三浦俊彦@goo@anthropicworld

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オトイアワセ:
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大怪獣(ゴジラ除く)系4

2005-07-10 16:37:16 | モンスター映画
 ■怪獣ゴルゴ■ ほほう……、ほどほどの大きさ、適度な強さで、このくらいのサイズが一番リアルだわい、と感心しかけていたら、なんと幼獣だったとはな。10倍体格の巨大親登場以後の都市破壊シーン観るに、やっぱドデカイほうがいいよな怪獣は、とあっさり感想転換。もとより親子そろって着ぐるみのぎごちない動きは日本の怪獣映画に親近性たっぷりで妙にほのぼの楽しめるが、畏怖の念もじわじわと。うむ、こりゃあ1960年という限界の中では最高度の特撮をフル全開しとるぞ、すげえすげえと私ゃ拍手惜しまず。かなり単調な子ども奪回モチーフだが、人間の子どもの感情移入なんかも描かれて立体的になってる。軍、とくに戦闘機のたぶん実写と地上着弾場面とのチグハグが惜しまれるが、こんだけスペクタクルを楽しませてもらえたんだから文句言いますまい。これを元ネタとした『大巨獣ガッパ』に比べて、親子再会時の安っぽいメロドラマなんぞ抜きでやってるので、都市炎上を背景としたラストシーンながら爽快感ある仕上がりで引き締めてました。しかしイギリス映画って、都市破壊場面が得意みたいだな(ほら『スペースバンパイア』とか)。ロンドンはずいぶん破壊の憂き目にあってるからね。いや今回のテロとかじゃなくて、大戦中の空襲とかV2とかさ。
 ■幻の大怪獣アゴン■ トホホ映画とはこれのことだろうか。まあオバカ系として開き直ってるわけじゃなし、単にストーリーが滅茶苦茶なだけ。登場人物レベルが低すぎるというか少なくとも主役らしき新聞記者にはもうチョイましな男を使えよというか。女はまあまあ可愛かったけどしょーもない科白ばかり言わされてるのが可哀想でした。倒れた木の幹に足はさまれるという超定型を真顔で演んなきゃなんないてのも気の毒だったし。しかしねえ。記者が「スッポン」て名乗りさえすりゃ特別扱いしてもらえるのかよ、たかが麻薬取り戻すために濃縮ウラン盗み出すかよ、だから東海村からはるばる来なくたってすぐ近くにウランあったはずでしょうが、麻薬喰わせてアゴンが死ぬって誰が決めたんだよ、そんな場当たり的作戦を誰が許可するんだよ、等々もうどーしょーもないツッコミどころ以前の破綻が目白押し。アゴンもちゃんと火ぃ吹いてないしさあ。自衛隊の武器の実写とアゴン周辺のオモチャの落差激しすぎるしさあ。テレビ映画だから仕方ないとか言ってられるレベルじゃないねこれ。ただ、一つだけ大変すぐれたところがあります。全映画中最高ランクにきてるのが。それは音楽。音楽というかバックグラウンドサウンド。ありがちな物々しいメロディじゃなくて、終始アンビエントサウンドっぽい何つうかとにかく私好みの延々系前衛音響。うむ。あれだけはよろしかったね。ムードをサポートしてショボすぎ特撮の格調を可能なかぎり引っ張り上げてくれました。