蔵書目録

明治・大正・昭和:音楽、演劇、舞踊、軍事、医学、教習、中共、文化大革命、目録:蓄音器、風琴、煙火、音譜、絵葉書

神話的バレー 「獵の女神」 帝国劇場 (1915.7)

2020年03月24日 | 帝国劇場 総合、和、洋
         
     
     河竹黙阿彌作
 第一 朝比奈三郎 局松島 星月夜東鑑 二幕 五場

 第二 喜劇 野晒 一幕 四場

 第三 時代世話劇 阿波の鳴門 一幕
     
 第四 時代世話劇 伊勢音頭戀寢刄 一幕 三場

 第五
      ガルガフイアの森
 一ダイアナ獵の女神 モリノ
 一アクテオン    高田
 一ニムフ森の女神  磯代
 一同        照子
 一同        たかね
 一同        靜子
 一同        百合子
 一同        喜久代
 一同        せい子
 一同        桂
 一同        柏木
 一同        小島
 一同        松山
 一同        菅
 一同        石井
 一同        葉須
 一同        櫛木
 一同        岸田
   帝國劇場附屬
      管絃樂部員  

     ローシー作並に指導
  第五 神話的バレー 獵の女神 一場

 『ガルガフイアの森』、舞臺はガルガフイアの谷を飾る、美しき森にして、夜明けの空と共に徐々と其美を現はし、煌々たる星光も、立昇る太陽の光に、いつしか消え行く光景、獵 かり の女神にして主の神ジュピタアに、變りなき愛を捧げるダイアナは、今しも弓矢を携へたる森の女神ニムフを從へ、オリムプス山を降り來れる處なり、而して實に此弓矢なるものは無辜にして美しき人間の妙なる音楽を沈黙せしめ、斯 か くして彼女 かれ が性來の惡意を滿足せしむる唯一の道具なり、茲に唯一人覘 ねら ひの正確に於ては一籌 ちう を輸するも其敏捷に於ては此のダイアナに近附き得可 うべ き神はアクテオンにして、常に數多くの忠實なる獵犬を從へ居たり、此二柱 ふたはしら の神は時々途上に遭遇する爲め、近附きとなりたるも、自然の美とオレーンヂの花の馥郁 ふくいく たる香気とを以て飾られたるレミー湖の邊 ほとり に出づる時は何時もの狎々 なれゝ しさを去つて、眞面目になるが例となり居たり、其理如何にと云ふと、茲にはダイアナは其侍女ニムフを伴はれ衣を脱し、水浴する故、其時は決して見てはならぬとアクテオンに命ずればなり、されど水中に嬉戲せるダイアナを見てはアクテオンはその好奇心を抑ふる能はず、潜 ひそか に、草叢 くさむら の蔭より覗き居たるに、忽 たちまち にして女神の認むるところとなる、女神はアクテオンが無躾 ぶしつけ なる態度に激怒し、己れの姿を見たる何者をも、其形を變ふる力あるを幸ひに、忽ちにアクテオンを牡鹿に變形したれば、アクテオンは今や己 おの が獵犬に獵立 かりた てらるゝの始末となり、斯くしてダイアナは己が水浴 ゆあみ を終り、オリムプス山へと立歸る。

 なお、上の写真右二枚は、絵葉書のもので、下の説明がある。

 上左の絵葉書:(帝國劇塲神話的バレー獵の女神)ガルガフイアの森の塲
 上右の絵葉書:(帝國劇場獵の女神)半獸の怪物(高田)ダイアナ(モリノ) 


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。