斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

新日鉄住金君津製鉄所見学

2015年10月17日 01時02分01秒 | 企業訪問記
公益財団法人長岡技術科学大学技術開発教育研究振興会主催の工場見学、新日鉄住金君津製鉄所見学会が10月13日にありました。君津とは、千葉県の東京湾沿いで、羽田空港から国内線に搭乗すると、よく上空を通ります。

当日は秋晴れの良い天気で、東京駅からアクアラインを通って製鉄所までまっしぐらでした。途中、レインボーブリッジから都心方向を写真に撮りました。また、アクアラインからの景気も素敵でした。
  

5-6年前に訪れた時と、製鉄所の景色が変わったので、案内の方にお聞きしたら、見学の受付が2010年ころに移転したとか。新しい本館です。昔のイメージと全然変わったのでびっくりでした。
 


熱間圧延工場と第4高炉を見学しました。

熱間圧延とは、真っ赤に加熱された鉄の塊をロールでプレスして徐々に薄くしていく工程です。最後は薄いロールコイルになります。工場の様子を20mくらいの高さから見学しました。高所恐怖症の人には結構きついかも。そもそも、工場の外でその高さまで上がる階段は目の高さから向こう側が見えてしまう。見てしまった瞬間、高さに驚いて、足がすくみました。その高さのままで工場内部へ。

まず最初に見たのは、巨大な窯。扉がゆっくり開くと大きな鉄の塊が黄色く光りながら出てきます。その鉄からの熱気がすごい。外は涼しかったのですが、スーツの下から汗が吹き出しました。スラブと呼ばれる塊だそう。

このスラブが縦横とたたかれて、幅を調整されて、だんだん薄く長くなっていきます。成分も幅も長さもそのたびに違うそうです。まさに一本一本手作りといった風です。最終的にコイルになると、自動車の車体になったり、冷蔵庫外側になったり、いろいろなところに使われます。

次に世界最大級の第4高炉に向かいました。
こちらは写真撮影OKです。高炉を背景にヘルメット姿で。


高炉では鉄鉱石とコークスを化学反応させて銑鉄を作ります。2年生の基礎無機化学で教えているので、現在の技術をしっかり勉強しました。高炉で還元されて溶かされた鉄は、スラグという不純物とわけられて、スラグはスラグカ―に、銑鉄はトーピードカーに乗せられて転炉に向かいます。

これがトーピードカーです。


トーピードとは魚雷で、そんな形をしているということだそうです。この形だと熱が逃げにくいので、ドロドロに溶けた鉄を運ぶのによいとのこと。高炉を写した雰囲気がノスタルジックです。
動力車は気動車です。こちらも年季が入っています。


動画でも撮影したので、そのうちユーチューブにも投稿しようと思います。

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