蔵書目録

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「貴志康一氏 渡歐告別演奏會」(1932.6)、「貴志康一歸朝演奏會」(1935.11)

2021年02月22日 | 作曲家 その他



 青年提琴家 
   貴志康一氏 
     -渡欧告別演奏会

 (ベエトオヴエンに捧げる夕べ) 貴志康一氏 レオ・シロタ氏共演

   於 朝日会館  【会員券】 A \ 2.00 B \ 1.00 C \ .50

   12日 午後

 
     
 欧洲に再度の研鑽を重ねて作秋帰朝、以来東京・大阪に屡々その収穫を発表して好楽家の讃嘆を浴びつゝあった大阪が生んだ青年名提琴家貴志康一氏はこのほど愛器ストラデイヴアリスを抱いて第三回目の渡欧の途に就かれることになりました。同氏送別のため鬼才レオ・シロタ氏の共演を得て、こゝに「貴志康一氏渡欧告別演奏会」(ベエトヴエンに捧げる夕べ)を開催致します。
 貴志氏の真摯にして卓抜せる藝術、「鍵盤上の不可能事なし」と謳はれるシロタ氏の神技については既に御承知でありませう切に貴下の御来聴をお待ち申し上げます。

   主催 朝日新聞社会事業団

      -プログラム-

 1 ベトオヴエン ……
       「スプリング・ソナタ」ヘ長調(作品 24)
           アレグロ モルト エスプレツシイヴォ
             スケルツオ
                ロンド(アレグロ マ ノン トロツポ)

 2 ベトオヴエン ……
       「ソナタ七番」ハ短調(作品 30 No.2)
           アレグロ コン ブリオ
             アダヂオ カンタビイレ
               スケルツオ(アレグロ)
                  フイナアレ(アレグロ)
 3 ベトオヴエン ……
       「クロイツエル・ソナタ」イ長調(作品 47)
           アダヂオ ソステヌウト
               フレスト
                 アンダンテ コン ヴアリアツイオニ
                        フイナアレ(ブレスト)

 

 貴志康一歸朝演奏會
    指揮 貴志康一 管絃樂 新交響樂團

  十一月廿六日(火)午後七時半
     於 日本靑年館
     會員券 一圓 二圓 三圓
         プレイガイド・三省堂・當日會塲

 GRAND CONCERT
  BY KŌICHI KISHI
 WITH NEW SYMPHONY ORCHESTRA
  20th.November,
  7.30P.М. Nippon
 Seinenkan
 -hall

 (1)ベートーヴェン
     「コリオラン」序曲
 (2)チャイコフスキイ
     「交響曲 第六番
       (悲愴) ロ短調
 (3)シューベルト
     「未完成交響曲」ロ短調
 (4)ワグナー
     歌劇「名歌手」序曲

異境ベルリンにあって、その名指揮を謠はれた貴志康一の東都
第一回演奏會!! 晩秋靜夜、外苑にこだまする神韻を聽かう!!

 ★彼を指揮者として成功せしめた所以のものは獨特の熱ある態度であって、其の情熱は彈力性に、彈力性は情熱にと、兩者が互に刺戟し合ふ處に發するものである。その演奏には粗豪さがなくリズムは彈力を帶び、楽器群の組成は卓越せる光澤を發揮してゐる。(ドイチェ・アルゲマイネ・ツァイトゥング・一九三四年十一月二十四日紙)
 ★日本人貴志康一氏は伯林フィルハーモニー・オーケストラを指揮し、特にその際、音色に對し驚嘆に價する指揮振りを示した又音色に對すと同樣な卓越せる感覺を以て、器樂を編成してゐることを示してゐる。(ペー・ツエット・アム・ミッターク・一九三四年十二月四日紙)
 ★此の前のフィルハーモニー・オーケストラの日曜音樂會は日獨協會後援のもとに、日本の指揮者貴志康一氏の非凡なる精妙さと極めて確信に滿ちた指揮振りに依り、力強い印象を與へる機會を提供した。(ペルリーチ・モルゲン・ポスト・一九三四年十一月二十四日紙)

 東京 小野ピアノ店 大阪



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