新年のごあいさつ
NPO法人労働相談センター
理事長 石川 源嗣
スタッフ一同
スタッフ一同
新年あけましておめでとうございます。
NPO法人労働相談センターは、「スタッフ日記」読者の皆様をはじめ、労働相談ボランティア、全国一般東部労組・ジャパンユニオンの組合員、さらに全国の地域労働組合・コミュニティユニオンの仲間、そしてたくさんの相談者のご協力で、活動を進めることができました。ありがとうございました。
おかげさまで、「労働相談」でのサイト検索ではグーグル、ヤフーとも年間を通してランキング最上位をキープしました。とくに昨年後半ではともに毎月、1位から3位の間でした。これはこれで一NPO法人の仕事としては凄いことと思いますが、成果に甘んじることなく、もっと見やすい、役に立つホームページを目指して精進したいと考えています。
相談件数は昨年1年間で5000件を超えると予想されます(09年12月分が未集約ですので最終確定はしていません)。この数字は最盛期に並ぶものです。
相談内容の特徴は、賃金問題と解雇が双璧であった20年来の傾向を一変させ、リーマン・ショック以降、とくに昨年初めから解雇問題がダントツの1位に躍り出て、現在までその傾向が変わっていません。
「解雇」は労働者にとって、その人と家族の人生を根底からくつがえす厳しい出来事であり、それまでの日常生活の継続を破壊する大打撃です。文字通り「首切り」にほかなりません。そのような事件が頻発し、多くの労働者に襲いかかったということです。
私たち労働相談センターでは、労働相談にあたって、解雇、賃金引き下げなど労働者への攻撃に対する唯一の根本的な対抗策は労働組合を結成ないしは地域の労働組合に加入して闘うことだと訴えてきました。昨年も多くの相談者が労働相談センターのアドバイスのもと、労働組合結成・加入で闘い、労働条件を確保してきました。
11月には、労働相談センターへの相談をきっかけに、フォーラムエンジニアリングという大手派遣会社の東京都台東区にある製麺部門で、事業閉鎖と障害者の解雇という攻撃に対して、27名の労働者が立ち上がり、東部労組の支部を結成し闘うことで、全員の解雇撤回と事業継続をかちとりました。
この闘いは、日本国中で吹き荒れるリストラ、解雇攻撃に労働者はいかに対処すべきかを示す生きた手本であり、私たちを限りなく励ますものです。全国の労働者はフォーラムエンジニアリング支部の障害者の闘いに学んで、職場に労働組合を作ろうと呼びかけたいと思います。
さて本年は労働者にとってさらに厳しい幕開けとなるのはまちがいありません。
ワーキングプア、新「派遣村」、解雇、賃下げ、労働条件悪化、無権利という労働者の現実の一方で、「大企業の内部留保が218.7兆円」という現実があります。
この現実を変え、労働者が気兼ねなく労使対等で働き生活するためには闘う以外ありません。闘うときに裸で闘っても勝てません。ちゃんと服を着て闘いましょう。その「服」が労働組合です。それで初めて経営者と対等に話し合えるのです。
NPO法人労働相談センターのことをぜひ全国の困っている労働者に知らせてください。電話、メールで相談してください。相談無料、秘密厳守でどんな相談にも応じています。
本年はNPO法人労働相談センターの役割がますます大きくなると予想されます。 ぜひ皆様のさらなる暖かいご支援をお願いして新年のご挨拶といたいします。
本年もよろしくお願いします。