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ワタミ過労死遺族からの御礼

2015年12月28日 09時00分00秒 | ワタミ

ワタミ過労死、ご支援の御礼

森  豪  森  祐子

みなさま、12月8日にワタミと和解するに至りました。この日までの、みなさまのご支援に厚く御礼申し上げます。

和解の内容は、ワタミや渡邉美樹氏等の法的責任とその謝罪、および懲罰的慰謝料を含んだ損害賠償を求めた提訴の意図を満たすものとなりました。これも、長きに渡ってご支援いただいたみなさまのお蔭と思っております。
まことにありがとうございました。

提訴以来、玉木弁護士、江口弁護士、原島弁護士には、改めて事実関係の確認や証拠資料固めに取り組んでいただき、全面否定する被告らの虚偽に満ちた主張の一つ一つに対し、丁寧に忍耐強く反論していただくとともに、東部労組の須田さんからは、労働現場を見続けた経験に裏づけされた、貴重なアドバイスをいただいて口頭弁論を有利に進めることができました。

ワタミへの是正勧告などの証拠資料が次々に手に入り、相手方の反論も乏しくなって、最後の詰めとしての証人喚問に臨もうとした矢先に、裁判長より和解勧告が出されました。

提訴以来、どこまでも裁判を貫き、法的責任を追及する覚悟でいましたので、以前に体験した民事調停の主旨である「金を払うが、責任問題は灰色決着」を思い出して嫌な思いになりましたが、法的責任を認めるのが和解交渉の出発点という姿勢を確認し、弁護士団と須田さんとともに和解案、和解条項を作成して、決裂したら当初の予定通り裁判続行の覚悟の上に、本当に反省しているのならその証として受け入れるべきだと、判決では得られない決着を求めて交渉しましたところ、他の従業員の未払い残業代を時効を越えて支払うことを含め、私どもの要求をほぼ全面的に承諾するという回答を得ることができました。玉木弁護士いわく、「全面勝利、懲罰的慰謝料の意図を満たした画期的な成果」となりました。

ただ、私どもが懸念しましたのは、「画期的な成果」ゆえに「ワタミは良い回答をした、金額も、従業員対策も良い回答だ。よく反省している」とまだ労働環境の改善など実現されていないのに、ワタミを利する宣伝がなされ、これまでのように、実態と違う「きれいなイメージ戦略」を展開し、「免罪符を得た、過去は帳消しだ」とばかりに、まったく労働条件を改善せず、和解案、和解条項の約束を果たさないままの経営を展開することでした。

しかし和解記者会見後の主要新聞の社説を見ますと、「ブラック根絶の一歩に」(朝日)、「過重労働を改める機会に」(日経)、「経営者の責任は思い」(中日)と書き、「従業員の心身をむしばむような働かせ方は社会が許さない。過酷な労働を放置せず、働く環境を改善する責任が組織の管理者やトップにはある。そのことを他企業も自覚する機会としたい」と他企業への警告を発しています。

和解によって裁判から解放された浮かれ気分がワタミらの被告に充満し、それをそのままマスコミが追いかけて記事にするのを心配してましたが、現在のところ、そういう気配はまだ感じられませんので、ほっとしています。

しかしまだわかりません。私たちがそのブラック性を指摘してきたのに、すべて否定してきた被告らですので、気を緩めないで、みなさまにも監視をよろしくお願いしたいと思います。

最後にまたお願いになってしまいましたが、みなさまのなかには、私どもよりも厳しい状況の下で戦っておられる方々も多いと思います。みなさまのご健闘を祈りながら、重ねて御礼申しあげます。

どうもありがとうございました。

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