三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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神・呪術系3

2004-12-01 05:20:57 | モンスター映画
 ■日本誕生■ 180分て尺に恐れをなしてずっと敬遠してたこれ、やっと観てみたらやはり名作。これだけの長さは必要でしたな。同題材の『ヤマトタケル』(神・呪術系1参照)と比べると、ストーリーと人物で勝ち、モンスター度で負けといったところですか。なにせオトタチバナとヤマトタケルがこちらではきっちり死ぬし、クマソ弟の役割も効いてるし、天岩戸の前で踊る乙羽信子がストリップに至らなかったのとヤマタノオロチの出番が短かったのとヤマト帰還直前のチャンバラが長すぎたのは残念だけど、マグマ噴火をバックに白い鳥飛び続けるの絵なんか決まってましたしね。あとまあ、宮廷のその後を省略したのは正解でした。なによりかにより、平田昭彦、水野久美から久保明、小杉義男に至る東宝怪獣映画レギュラーが勢揃いしてくれただけでも満足しちゃいましたのでね。ただもひとつ欲を言えば、スサノオノミコト役のほうの三船敏郎の表情をもっとじっくり見せてほしかったかな。
 ■女陰陽師 淫鬼降臨■ このシリーズは本来オバカ系筋だけど、いちおうシリアスに徹しているらしいので内容に即して分類しました。中学生日記みたいな台詞・言動とR指定シーンのミスマッチ的半融合がど~しょ~もない極チープさを醸し出す。モンスター的唯一の見せ場は女体内に男が吸い込まれてゆく場面だったんだから、解決と同時に生還しちゃダメでしょうが。どうなったってかまわん程度の男だったわけだし。けどまあストーリーが単純すぎるのが幸いして御都合主義的符合はさほど気にならなかったかな。
 ■女陰陽師 淫魔受胎■ 主演の女の子、発音が全然ダメじゃん。口もと見てると一気に萎える。可愛いのに惜しいな。チープさは相変わらずだが、祈祷のセッティングはパワーアップしてるし呪文デュエットに狐面にビーム合戦に、呪術的ムードは前作の3倍増。しかしまったく、意味ない返事や相槌ごとの交互の顔映しなどテンポ最悪、そこを流せば前作同様70分以内で収まったと思うよ。
 ■女陰陽師 精妃封印■ あぃたたた、ダミだわこれ。チープなりにかろうじて水準をクリアしていた女陰陽師シリーズの平均値を暴落させちまった。テンポ悪すぎてこれ、中途半端な恋愛的台詞も聞かれたもんじゃないしその他諸々あえてコメントする気になりませんな。
 ■女陰陽師 陰魔侵蝕■ あ、良い、素晴らしいですよこれ。最初っからディスコと祈祷が交互に現われるシュールな映像が引き込んでくれたし、なんといっても土蜘蛛のお姉さん。耳なし芳一状態の人柱さんに対し執拗な耳舐め攻撃で取り崩してゆくシーンなんかほんともう、勃起せざるをえませんでした(あのお姉さんの写真集を即日Amazon.co.jpで注文いたしてしまいましたョ)。適度にモンゴロイドな色香が何ともたまりませんね。女性陣のクオリティが一番高いのは断然この4作目でしょう。しかし男がな。ああいう中途半端に頼りない男じゃなくて、思いっきり不細工か思いっきりカッコいいかどっちかにすればよかったのに(でも童貞が一つの必要条件でもあったわけであのくらいが適役か)。いやぁ、抑えたコメディぶりも美味しかったな(主演の美少女――女子高生と常夜見の二役? 別人かと思って観てたけど……――も特典映像の中で言ってましたでしょ、鳴神のおっさんがしょっちゅう笑わせるので真顔で演技するのが大変だったと。そう、私ゃ普通は見ない特典映像を全部見てしまったんですよこの作品に関しては。たった15分だったこともありますがね、でもそれだけ気に入ったってことです)。ときおり極近過去回想シーンが無意味にくどかったのを除けば、テンポよくて呪術的雰囲気も一番濃く出ていて、しかしラスト、蘇ったのが聖徳太子じゃなかったのは一目わかるとして、でもあれが「ただの鬼」はないと思うぞ、あれが。そんな微ナンセンスぶりも含めて、ああ面白かった、ホントこのシリーズでこんな小傑作に出会えるとは期待してなかったんですごくトクしました!