過労労災の橋さんが全面勝利解決！

写真＝会社との合意書締結後の橋さん（右端）一家と組合スタッフ

過労労災の橋さんが全面勝利解決しました
支援してくれた皆さん、ありがとうございました

石油会社のＪＯＭＯ（ジャパンエナジー）グループ「アジア商事」で働いていた橋直彦さんが長時間労働が原因で重い障害を負った過労労災事件について、橋さん一家と支援してきた私たち全国一般東京東部労組と会社の３者が５月２２日、合意書を締結しました。

合意書は、会社側が橋さん一家に深く謝罪し相応の解決金を支払うほか、職場で労働環境の改善に努めて過労労災が二度と出ないよう再発防止策を実施するという内容です。私たちの主張をほぼ全面的に認めた勝利解決です。

橋さんは０６年１１月にクモ膜下出血で倒れ、幸い一命はとりとめたものの、脳の前頭葉を切除するなどして高次脳機能障害という重い障害を現在も抱えています。

橋さんはチーフスーパーバイザーという肩書きのもと、連日早朝から深夜まで長時間労働を強いられていました。１年で休日はたった１日という過酷さでした。その実態は、妻の美智代さんが夫の出社と帰宅の時間をメモしていた「育児手帳」からも明らかでした。

ＮＰＯ法人労働相談センター内にある「過労死をなくそう！龍基金」に美智代さんが昨年１月、相談に訪れ、夫婦で東部労組に加入しました。組合は団体交渉で労災申請に必要な資料を会社側に要求しました。不誠実な対応をとっていた会社側に対して、昨年６月には美智代さんを先頭に抗議行動を行いました。（http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/5b726831f6ad9079f77095bc47ae709f）

労災を審査する新宿労働基準監督署への要請・交渉にも組合スタッフが同行しました。労基署は昨年６月下旬、長時間労働が原因の過労労災であると認定しました。（http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/44a964e686523cffcb2d3b9641f2181a）

その後、会社と組合が折衝を重ねた結果、裁判を起こすことなく橋さん一家が納得いく和解を勝ちとることができました。

勝利解決を果たせたのは、約１年半にわたり様々な形で支援・協力してくれた同僚、元同僚、他労組、マスコミの皆さんのおかげです。過労死弁護団事務局長の玉木一成弁護士によるアドバイスの成果でもあります。このブログを通して応援のコメントを寄せてくれた皆さんにも感謝を申しあげます。本当にありがとうございました。

とはいえ、橋さん一家は重い障害と一生たたかっていかなければなりません。会社と和解したからといって手放しで喜べる話ではありません。同じ悲しみを繰り返さないため、すべての職場で長時間労働をなくす運動が必要です。東部労組といっしょに８時間労働制を経営者に守らせましょう。

過労死、過労自殺、過労労災で悩んでいる人は「過労死をなくそう！龍基金」（電話０３－３６０４－１２９４、メールtoburoso@ka2.so-net.ne.jp）に相談してください。