労働時間を適用すべきである」という許し難い内容です。
http://www.jata-net.or.jp/jata_n/070212/070212_tenjodemand.htm

 しかし、すでに、私達全国一般東部労組の申告の結果、昨年10月12日、三田・中央労働基準監督署は、複数の添乗員派遣会社に対して「添乗員のみなし労働は認めない」と文書で是正勧告を提出ずみです。

  両労基署は、
①添乗員にみなし労働時間を適用することは許されない
②1日8時間・週40時間を超えた分は、時間外割増賃金を2割5分増しで支払うこと
③(22時から5時勤務の)深夜労働には2割5分増し(残業の延長の場合は5割増)で支払うこと
④労働時間を管理すること(第108条違反)
⑤年次有給休暇・休憩を与えること
⑥36協定を締結すること

 新宿労働基準監督署も大手旅行会社に対して「みなし労働時間は認められない、時間管理を行え」「精算・打ち合わせ業務を実労働時間で計算せよ」と摘発しています。

  事業場外労働のみなし労働時間制と添乗員(ドライバー・ガイド・社員・労働者)
 労働基準法第32条(労働時間)では、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について40時間を超えて、労働させてはならない」「使用者は、・・・労働者に、休憩時間を除き一日について8時間を超えて、労働させてはならない」とはっきりと規定し、第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)では、「使用者が、労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその労働については、・・・2割5分以上5割以下の範囲内で・・・計算した割増賃金を支払わなければならない」「午後10時から午前5時まで・・・2割5分以上の・・割増賃金を支払わなくてはならない」としています。

 これら労基法は経営者が絶対に守らなければならない強行法規です。違反すると「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(第119条)」です。

  ところが、多くの旅行会社や添乗員派遣会社では業界ぐるみで、添乗員やガイドやドライバーに対して、<この業界は仕事が特殊だから>「みなし労働時間制」を適用するので、上の法律は関係ない。時間外手当は出さない。と説明し労働時間法規を全く守らず、労働者を酷使し続け、残業代も支払ってきませんでした。
 
 たしかに第38条の2には「労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときには、所定労働時間労働したものとみなす」とあります。
  しかし、この法律はあくまで「労働時間を算定し難い時」に限られます。<事業場外>の仕事全てにあてはまるはずがありません。

  厚生労働省は昭和63.年1月1日の基発1号で「次の場合は、みなし労働時間制の適用はないものとする」と通達をだしています。
 「事業場において、訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けたのち、事業場外で指示通りに業務に従事し、その後事業所にもどる場合」
 「事業場外で業務に従事するが、無線やポケットベル等によって随時使用者の指示を受けながら労働している場合」

 会社は<添乗員は労働時間を管理できない特殊業務>と言いますが、ツアーのプロセスに係る時間の配分は予(あらかじ)め会社が、朝の出発時間、途中の寄り道、目的地に到着する時間、食事時間、帰着時間を決めており、また予定時間の遅れや事故やトラブルの時は必ずその都度携帯電話で旅行会社に報告し、指示を仰ぎながら、職務を遂行しています。

  言うまでもないことですが、次の観光目的地までの移動時間帯は労働時間です。また午後10時を経過した瞬間、深夜業扱いとなり朝5時までは2割5分の深夜割増賃金の支給対象にもなります。残業時間の延長の深夜労働の場合は、5割増しです。乗客降車後の車内待機時間帯も休憩時間ではあり得ません(手待時間という位置付けです。ただし賃金は通常と同じ扱いをすべきです)。

  尚労基法上の「休憩時間」とは、労働から完全に解放されている状態、つまり労働者がその時間を自由に利用できる時間をいいます。

 以上でおわかりだと思いますが、 こと労働時間に関しては旅行添乗員が「特殊勤務」であるなどという会社の主張は大ウソなのです。

 業界の皆さんも、消費者(お客さん)の皆さんもどうか騙されないでください。

  JATAもTCSAもサービス連合も下のような添乗員の叫びはよく知っているはずです。
 「精算手当や打合せ日当を500円しか払わない派遣会社もある」
 「先日など朝の4:00におき始発に5:18分に乗り、添乗が終わって家に着いたのが深夜12:30分こんな事があっていいのでしょうか、それで1日添乗金7500円???精算500円、打ち合わせ1000円等、精算も打ち合わせもすごく時間が係ります。今日びアルバイト、パートでも1時間800円もらっています。保険もなく事故が起きたとき不安です。」

旅行添乗員(運転手さん、ガイドさん・・・)は「1日8時間・週40時間労働」が厳格に適用されるべき労働者です。

全国のすべての添乗員の皆さん!

厚生労働省は業界の横暴に従うなと、今こそ、声をあげようではありませんか。

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10 コメント

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Unknown (JATS所属TC)
2007-03-12 18:31:30
TCSAまでもですか!何をしてるのですか!
元々TCSAは力もなく、添乗員の身になってるというよりは、旅行会社・派遣会社の利益優先に動いている感がありましたが、やはりですか!
建前上だけでも「TCSAは添乗員の味方です」というスタンスだけは、守ってくれるものと思っていましたが、そうですか・・。

JATAは仕方ないとしてもTCSAまでもが。これはもう、添乗員全員に旅行会社&派遣会社から「大人しく奴隷でいろ!」という、一方的なケンカを売られたとしか思えません!もう、黙ってることはできません!全国の添乗員さん、会社も地域も超えて一緒に立ち上がりましょう!(怒
返信する
まるでキャノンのようだ! (写真男)
2007-03-12 22:14:08
今回の一件、まるでキャノンがやってる「偽装請負」の問題と何ら変わらないではないか!!


自分のトコで法律違反をしておいて、都合のいいように法律を変えてくれなどとは言語道断だ!!


どうもこういうふざけた経営者が増えていることに憤りを感じるのは自分だけではないはずだ。

どうせこういうコトを言ってる経営者というのは、自分たちだけ役員報酬をしこたま貰っておいて、従業員には自分1人だけ生きるだけでもかなり厳しい金額しか渡さないのではないかと推測できる。


会社の財務諸表を入手して、徹底的にウラを掴んだ上で抗議行動に移したらどうだろう。

もっと怒って良いはずだよ、労働者諸君!!!
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歴史的悪行 (スタッフ)
2007-03-13 05:33:11
この「要望書」は歴史的恥知らずの文書として永遠に語られます。

TCSA は、2007年1月31日付け「TCSA NEWS」では、『まったなし、派遣添乗員の労働環境改善』『コンプライアンスが声高に語られる今日、最低限の労働基準さえ確保できないようでは、他産業との人材合戦に参加資格さえ得られなくなる』の特集
http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/7f883ead30c7bffc1b4ac7f9dfb071a7
を組み、その2日後には、この厚生労働省への要望書です。舌の根も乾かぬうちとはこのことです。

添乗員向けに「最低限の労働基準を守れ!」とポーズを取りながら、一方厚生労働省に対しては「みなし労働を認めて(労基署の摘発をやめろ)」と言っていたのです。

これでは添乗員の方々が怒らないわけがありません。
自分の仕事に誇りを持つ方こそ怒ります。
労基署も怒るでしょう。

また、日当わずか一万円でしかないのに、その上、「みなし労働にしろ」「残業代はいりません」などと自ら要求する労組が世界中どこにありますか。世界中の労働組合からあきれられ馬鹿にされます。

8時間制を求めて死刑になったシカゴの先輩たちに申し訳ないと思わないのでしょうか。

関係者諸君の猛省を求めます。
返信する
おかしいと思います (現役海外TCやまだしげこ)
2007-03-13 18:06:03
添乗員はバスの移動中でもお客様を把握しようと、ちゃんと働いていますよ。注意を喚起し、歴史を語り、自作のテープを流し、クイズを出したりして、それぞれの個性で旅を盛り上げているのです。8時から20時までの12時間で済む訳がない。オフの日でも次のツアーの準備に時間を費やし、言葉の練習をし体を鍛え、体調を整えて仕事に向かっているのではありませんか?音楽家やアスリート達が普段から練習をしているように、
いくつかの労働基準監督署が是正を勧告したのは我々の仕事の実態を正しく捉えたからと思います。
これが全国の旅行会社に波及し、遡って時間外を払うことになったらとても立ち行かないのでこのような要望書を出したのでしょう。
しかし、値段の安売り競争で自分の首を絞めて、バスやホテルやレストランやツアコンへの対価を削ってきたのはJATAのお歴々です。責任をまた逃れようというのですか?長野のスキーバスが無理な運行で死亡事故を起こした事件の背景を考えてみてください。旅の現場の添乗員にもうこれ以上負担と犠牲を強いないで下さい。TCSAもツアコンからの信頼を失っては存在の価値が失墜するばかりだと思います。知恵を絞ってリカバリーを期待します。TCの皆さんはこの問題を同僚や知友人やお客様にも知らせて意見を出し合いましょう。
私は国土交通省が主導して不況カルテルで?ツアー代金を値上げしても仕方がないのじゃないか?と思っています。・・・・・・・
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Unknown (Unknown)
2007-03-13 21:44:43
あははは!!

労働組合って誰の為のモノなんですか?仮にも「サービス・ツーリズム産業労働組合連合会」と名乗ってるのに、法律に則って労働者の立場を擁護するのでは無く、組合員を締め付ける方向に仕向ける要望書を提出するなんて、こう言う労組の存在って何んなんですかねw
組合自体も母体が大きい組織になって来ると結局、労組幹部は自分達の置かれてる立場と生活を守る事を優先し、資本側と裏取引?し、組合員を犠牲(食い物)にしてるとしか考えられませんねw
まさに「自分さえ良ければいい」の感覚なんでしょうかね。
ま、そのツケはあなた方の孫など、後世に回るわけなんですど。




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Unknown (Unknown)
2007-03-13 22:32:51
次はJATSのTCさんがんばりますか?
でもはじめの1歩としてまずは多くの添乗員に自分の置かれている現状を再認識させる必要があると思います。現実逃避している添乗員は逃げちゃだめだと思います。自分の仕事が好きだからこそ、すばらしい仕事だからこそ、新しくこの仕事を選ぶ人たちのために!
だからこそ一人でも多くに、どんどんこのブログを広げましょう!少なくともここに投稿している皆さん、見ている皆さん知り合いの添乗員1人でもいいからこのブログをみてもらうよう宣伝して、意見を述べてみましょう。見るだけではだめだと思います。小さな声でもいいから一人の小さな声が大きな声になり、力となり、真の笑顔で仕事が出来る日を少なくともこのブログを見ている方、目指しませんか?
もう、添乗協会は全く当てになりません。
返信する
やっぱりね~ (たんたかたんたん)
2007-03-13 23:19:43
思ったとおりですね。
JATAもTCSAもこういう風に出てきましたね。

添乗員を管理する、そして添乗員のためのTCSAとか言っておきながら結局は旅行会社側に立つんですからね。
だってTCSAの役員って全員が旅行会社からの天下り、もしくは旅行会社の役員も兼ねてるわけだし。
旅行会社の方に付くのは分かっていたことだと思います。

でも、これであきらめたら今までの頑張りは全て水の泡になっちゃいますから、あきらめずに頑張ってくださいね。
実際に組合を作って応援するのもいいんだけど、出来ない事情もありますので、陰ながら応援いたします


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激怒! (Unknown)
2007-03-14 12:58:23
このままこの申し入れが通ってしまったら私たちの奴隷生活は変わらないと言う事ですか?
悲しい現実ですね?
TCSAは存在に意味が無いし莫大なお金をかけて冊子を作るならば添乗員にその費用を分配して欲しいですね。心から裏切られたと言う事と怒りが収まりません。
返信する
時代錯誤! (組合員です。)
2007-03-16 00:57:09
移動中のバスなどでは、運転士、ガイド、車掌、乗務員などが働いているのであって、添乗員は人数を確認したり今後の旅程の案内、到着間際の到着後の案内などごく限られた時間の労働を行っているのみ、
だから移動時間のすべてが労働しているとは言えない。

と、JATAやTCSAやサービス・ツーリズムが厚生労働省労働基準局監督課長に宛て、だから添乗員の「みなし労働時間」を認めて欲しいと要望書を出しています。

全国の添乗員の皆さん、
本当にそれは労働とは言えないのでしょうか??
私はこの一文には失望し、怒りを覚えました。
上記3者、特にTCSAには、裏切られた気持ちです。
怒れる添乗員の皆さん、こんな要望がまかり通らぬよう、立ち上がり、共に声をあげましょう!
返信する
はじめまして (やむちゃ)
2007-07-10 11:35:20
私はブログの中で、転職、就職などの会社を掲載しております。 前回フォーラムジャパンさんの紹介をしたところ、反響があり、このブログを教えていただきました。 私も以前会社で、添乗員ではありませんが、色々な事で悩んだ事があったので、このブログを見て きちんと調べもせずに掲載した事を反省しております。 でもまた別の意見では、この事実を知る事が出来た事を とてもよかった事だと感じています。 私も朝8:00~深夜3:00過ぎまで仕事をしても、(殆ど毎日)月給17万という金額で仕事をしていたので、労働組合があれば、、と思ったものです。 かといって、一人の力ではどうにもならないという事もわかっております。 どうか頑張ってください。 そして憧れの仕事の一つであるガイド、添乗員、という仕事の場が 働きやすいものであるようになる事を 応援しております。 そして 私のブログに意見していただいた事もとても 感謝しております。 こういう素晴らしいブログを知ることができたのですから、 もちろん記事や、コメントなどはそのまま掲載させていただきます。 アフィリエイターとしては いけない行為なのかもしれませんが、 私も一人の労働者として、協力する形となれたらと感謝しております。 これから添乗員になりたい と思った人達がこのブログを見て、添乗員さんの素晴らしさや 働きやすくなった環境=未来に、どきどきできるようになる結末が待っているという事を切に願っております。 もちろん私もこのブログをチェックさせていただきます。(これからですが、、) 頑張ってください! 
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