写真=労組結成申し入れで使用者に抗議の声を上げる女性職員2人(2019年6月19日)
女性職員2人が労働組合結成でパワハラの謝罪を勝ち取った!
~6.19 東京東部労組個人タクシー協同組合世田谷第三職員支部結成申し入れ~
パワハラの謝罪を勝ち取った女性2人の決起~6.19東京東部労組個人タクシー協同組合世田谷第三職員支部結成申し入れ~
個人タクシー運転手でつくる東京都個人タクシー協同組合(東個協)の世田谷第三支部で雇用されている事務職員の女性2人が、使用者によるパワハラをなくすことなどを求めて労働組合を結成し、6月19日に労組結成を使用者に申し入れ、パワハラの謝罪などを勝ち取りました。
2人が結成したのは「全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合世田谷第三職員支部」。
同日の申し入れでは、使用者の中山卓二支部長に対し、朝貝玲子委員長が労働組合結成通知を読み上げ、中村ゆかり書記長が要求書を読み上げました。
要求書は、①中山支部長が「ふざけるな!」と怒鳴ったり、職員のうそを言いふらしたりするなどのパワハラを謝罪すること、②朝貝職員の来年2月の定年後の雇用を現在と同条件で行うこと、③不当な配置替えを元に戻すこと、④三六協定を結ぶまでは違法な残業をさせないこと――などの17項目にわたります。
パワハラについて、2人は「いつも怒鳴られて、ずっと怖い思いで、職場の中で小さくなって耐えてきた。言いたいことがあっても言えなかった」と心境を打ち明け、「言葉の暴力はやめてほしい」と訴えました。
朝貝職員の定年後の雇用については、現在の週5日勤務を週3日に削られて賃金を5~6割に減額されると支部長から一方的に言われたことに抗議しました。
不当な配置替えについては、交渉の中で事実に基づかない「ミス」や定年後の嘱託職員への差別を背景に行われたことが明らかになりました。
三六協定については、これまで労働者代表との協定締結もなく、違法な形で残業が命じられていたことを指摘しました。
交渉は2時間45分に及びました。その結果、①支部長がパワハラ行為を謝罪し二度と行わないようにする、②朝貝職員の60歳以降の労働条件についてはまだ白紙であることを確認し朝貝職員の意向や生活を尊重する方向で今後労使協議する、③過去の配置替えについては今後労使協議する、④三六協定について当労組と締結するまでは違法残業を全職員にさせない――などの10項目にわたり労使合意ができたため、支部長と朝貝委員長が「確認書」に署名しました。
最後に支部長は過去のパワハラ行為について頭を下げ、職員2人に謝罪しました。
2人が勇気をもって労働組合で立ち上がり、使用者に初めて抗議の声を上げた成果です。申し入れ後、2人は「労働組合がなければ我慢して働くか自ら辞めるかしかなかったが、言いたいことを言えて良かった。これからも要求の実現に向けて頑張っていく」と感想を述べました。
東個協世田谷第三支部に加入されている個人タクシー運転手のみなさん、労組結成に至った職員2人の真剣な思いをぜひご理解ください。みなさんのご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
また、東個協の別の支部で働いている職員のみなさん、東個協の中ではすでに葛飾第一支部(2011年)、新東京支部(2016年)、葛飾第二支部(2018年)で職員が私たち東部労組とともに労組結成を果たし、今回の世田谷第三支部は公然化している労組では4つめになります。ぜひ、みなさんの職場でも労働組合を結成し、職員の生活と権利を守っていきましょう!
そして、あらゆる職場でパワハラなどに悩んでいる労働者のみなさん、このほど国会でもいわゆる「パワハラ防止法」が成立しましたが、職場から本当にハラスメントを根絶するためには労働者自身が立ち上がり声を上げることが最も実効性がある「防止策」です。彼女たち2人に続き、労働組合で団結し、自分と仲間の尊厳を守っていきましょう!