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ワタミ過労自殺遺族がワタミ本社に交渉申し入れ

2012年09月21日 10時53分56秒 | ワタミ

(上の写真=ワタミ本社の担当者に申入書を手渡す遺族の森夫妻)

ワタミの経営者は過労自殺の遺族に向き合ってください!
9・20 ワタミ過労自殺遺族がワタミ本社に申し入れ


ワタミ本社へ申し入れ 過労自殺遺族のご両親

 

大手居酒屋チェーン「和民」で正社員として働いてた森美菜さん(当時26歳)が入社2カ月後に過労自殺した問題で、遺族である両親の森豪さん、森祐子さん夫妻と全国一般東京東部労働組合は9月20日、東京・羽田にあるワタミ本社を直接訪れ、渡辺美樹会長ら経営者との交渉を求める申入書を担当者に手渡しました。

午後2時、森夫妻は美菜さんの遺影を持って本社受付を訪問。大勢の報道関係者が取材する中、応対したリスク管理グループ長に対し、渡辺会長ら経営陣にあてた申入書を読み上げました。その後、本社前で記者会見を行いました。

以下に森夫妻が作成した申入書の全文を掲載します。

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当事者による協議の申し入れ書
平成24年9月20日

ワタミ会長 渡辺美樹 殿
ワタミ本社社長
ワタミフードサービス社長

私たちは、私たちの娘、森美菜の過労自殺に関し、ワタミの当事者、渡辺美樹ワタミ会長、ワタミ本社社長、そしてワタミフードサービス社長と私たちによる協議の開催を申し入れます。

2008年4月1日、私たちの娘、森美菜は希望をもってワタミに入社しました。入社して2カ月余りの6月12日早朝、娘は墜落死体で発見されました。その日以来、私たちの時間は止まったままです。その日以来、朝起きるのがつらくなりました。苦痛です。起きれば、娘のいない一日を生きなければなりません。生きることが、まさに苦しみなのです。来る日も、来る日も、娘は墜落します。6月12日は前夜から朝まで雨で、雨のなか、眠いのに、眠りたいのに眠れない娘は、さまよい歩いています。墜落し、雨に濡れたままアスファルトの上に、娘は横になったままです。来る日も来る日も、娘の姿が浮かびます。希望をもって入社したのに、なぜこのようなことになったのでしょうか。

その理由を労働局の審査官は、ワタミという会社の業務によって、死に至ったという判断を示しました。労基署が、労働局が、国が、そう判断し、決定しました。

じゃあ、どのようにワタミという会社は、娘を死に至らしめたのか、だれが、何が、娘を死に追いやったのか。死因は何なのか。

これまでのところ、ワタミは私たちに説明していません。マスコミへの発表でも、これまでの2回の代理人を中心にした和解交渉でも、会社側からの説明はありません。だれが、何が、娘を殺したのか、説明がありません。

娘は、食と農業の大切さを思い、「世の中を良くしていこうという意識を臆面もなく持ち、かかげ、それを実際の活動と結びつけていること」にワタミの意義を見出し、「世界中で一番たくさんのありがとうを集めるグループになりたい」というワタミの掲げる標語に共感して入社しました。その娘が、入社して2カ月余りの6月12日に、なぜ死ななければならなかったのでしょうか。なぜ「世の中をよくしていこう」という会社が、娘を死に至らしめたのでしょうか。なぜ「世界中で一番たくさんのありがとうを集める」意欲をもった会社の仕事が、娘のかけがえのない命を奪ったのでしょうか。仕事のどこが、だれが、娘の若い命を奪ったのでしょうか。

娘は「五里霧中」と言い、「どこのお店も、こんなにドタバタしているのだろうか?」「営業は、こんなにギリギリなのだろうか?」「こんなに人は、疲れているものなのだろうか?」と問い、「ワタミ文化とは、こういう現実をさすものだろうか?」と死の間際に会社に提出したレポートを書いています。「ワタミの外食産業の、誇れるスタンダードの姿というのは、本当に、一体、どういうものなのだろうか?」と問いかけています。

私たちの娘は、雨のなか横たわったまま、こちらをじっと見つめて、そのように問いかけています。

その娘の問いかけに、答える説明を私たちは、いまだに受け取っていない。

それは、だれが答えられるのでしょうか。それに答えられる人と、私たちは話をしたい。今までの会社の代理人はその答えを用意していませんでした。実態を知るワタミの人間と是非話をする必要があると私たちは思い、この申し入れをすることにしました。

娘は、2カ月でげっそり痩せた顔をこちらに向け、なぜ私は死ぬの?と問いかけています。

私たち遺族にとって、これは殺人事件です。だれが、何が、娘を殺したのか、それが明確にならないということは、殺人犯が野放しの状態であるということです。ワタミの業務が娘を死に至らしめたというのであれば、業務が殺人犯です。その業務の実態を明らかにしてください。それはワタミの人間が知っているはずです。

労働局審査官は、時間外労働が1カ月141時間であったと指摘しています。その長時間労働が娘を死に追いやった死の一つの原因だと言っています。現在も、その141時間という殺人犯はいるのですか。その犯人をつかまえない限り、その犯人を職場からなくさない限り、また死者が出ます。その141時間の中身はどのようなものなのですか。死に至る、そのような時間外労働が、「世の中を良くしようとする」会社にあっていいものなのでしょうか。141時間の時間外労働は、141時間という数字だけの問題ではなく、会社の考え方、姿勢にも深く関わっています。その関係について説明をしていただきたい。

一人の死者、それも会社の本体である業務から死者が出たこと、それを抹殺して、無視して「社会を良くしようとする」会社になれるのでしょうか。

なぜ私は死んだの?という娘の問いかけに答えない限り、私たちは解放されません。そしてワタミという会社も解放されません。職場で、その業務で一人のかけがえのない命が失われたのに、それをまったく無視して、なかったかのようにして、業務を続けるのは、人間として許されることではありません。それとも、ワタミという会社は、人間の集団ではないのでしょうか。「ありがとう」を集めているのは、人間ではないのでしょうか。血が通い、「ありがとう」と言われれば、「ありがとう」と返事する人間であれば、私たちの要望を理解していただけるはずです。

私たちは、娘を死に至らしめたワタミの業務の実態を知るワタミの会長、ワタミ本社の社長、ワタミフードサービスの社長と直接話し合いたいと思います。代理人は、なにも知りません。代理人では、なにも解決しません。実態を知る人間と話をし、娘の死の原因を見極めたいと思います。これまで2回の和解交渉をしましたが、娘の死の原因についての説明はなく、それを明らかにして初めて、謝罪、再発防止策、損害賠償等の協議ができることになると思いました。まずは、なぜ、「世界で一番たくさんのありがとうを集めるグループ」が、娘を死に至らしめたのか、ワタミという会社の人間の考えを伺いたいと思います。

2月14日に、労働局審査官の労災認定決定を受けた後、2回の代理人を中心とした和解交渉を経て、私たちは、直接当事者と話し合いたい、当事者と話し合うことによって、娘の死の原因を見極めたいという考えをもつに至りました。その考えを支持し、支援を約束していただけたのが、全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合の方々(書記長 須田光照)でした。今後もこの方々とともに、そして同じく、支援し、支持していただける他の方々とともに娘の死の解明をしていきたいと思います。是非、直接の話し合いができる場の共有をお願いしたいと思います。

娘を死に追いやった殺人犯を野放しにしておかないで、探し出し、追放しなければ、また殺人が起こります。3・11の大震災を経た今、日本再生の今、一人一人の命の大切さを自覚した今、この究明を社会が支持し、日本再生の力となることを信じています。また、娘と同じような状態で苦しんでいる人々を救うことになると思っています。

回答期限は10月1日(月)、連絡は、以下の東京東部労組まで書面にてお願い致します。

以上

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2 コメント

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陰ながら応援します。 (まさあき)
2012-09-24 23:47:01
まずワタミは人の命の大切さを思い知らなければなりません。
時間外労働の隠れた押し付けほど危険なものは無いと思う一人です。なぜなら、雇われ意識の強い労働者は会社の指示に逆らいにくいのですから。
そのためにも、代理人交渉では会社の誠意どころか罪から逃げるズルイ心に他ならない訳ですので、何とか直接交渉に辿りつけますよう祈念いたします。
大変でしょうが団体交渉力で成功を勝ち得て下さい。
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マスコミ報道 (ひばり)
2012-09-29 11:27:54
会長の発言と、会社の行動が乖離してます。
会長と、社長は誠実に対応しなさい。
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