三浦俊彦@goo@anthropicworld

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サバイバル系2

2005-07-27 04:45:10 | モンスター映画
 ■ドーン・オブ・ザ・デッド■ どひゃー。怖えなーもー、ゾンビが全力疾走してくんのかよ! オリジナル版のファンは文句言いそうだけど、動き速いほうが怖いに決まってるよね。ゾンビらをボッコボコ車で跳ね飛ばしてるしこっちも容赦しないよねこうなったら。いっぱい頭吹っ飛んだしね、かと思うと向かいの屋上と双眼鏡筆談でチェス指したりゾンビ射撃ゲームやったりするノドカさったら、スプラッター・アクションの基本と極端な対照をなしてて愉快。しかしほらー、せっかく赤ちゃんゾンビが生まれたんだからさー、あれをこそチョコマカ動かして煽ってほしかったよ、『ブレインデッド』(コメディ系6参照)やれとは言わんけど。画竜点睛を欠くとはこのこと(ただし作品的には『ブレインデッド』よりこっちが上かも)。いやまあ、なんだかんだメジャー映画の格なんで、赤んぼにそう残酷な扱いはできなかったんでしょうな。殺すとこも銃声だけだったしね。ああやって細かいスプラッターをセーブしちゃっちゃあショッピングモールに立てこもるまでが一番よかったと言わざるをえませんね。冒頭20分のスピーディさときたらありゃ映画史に残る高濃度スペクタクルでねえの? いきなり本番に突入してくれた説明欠如モードが嬉しくて。エンドクレジットにぐだぐだと余計な映像くっつけてくれたのはさすがに有難迷惑というか、もうチョイやりようはなかったかと。あれじゃあ予期に比してなんの情報も付け加わらず――映像アートとしちゃなかなかのエンディングだったけどね。
 ■28日後…■ これもまた全力疾走ゾンビか。一割程度お笑い含みだった『ドーン・オブ・ザ・デッド』版疾走ゾンビの動きに比べ、こっちはひたすらシリアスですな。そのぶん顔もコワイよ。うん、でまあ、スリリングな出だしが楽しめはしましたがね、なんちゅーかなァ、ストーリーがああも荒唐無稽だと感情移入できないですわ。いや、ナンセンスものだったらいいんですよ、しかしこれシリアスだからねぇとことん。どこが荒唐無稽って? だってほら、ゾンビどもから命からがら逃げてきた目当ての地で軍隊の保護を受けるわけさ、で兵士たちに姦られるのがやだっつってゾンビの只中へ逃げ戻っていきますか普通? いや正確にはそうじゃないな、ナイトが未成年女子を救おうとしたんだよな、でも所詮は二人の女を独占しようとした構図ね、本音的つうか結果的には。俗っぽい理解ですいませんね。だけどそれ以外の何事でもないでしょ? だからってあんな超人的な頑張り見せんでくださいよ、ジム君たら。ちょっとは情況考えてさ、野郎ばっかじゃ未来はないってのは司令官の言うとおりなんで、女性陣としても少しゃ我慢してもらうくらいできませんでしたかね? とまあ私の言いたいことは、ああいう実質レイプからの脱出が優先されたせいで、せっかくのテーマたるゾンビ化ウイルスの恐怖が矮小化されちゃったってこと。第二次大戦末期のドイツ女性の間でもこんな言葉が流行ったそうだ、「頭の上のアメリカ人より腹の上のロシア人」。つまりこっぴどくレイプされようとも、こっちの顔も見ないでドカドカ爆弾を落としてゆく爆撃機のほうが怖い、ってことさ。そりゃそうだよね。この映画もそのくらいの精神でゾンビパニックやってほしかったよ。しかしまあラストもなんか都合よすぎというか、なんか3人とも喜んじゃってるけど、またどっかの軍事施設に迎え入れても同じことの繰り返し、とは考えないのかね。覚悟が足りないとどこへ行ったって苦労すると思うよ。あ最後に一つ。綺麗な景色のシーンでBGM、よく合うからってブライアン・イーノの『アポロ』を安易に流用しないでくだせい。
 ■ゾンビ■ これは古き良きノロノロゾンビの群れ。普通に面白かったナー。後のゾンビ映画のテーマセッターに位置する古典だけあって、哀愁漂っとるわ。面倒なイントロなしでいきなりゾンビパニックが始まってるってのも無駄がなくて嬉しいし。だけどあんなんゾンビらに捕まっちゃうのって、よほどの間抜けでないとありえんぞ。全力疾走ゾンビと比較して観ちゃってるせいもあるけど、後半に雪崩れ込んできたナラズモノ集団見ても、ゾンビよか人間のほうがよっぽどタチ悪いんだよね。それにしてもあれしきのゾンビと一対一で向き合って逃げるだけってこたないでしょうが、女は。いくら妊娠してるにしても。ちょっと男らに頼りすぎてないか。えーとこの映画、『エイリアン』でシガニー・ウィーバーが肩肘張った前年くらいの映画か。女をやたら勇敢に描く映画もどうかと思うけど、ゾンビ一匹相手に絶体絶命はないと思うよ、いくらなんでも。あとまあ、4人のうち2人が脱出ってのはどうもね。もうちょい倍率高くしといてくれないと。あ、愚連隊がかなり死んだからよしとするか。
 ■死霊のえじき■ ノロノロゾンビたちの続編ね。これも普通によかったナー。全力疾走ゾンビの怖さにゃ相変わらずかなわないけど、やっぱ哀愁がね。コンタクト系混じってるし。不気味さも。しかし前半はどーも人間サイドがゆでだこ状態の言い争いばっかやっててかったるいんだな。あんまり始めから対立せずに徐々に衝突してくれたほうが。そもそも司令官は簡単に科学者サイドを殺しすぎでしょうに。いかにゾンビワールドで苛ついてるからって、リアリティ乏しかったよね。しっかしまあ、後半の盛り上がりで一気挽回してくれました。顔が半分すっ飛ぶわ胴体は内臓引きずりまくりで真っ二つだわ指は噛みちぎられて血ピューピューだわ、正統派のスプラッターがしっかり押さえられててなんというか変な言い方だけど安心してゲゲッとのけぞることができる。啓蒙されたゾンビ氏にわりー奴が追いつめられてゆくとこはすっきり。ラストがちと納得ゆかんけどね。のどかすぎて。つうかああもたびたび夢オチ乱用しないように。なお、私にとって一番気になったのは、冒頭にお目見えしたワニ君とカニさんたちでした。