例によって彼と一緒に風呂へ入る
「明日はプールあるんでしょう?」
「先週休んだから その振替を取るってママ言ってたよ」
「行きたくないよ!」
「セントラルもヤマハも めんどくさいっし!」
「でも そのお陰で泳げるようになったし…」
「ピアノも上手に弾けるようになったし…」
「リョウちゃん ほんとは行きたくないよ!」
「スイミングもピアノも やりたくてやってるわけじゃないし」
「へェー そうなんだ⁉︎ 」
「じゃー今度 パパやママにそう言ったら…?」
その会話はそこまでしか続くことはなかった
要するに彼は親には言えない愚痴を私に言っただけのことだ
そうか 親に言われて仕方なく習い事に行っているのか…
思えば かわいそうな話じゃないか…
これがストレスにならなければ良いが…
この話を娘にしたら そっけない返答
「別に嫌がってなんかいないよ」
「かわいそうなんて言わないで!」
連れ合いもそれに加勢するように言う
「子どもなんて 何が好きかなんて経験してみなければ分からないんだから…」
そういうものかな?
たしかに 初めから何があるのか何ができるのかは分からないけど…
子どもが自分で好きなものを見つけていくことは無理なのかな…?
子どもに色々な体験をさせてあげる⁉︎
昔は親にそんな余裕なんて滅多になかったよな…
でも 結果的には大人になって何とかなってるし…
しかし 仮に自分が幼い時にピアノを弾く環境があったなら
ゴルフのレッスンを受ける機会があったなら
書道や算盤を習わせてもらっていたら
もしかしたら今とは違った人生を歩んでいたかもしれない
いやいや そんなことはない
自分にはこれだけの技量や能力しかなかったし…
考えは色々と巡るが
要は本人にとってどうかは本人が決めること
本当にやめたかったら そうするであろう
ところが 数日後 我が家に私の仲間が大勢集まった時のこと
挨拶にやって来た彼はお客さんからおにぎりをいただいた
「お礼に一曲弾いてあげたら?」と連れ合いに促されると
何と素直にピアノに向かい スラスラと綺麗な曲を弾くではないか!
静まり返った部屋で全員に注目を浴びる中
ミスもなくいつも以上に上手に弾く「風の通り道」♫
終わると大きな拍手をもらい 満足気な様子
「こいつは本番に強いやつだな」
いつもになく私まで賞賛の思いであった
その翌日
風呂から出ると言われるまでもなくピアノへ向かい
気持ち良さそうに弾いていた

それにしても彼の本音はいったいどこにあるのか?
私だけにしか葛藤の場面を見せないのは確かだが…
-S.S-
「明日はプールあるんでしょう?」
「先週休んだから その振替を取るってママ言ってたよ」
「行きたくないよ!」
「セントラルもヤマハも めんどくさいっし!」
「でも そのお陰で泳げるようになったし…」
「ピアノも上手に弾けるようになったし…」
「リョウちゃん ほんとは行きたくないよ!」
「スイミングもピアノも やりたくてやってるわけじゃないし」
「へェー そうなんだ⁉︎ 」
「じゃー今度 パパやママにそう言ったら…?」
その会話はそこまでしか続くことはなかった
要するに彼は親には言えない愚痴を私に言っただけのことだ
そうか 親に言われて仕方なく習い事に行っているのか…
思えば かわいそうな話じゃないか…
これがストレスにならなければ良いが…
この話を娘にしたら そっけない返答
「別に嫌がってなんかいないよ」
「かわいそうなんて言わないで!」
連れ合いもそれに加勢するように言う
「子どもなんて 何が好きかなんて経験してみなければ分からないんだから…」
そういうものかな?
たしかに 初めから何があるのか何ができるのかは分からないけど…
子どもが自分で好きなものを見つけていくことは無理なのかな…?
子どもに色々な体験をさせてあげる⁉︎
昔は親にそんな余裕なんて滅多になかったよな…
でも 結果的には大人になって何とかなってるし…
しかし 仮に自分が幼い時にピアノを弾く環境があったなら
ゴルフのレッスンを受ける機会があったなら
書道や算盤を習わせてもらっていたら
もしかしたら今とは違った人生を歩んでいたかもしれない
いやいや そんなことはない
自分にはこれだけの技量や能力しかなかったし…
考えは色々と巡るが
要は本人にとってどうかは本人が決めること
本当にやめたかったら そうするであろう
ところが 数日後 我が家に私の仲間が大勢集まった時のこと
挨拶にやって来た彼はお客さんからおにぎりをいただいた
「お礼に一曲弾いてあげたら?」と連れ合いに促されると
何と素直にピアノに向かい スラスラと綺麗な曲を弾くではないか!
静まり返った部屋で全員に注目を浴びる中
ミスもなくいつも以上に上手に弾く「風の通り道」♫
終わると大きな拍手をもらい 満足気な様子
「こいつは本番に強いやつだな」
いつもになく私まで賞賛の思いであった
その翌日
風呂から出ると言われるまでもなくピアノへ向かい
気持ち良さそうに弾いていた

それにしても彼の本音はいったいどこにあるのか?
私だけにしか葛藤の場面を見せないのは確かだが…
-S.S-