三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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コンタクト系3

2004-12-20 00:24:27 | モンスター映画
 ■惑星ソラリス■ え? これ? そりゃあ立派なモンスター映画ですとも、ソラリスの海っつったら歴代全モンスター中最強だしね、バルンガかソラリスかっていうくらいで(爆)。ゾンビでもゴーストでもクローンでも幻覚でもない蘇生死者は断然モンスター固有種だし(レイ・ブラッドベリの『火星年代記』の死者たちより不完全な再生なので却って一層おっかないとも言える)。旦那と一瞬でも離れるとパニックになって金属ドアぶち破っちゃった奥さんの図とか、やっぱ怖くてロケットで奥さんを宇宙空間に放り出しちゃった旦那とか、まあアクション風シーンもあるにはあったけど、全体やたらおとなしすぎたなあ。海の俯瞰は幻想的でいいんだけど、基地内部と海とが完全に視覚上分断されてて、一度もインターフェイスが映らなかったってのはSFとして致命的とも言えそうな。いや、名作の名に恥じぬ格調高さ(ハリウッドみたいなドラマチックBGMが皆無なのも高級感アップ!)と堂々シュールなラストだっただけにホント惜しい。
 ■モンキー・シャイン■ ちっ。もろハッピーエンドかよ。わかってりゃ観るんじゃなかったわ。登場モンスターったら人為的に高知能化させられたとはいえしょせん小ぶりの介護ザル、思いっきし陰惨結末になだれ込んでくれなきゃモトが取れねえでしょうが。でもまあ猿の演技はなかなかでしたよ。最初に殺すのがインコだったりするあたり手順を踏みすぎてたけど。まあ車椅子男が猿を情で引きつけて抱擁の瞬間一転かみ殺す!てえ『ガス人間第一号』まっつぁお的決着は、人間も立派な猛獣なんだよなと、そういえば猿and車椅子男の交流ペアの犬歯がほぼ同型であることを見せつけるカットが多かったよなと、なるほど伏線として利いていたわいと感心いたしました、はい。
 ■コミュニオン 遭遇■ うーむ、なんともフヌケた映画になっちゃった原因は、ひとえに「実話かも」と思わせようとしたアザトさにあるな。脚本書いた小説家自身の体験とやら、本はベストセラーになったらしいが映画じゃそうはいかないさ。それでも黒コビトたちのおかめ型ひょっとこ型いろんな顔は楽しめたし、目の大きい肌色無機質人のほうは「なにこれ、マネキンじゃん」と思いきやマスク剥がした下にうっぁぁぁ爬虫類的奇っ怪口吻が……、てわけで見どころなくもなく真面目くさった憂鬱チラリズムもあと5ミリ寄ればいいとこ突きかかってたのだが――やっぱ全般ハズレました。結局誰も死にゃしないし傷つきすらしないし。実話かどうかなんて文字情報ならぬ映像的価値にゃ一切関係ありませんての、ッたく。酷似モチーフでは『スピーシーズ・リターン/種の終焉』(陰鬱ホラー系1参照)の後味最悪の救いなき徹底ぶりを見習ってほしいよ。
 ■さよならジュピター■ あのね、だからそーじゃないでしょ? A級やるつもりなら宇宙船映像んとこだけじゃなく人間ドラマ部分もA級ぽく決めなきゃ。会うなり殴りあいを始めるマッチョな友情やら、幼なじみが再会するやいなやセックス始めるやら、自然礼賛系の挿入歌が何度も入るやら、ほとほと暑ッ苦しいんですよねこの映画。歌いたいってなら『ゴジラ対ヘドラ』(不定形(ドロドロ・ネバネバ)系1参照)のオバカ公害告発歌の方がまだましだったかも。ジュピター教団の破壊工作員らも最後どうやってあんな枢要な作業船に乗り込めたのか不明だし、木星と月とでリアルタイムの超光速通信できてるメカも不明だし、地球いや太陽系の危機ってならせめて『妖星ゴラス』(サバイバル系1参照)程度のリアリズムは見習ってほしかったよ。で結局、あのジュピターゴーストとやら、超巨大生物だったわけね? イルカっぽい生命体? て解釈しうるゆえにこれ、モンスター映画の仲間入りと。べつに邪魔じゃないよね。