郷土教育全国協議会(郷土全協)

“土着の思想と行動を!”をキャッチフレーズにした「郷土教育」の今を伝えます。

たんぽぽ舎で前川喜平さんの講演

2019年05月11日 | 日記

たんぽぽ舎で前川喜平さんの講演、「教育勅語と道徳教育」があると聞いて出かけた。

 

「教育勅語は、1890年作られ1945年敗戦まで55年間、国民精神の統合として君臨、滅私奉公の精神を叩き込んだ」

 

 「天皇のために死ねよ」と教えた大日本帝国は国民を戦争に導き、アジアの民衆を殺戮し日本の民衆も殺し殺されて完敗した。

だからGHQは教育勅語の朗読、神聖な取り扱いを禁止した、1948年国会でも教育勅語の排除の決議、失効確認決議をした。

しかし、日本人は、教育勅語、修身を本当に間違っていたと反省したのだろうか。

自民党は、教育勅語の精神「滅私奉公」が好きで、戦後一貫して修身に代わる道徳教育を導入させ、復活、再生させようと図ってきた。

明治以降3代にわたってたたきこまれ骨の髄までしみこんでしまったのだろうか、厄介なことには、日本人は自己犠牲とか国のために尽くすとかの行為、価値に好意を抱いてしまう。  

 

敗戦後、1948年~2006年、教育勅語に代わって、新たな教育の目的を謳った教育基本法は、一人ひとりの個人を育て、個人が学ぶ権利、個人が生き、他者も生きる民主的な社会を作ることを目指した。

しかし戦後教育、戦後社会は個人の尊厳、価値をわれわれ日本人の常識にまで行き渡らせられなかったのではないだろうか。

 

 1958年岸内閣の時、道徳教育が学校に導入された。

教科書はなかった、教材は自由、成績はつけない。

道徳の時間、雪が降れば雪合戦が出来た時代。

 

 1982年から1987年中曽根内閣の時、臨時教育審議会ができた。

中曽根さんは道徳の教科化、教育基本法改正を目指したが、「教育基本法にのっとって」という縛りがかけられ、狙いは達成できなかった。

臨教審は個性尊重、生涯教育、初任者研修など提言して終わった。

 

2000年小渕内閣の時「国民教育改革会議」が作られ、広く教育問題を審議しようとスタートしたが急逝、森内閣に引き継がれた。

森さんは「滅私奉公」が好きな人、「国民教育改革会議」で「教育基本法の見直し」を提言し、中教審で審議が始まった。森内閣は1年で総辞職、小泉内閣が続いた。小泉さんは教育には関心がない人だったが、中教審で教育基本法改正の審議が続き、2006年第一次安倍内閣で改正教育基本法が成立。

伝統と文化の尊重、愛国心、郷土愛が書き込まれた。

しかし辛うじて焼け残ったものは、個人の尊厳の尊重、教育は個人のためにあるという柱だ。

 

2012年よもやの第2次安倍内閣が誕生。

改憲を狙い、幼稚園児に教育勅語を暗唱させる籠池夫妻とお友達、昨年度小学校、今年度中学校で道徳の教科化を実現。

22の徳目に従って教科書が作られ、子どもを評価をする。

道徳の教科書を読むと、ろくでもないことばかり書かれている。

少年野球チームの監督の言う通り、送りバントにしなかった星野君の話がのっている。

自己犠牲の精神、規律に従う価値観を植え付けるのか成績をつけることで子どもに面従腹背を教えるのか。

学校現場に危機感を抱いている。

団塊ジュニアのために採用された教員の定年退職が進み、学校は断然若い教師が多い。

彼らは素直でいい子たちが多い、言われたことに従う。

1995年前後に生まれた若い人たち、自分の感じたことより周りに合わせ、学校生活を送ってきた、親の生き方、社会の風潮の影響を受けて育ってきた、そして学校の教員になろうと思う、自分の受けた教育をよしとする若い教員なに当然でしょう。そこで、ガンガン管理職に意見をぶつけ、文句を言うセンパイたちを見て目から鱗、目覚めていくのでしょうが)

 

学校現場で規則、校則の強化が進んでいる感じがする。

福井、岐阜、愛知で無言給食、無言清掃がはやっている。

福井が学力テストが上位で黙働を推進、効率がいい、学習効果も上がるということで広まったとか聞く。

1977年私が柏で教員になった年、管理教育の千葉で黙働推奨されたかなあ。あの頃は管理教育に反対する親たちの運動があった)

 

2025年度学習指導要領改訂で、道徳の22項目に「天皇敬愛」項目が付け足されるのではないかと危惧している。

 

 

前川さんは率直な語り口で、お話が巧みで2時間近く、みなさん引き込まれてしまいました。

元文科省初等中等局長の前川さんに、職員室に入るとき子どもに初年兵紛いのふるまいをさせる規則、おかしいなと思う感性を励まし、道徳教育に当惑し悩んでいる若い教師たちの味方になり勇気づける、教員を元気にする塾を立ち上げてほしいと思いました。

 

若い教師たちが生き生きと楽しく子どもたちと学び遊ぶ場に学校をしていってほしいです。

かって文科省の官僚中野重人さんは「楽しくなくては学校ではない」と言い切ったではないですかとメールを出してしまいました。

 

-Ka.M- 

 

 

 

 

 

 


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