みなみの梅やん介護日誌/とくしまの山と介護福祉

アルツハイマー認知症になった母親・みなみの梅やんが12年目を迎えての物語。とくしまの山の暮らしと地域包括ケアを書く。

みなみの梅やん介護日誌 5月1日午前11時1分。

2023-05-03 09:30:00 | 日記

梅やんは午前9時55分に上那賀病院に着きました。私は、受付で名前を書き、用意してくれたストレッチャーに梅やんを抱き上げて乗せました。救急室へ運び、直ちに処置が行われました。私は若い医師に在宅で酸素療法をしていたことを告げました。点滴注射で血管を確保しながらCT撮影をするために梅やんがストレッチャーで2人の看護師に連れられていく姿を私とチイ叔母が見送りました。
まもなく、私とチイ叔母は放射線室に呼ばれました。寝たままで撮影の準備に入る前に梅やんの呼吸が停止しました。苦しむことなく寝ているように力尽きました。ああ、明日からのするべきことの予定がなくなってしまったのだ。私の中から張り詰めていた気持ちが遠のいていくのでした。「午前11時1分です」佐古先生が静かに告げてくれました。


「のど紅き つばくらめふたつ はりにいて たらちねの母は 死にたまふなり (斎藤茂吉) 」

瀬津
昭和4年、1929年8月25日、梅やんは徳島県木沢村の瀬津の中川梅子として生まれ、2023年5月1日月曜、午前11時1分にその一生を終えました。93歳と8ヶ月でした。
それでは今日はこの辺で。