郷土教育全国協議会(郷土全協)

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東京電力株主代表訴訟―史上最高額の判決

2022年08月27日 | 日記

   福島原発事故について、当時の取締役だった勝俣恒久(会長)、清水正孝社長、武黒一郎フェロー(技術名誉職)、武藤栄副社長・立地本部長、

小森明生常務原子力・立地本部副本部長ら5人を被告5人に対する株主代表訴訟について、東京地裁は7月13日、小森明生氏を除く4被告に対して、

「連帯して13兆3210億円支払え」という判決が言い渡した

これについては仮執行宣言が付され、控訴があっても直ちに取り立てられる。

株主側は東電に対し、直ちに取り立てるよう請求したが、東電は応じていない。

この訴訟については、原告・被告双方が控訴している。

 

 

1 提訴に至る経緯

福島原発事故を受けて2011年11月14日、市民有志が東電監査役に対し歴代経営陣への「損害賠償請求訴訟」を起こすよう請求。

東電監査役が「提訴しない」という結論を受け2012年3月5日脱原発の株主たちが、会社に代わって上記5人を被告とし、

津波対策を怠り会社に莫大な損害を与えたとして東京地裁に提訴した。

 株主代表訴訟とは、役員が会社に与えた損害賠償請求を会社に代わって株主が行う訴訟である。

勝訴しても株主には支払われず会社が取り立てる。今回の東電訴訟の場合は、被害者への賠償金に使われるだろう。

3.3兆円の請求だった、株主代表訴訟は、請求額に関わらず訴訟手数料が一律1万3千円と定められ、提訴が容易になっている。

 

2 提訴

 この訴訟の争点は、福島事故の時の全交流電源喪失の原因となった巨大津波を予見できたか、事故を防ぐことができたかがであった。

これらの点について、東電は津波による事故の可能性については、社内での試算報告を受けながら、

安全対策の実質責任者であった武藤副社長が対策を先送りにしたのは「社内の専門部署の意見に反する独自の判断」であったとした。

さらに勝俣氏ら最高責任者らも武藤氏の判断について確認する義務があったとした。

被告らは試算結果について知らなかった等と述べているが、2008年6,7月の被告らの出席する会議で当面の対策をしないことが決定されていたのだ。

事故防止についても、主要建屋や重要機器室の津波対策を行うことはでき、重大事故を避けられた可能性は十分あった、とした。

 

3 判決

 

4 13兆3210億円の賠償金支払いについて

 経営責任者には業務上の賠償金支払いについては、会社役員賠償責任保険がある。

被告らも加入しているであろうが、支払いの最高額が10億円くらいである

また多くの保険会社の保険では、「汚染物質の流出」や「核物質の危険性」は支払いの対象とならない。

さらには「環境汚染賠償責任保険」というものあるがこちらも「原子核反応、原子核の崩壊」は支払われない。

 仮に支払われるとしても、一人当たり5兆円もの金額をカバーするのは難しい。残額は個人負担となる。

もちろん、破産・免責申立をして逃れる方法はあるだろうが、彼らはほとんど財産を失うことになる。

 

 

 原発へのテロ防止が問題になりつつある。

しかし、これらの責任保険は戦争、変乱、暴動、騒擾により生じた損害についても支払われない。

やはり民間会社にとって原発ははやく止めた方がいいものだろう

 

 

この訴訟がほかの電力会社幹部に与える影響は大きいだろう

 

 

(写真:共同通信より)

 

-K.M-

 


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