よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

consultanto

2011-05-18 17:06:28 | 建築コンサルタントとは。

私が18年前この事務所を立ち上げたとき、構想は出来上がっていた。

設計事務所としては出したくなかったし、そんな風貌もない。
どうも設計事務所は堅苦しい感じがあり、しこしこと図面を書き満足出来る性格でもないことは分かっており、現場に出て指示を出し打ち合わせをし、高い目線からではなく、職人達と同じ目線で住まいを考え、作りたかった。
構造計算事務所を経て、設計に行き、それから現場監督を8年経験し
大手ハウスメ-カ-で4年営業を経験した。

本当は事務所を出す夢は持っておらず、大きな会社で定年まで勤め上げ、退職金をもらい、年金をもらい人並みの老後で十分だとおもっており、若いうちに資金を貯めようと手っ取り早く技術屋の世界から営業の世界へと移った。

これは、単純にお金を稼ぐ為で、売り上げをあげれば歩合がつき、
預貯金を増やす事が出来ると考えた。
今から22年も前の営業マンは建築の事は全く分からない素人達の寄せ集めで、散らしを配り、建てそうな人がいれば、毎日のように訪問し
売り上げを伸ばすために奮闘していた頃でした。

セ-ルスエンジニアが営業の世界でどこまで通用するかも試したかったし、年収も1000万を超えることを目標にした。
看板とはすごい物で、大手ハウスメ-カ-の看板を背負い、一級建築士という肩書きを持ち、打ち合わせで即興プランとスケッチを描くと
お客さんは感動し、信頼を得、ほかの営業マンが夜な夜な通い続ける折、私は何の苦労もなく誓約に結びつける事ができた。

セ-ルスエンジニアは通用するどころか大きな武器となり、入社した
○○ハウスでは、一年目で2億円を超す売り上げとなり、どこで聞きつけたのか、○○○林業からヘッドハンティングの声がかかり、翌年その会社に移籍することになった。

大きな武器を手に、年間12棟以上を売り上げ、年収は1200万円を超え、夢は叶えられたが、年収が増えただけで充実感はなく、人生観さえ変わることはなかった。
増えるのはストレスばかりで、1千万以上の年収を維持するための
ノルマと、営業の世界の人間関係と、何よりも大きなストレスは、
お客様の要望に答えることは難しく、決められた枠の中でしか
答える事が出来ず、その枠を超えれば予算はいきなり膨れあがった。

どのハウスメ-カ-にもオプションがあり、そのオプションの中の
費用は高く、普通なら5万円もあれば出来る工事でも、10万円以上の予算となる場合があり、お客様には出来るだけオプション工事を
避けるよう説得せざるを得なかった。

展示場ブ-ムの時代でもあり、日曜、祭日には30人、40人とお客が訪れ、その中から建てそうな人を見つけ出し、その日のうちに説得し、
中には、申込金を払っていくお客様も少なくはなかった。

一ヶ月のうち実働10日働けば売り上げは確保でき、年間ノルマを
達成することが出来たが、所詮技術屋が染みこんだ考えは、お金で
消し去る事は出来ず。
作り出す喜びはなく、自分の中で一級建築士がひょっとすれば、一級詐欺師になってしまうんじゃないかとさえ思い始め、40歳を期に技術屋の世界に戻る事を決たのだった。

確かに、営業の経験は私の人生観を変え、一般ユ-ザ-が家を建てたいと思ったときの行き場所がない事に気付かされた。
一式工事ばかりの見積金額、数量の提示も殆どなく、高いのか安いのか検討するにも、その項目すら載っておらず、本体工事費2000万円
オプション費用600万円、諸経費150万円・・・と書かれた見積書で
お客様達は何の疑問もなく契約書にサインしはんこを押した。

2000万円の家も、3000万円の家も、殆どが新建材とクロスで仕上げられ、遊び心はなく、個性も出せず、メ-カ-の団地に入れば、どこが自分の家か分からなくなるんじゃないかとさえ思える個性のなさ。

事務所をコンサルタントとして出すには少し抵抗があった。
しかし想いは、「本当はこの金額で家が出来るんですよ」と伝えたいと言う想いが強く、自己資金と長年の住宅ロ-ンを背負い、
夢の住まいを作ろうと一生懸命になっている人に、見積もり書を原価で出し、施工業者にも施主の立場で考えることの出来る、駆け引きのない環境を作り、家造りに集中してもらいたいと、工務店経費もお客様に見えるようにオ-プンにした。
18年間を振り返って見たとき、クライアント様から「工務店経費を少し安くしてもらえないか?」と言った人は誰もいなかった。

このように、敷居の高くない、職人とお客様と同じ目線で家造りを考えているコンサルタント事務所が、ここ和歌山に存在することを広めるのを今年の課題としている。

 

 



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