【シグマベンディングサービスとの闘い】「熱中症の労災をなくしたい!」と遺族が提訴・会見
被災者と家族は泣き寝入りせず声を上げよう!
労働者は職場での熱中症対策を要求しよう!
コカ・コーラ製品の自販機補充・配送会社で働いていた労働者が仕事中の熱中症で死亡したことを受け、全国一般東京東部労組に加入している遺族が3月21日、雇用主のシグマ・ベンディングサービスへの損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。
その後、遺族と東部労組は厚生労働省で裁判の弁護団(玉木一成弁護士、梶山孝史弁護士)とともに記者会見を開きました。
死亡した労働者は駐車禁止対策のドライバー助手として2009年から同社でパートタイムの有期雇用で働いていた男性です。2020年8月13日に熱中症で倒れ、入通院治療をしていましたが、2021年12月6日に64歳で亡くなりました。
男性が倒れた当日働いていたさいたま市の最高気温が36度の猛暑でしたが、会社からは自販機の設置場所間を炎天下に歩いて移動するよう指示されたうえ、自販機への補充作業中はカーエアコンを切ったトラックの助手席で待機させられるなど、会社の安全配慮義務違反によって熱中症になったのは明らかです。さいたま労働基準監督署もすでに労災として認定しています。
被災後に東部労組に加入した男性のお連れ合いとお兄さんは、同社に対して熱中症の死亡労災を起こしたことの謝罪、損害賠償、再発防止策などを団体交渉で要求しました。しかし、同社は「遺族には団体交渉権はない」などと回答自体を拒否する極めて不誠実な対応を取りました。このため遺族が原告となって裁判を起こすことになりました。
近年の夏場の暑さは異常と言える状況で、同社だけではなく多くの職場で熱中症労災が発生しています。厚労省の統計「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」によると、熱中症による死傷者は827人(2022年)で10年前(2012年、440人)と比べると倍近くに増加。2023年は1045人(今年1月の速報値)とさらに増える見込みです。東部労組のもとに寄せられる労働相談でも職場での熱中症対策を求める声が増えています。
今回のシグマベンディングサービスへの責任追及の闘いを通して、私たちは熱中症労災の被害にあった労働者や家族が泣き寝入りせずに労災申請などに動くこと、そして労働者が職場で自分たちの安全を守るための熱中症対策を求める労働運動に立ち上がることを呼びかけます。
記者会見で遺族は男性の遺影を置いて臨みました。お連れ合いは「夫は闘病中くやしいと訴えていた。会社の不誠実なゼロ回答に私はいったんあきらめたが、同じように悩んでいる方やご家族がたくさんいることを知り、周りの人たちに励まされて裁判を決めた。裁判を通して夫の無念を晴らし、同じ境遇のみなさんの後押しになれればと決心した」と話しました。
男性のお兄さんは「暑い場所で働いている人は不調なら迷うことなく仕事を中断して涼しい場所に移動して水分や塩分をとってほしい。会社は守ってくれない。弟の死を無駄にしてほしくない。」と訴えました。
東部労組では以下のとおり「熱中症労災をなくそう!キャンペーン」相談窓口を設置することとしました。ぜひ相談をお寄せください。
<「熱中症労災をなくそう!キャンペーン」相談窓口>
■相談先:全国一般東京東部労働組合
・電話 03-3604-5983
・メール info@toburoso.org
※ 相談無料・秘密厳守
※ 電話の受付は平日午前9時~午後5時(メールやLINEは時間の制限はありません)
※ LINEでの相談も可(下のQRコードもしくは「友だち追加」で「友だち登録」してください)
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