メトロコマース支部 第１２回団体交渉の報告

（上の写真＝団交後のメトロコマース支部組合員）

同じ仕事をしている地下鉄駅売店員は同じ待遇に！
すべての契約社員を「正社員」にしてください！

東京地下鉄（東京メトロ）の駅売店「メトロス」で働く契約社員らでつくる、私たち全国一般東京東部労組メトロコマース支部は６月１１日、株式会社メトロコマースとの第１２回団体交渉を東京・上野の本社会議室で持ちました。組合側は後呂委員長はじめ６人、会社側は土佐取締役はじめ５人が出席しました。

この日の団交で、組合側は同じ売店で同じ仕事をしている販売員が正社員、契約Ａ、契約Ｂという雇用形態で分けられ、賃金などの待遇で大きな格差があることを改めて指摘し、均等待遇の方向での改善を求めました。また、契約社員が半年や１年の細切れの契約期間を長い人では１０年以上も反復更新しているという不当なあり方を変えて、期限の定めのない雇用＝「正社員」化を早期に実現するよう求めました。

会社側の主な主張は次のようなものです。「以前から正社員、契約Ａ、契約Ｂという制度がある中で、すぐに制度をゼロにして全面的に組織や賃金体系を変えることは現実的にはできない」「収益が基本。人件費という投資が伴うわけで回収できるメドが立たないと制度や賃金をにわかに変えることは不可能」「当社だけではない。同業他社も同様の制度、賃金で行っている」「地下鉄の上を走る道路管理者からの毎年の占有許可の申請関係で１年ごとの契約にせざるを得ない」

組合が求めているのは、人を差別しないでほしい、同じ仕事をしているなら均等な待遇にしてほしい、という極々当たり前の願いです。制度があるから変えられない、ではなく、不当で理不尽な制度だからこそ変えるべきなのです。投資と回収という収益の論理とは別の話です。東京メトロの１００％子会社である企業としての社会的責任を問うているのです。差別と貧困に悩み苦しんでいる社員を放置する理由にはなり得ません。道路の占有許可にいたっては苦し紛れの弁解以外の何物でもありません。地下鉄構内で働くすべての労働者が１年ごとの契約社員とでも言うのでしょうか。

このような会社の姿勢を許さず、組合は今後も均等待遇と正社員化を要求していきます。メトロコマースで働くすべての非正規社員は一緒に声をあげましょう。

この他にも今回の団交では販売員にとって重要な多くの議論がありました。

＜異動について＞
販売員の頻繁な異動は、常連客にとっても不都合なので、特別な事情がない限りはやめてほしい、と組合は求めました。また、異動の際には後任への引き継ぎ期間などをきちんと確保するべきだ、と求めました。これに対して会社側は「言われる通りだと思う。お客さんとの信頼関係は大事。異動の際には販売員の心構えや引き継ぎも考慮して一定期間の余裕を持った上で理解を得ていきたい」と回答しました。

＜早番・遅番の通し勤務について＞
現在、人員不足から早番と遅番の通し勤務があちこちの店舗で出ています。組合側は通し勤務は販売員にとって過重な負担になるので本人の意向を尊重するよう求めました。これに対して会社側は「本人の意に沿わない超過労働はやらせない。本人の意思をよく聞いてから勤務してもらうよう徹底したい」と回答しました。

＜育児休職・介護休職の規程について＞
育児休職や介護休職について就業規則には「育児休職規程、介護休職規程による」としか記されていません。就業規則は販売員全員に配布されていますが、育児介護の休職規程は配られていません。組合からは各規程も配布するよう求めました。会社側は「周知の方法については配布も含めて検討する」と回答しました。

＜新聞・雑誌の梱包について＞
前回の団交で組合が求めた、一部の搬入業者による新聞・雑誌の過剰な重梱包の簡易化について、会社は改善策を検討するよう業者に求めたと回答しました。

＜ホーム手当の導入について＞
ホーム売店とコンコース売店を比較すると明らかにホーム売店が劣悪な職場環境に置かれていることから、組合は「ホーム手当」の導入を会社に改めて求めました。会社からは明確な答えはありませんでしたが、引き続き協議していきます。

東京地下鉄メトロ駅売店で働いている皆さん！人間らしい生活を手に入れるため、だれもが楽しく働きやすい環境を実現するために東部労組メトロコマース支部に参加してください。すでに支部は多くの成果を勝ち取っていますが、まだまだ問題は山積しています。いっしょに相談して１つひとつ解決していきましょう。