送り盆 報恩会(ほうおんえ)のお誘い
お盆の時期が到来しました。お盆はご先祖さまをお迎えし、報恩の心を意識します。今年も「報恩会」法要に参加して心を増長しましょう。
昔、私の寺にも縁側がありました。座敷(内(うち))でもなく、庭(外(そと))でもなく、まことに「奇妙」な空間であります。
迎え火・花火・お月見のおかざりなどよく使われました凉を求めて身を縁側に置くなどすれば、そこには家人の声・音もなく、あれこれ回想したり、静けき「忘我」のひと時も自在でありました。
高浜虚子の句に
「風が吹く 佛來給(ほとけきたもう)ふ けはひあり」
作者も、こんな空間に身を置かれたに違いない。軒の風輪が一、二度音を出したか、座敷の盆棚のお灯明が少しゆれたのか、突然に「微(かす)かな風」が感じられ、身辺幽(かす)かな変調に、父が、母が到来、戻り来られた気配と想い、先祖は、今茲(ここ)に、共におわしますとの確信を建立せられたのでしょう。
この確信は、頂戴した慈恩・悲恩へと無量に増幅します。五感に受けた「微かな風」が、感謝を生み、「慟哭(どうこく)の風」となって強く心中に吹いたのだと想へた。さればこそ、上(じょう)五(ご)の句に、「吹く」との強い表現をせられたに違いない。私はかく釈し、ありがたい涙を頂戴しました。
このお盆、共に報恩の心を増長しましょう。
水澤山真福寺
歴史秘話ヒストリア「北の大地に夢を追え~“北海道”誕生の秘密~」
「北海道」の名付け親・松浦武四郎。幕末、北の大地“えぞ地”を旅した武四郎は、異なる文化を持つアイヌの民と出会う。「北海道」の名に秘められた愛と悲しみの物語とは。
番組内容(NHK1ch 6月24日放送)
明治時代、それまで「蝦夷(えぞ)地」と呼ばれていた地を「北海道」と命名した男がいる。三重県出身の旅好き・松浦武四郎だ。アイヌの人々の優しさと知恵に助けられながら各地を旅する武四郎。しかしやがて、武四郎はアイヌの人々がおかれている厳しい現実を目の当たりにすることになる。武四郎は「蝦夷地」から「北海道」への改名を新政府に提案。そこには、アイヌの人たちとの共生を目指す武四郎の熱い思いが込められていた。
私が興味を持ったのは天地開闢 (アイヌ神話)。アイヌは文字を持たない。どうも「日本宗教の源流」という講座の流れでつい番組を見てしまう。番組の説明はあとにするが、自然の中に神を感じるアイムについてちょっとかじりたい。
ここでは、アイヌ民族における天地開闢(てんちかいびゃく)と国造り神話について説明をする。
以下は、1858年(19世紀中頃・本州の時代区分でいう幕末)の夏に、タツコプ・コタン(現夕張郡栗山町字円山)の83歳になるエカシ=おじいさん(1775年前後の生まれ)が松浦武四郎のために夜通し炉辺で詠ったユーカラを記録したものの現代語訳である。
一番最後でびっくりしたのは、松浦武四郎の晩年住んだ家が三鷹にあるということだった。知らなかった。調べてみると非公開で、ICU大学の中に保存され、学祭の時のみ公開されるという。今年は是非見なくてはいけない。