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「伊藤恵ピアノ・リサイタル」に行く

2023年05月02日 | クラシック音楽

紀尾井ホールで開催された「伊藤恵(けい)ピアノ・リサイタル 春をはこぶコンサート ふたたび ベートーヴェンの作品を中心に」に行ってきた。今日は2階の第1列目、5,000円の席。客席数は全部で800席、9割弱埋まっていた。この席から見える舞台の感じは下の写真の通りだが、手すりが目線に入るのは仕方ない。

今日の彼女は薄いピンク色のドレスを着てステージに登場した。今日の曲目はすべてベートーヴェンのピアノ・ソナタだ。

ピアノ・ソナタ第8番ハ短調Op.13「悲愴」
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op.27-1
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調Op.27-2「月光」
ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調Op.57「熱情」
ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調Op.81a 「告別」

曲目のうち13番は初めて聴く曲だが、それ以外はあまりに有名なベートーベンのピアノ曲であり、私も大好きな演目だ。聴いていて飽きることがない、何度聴いても良い曲だと思う。

最後の「告別」を弾き終わると彼女がマイクでお礼の挨拶と今日の演奏などについて語ったのはよかった。演奏会では演奏者や指揮者は聴衆に向かって思いを話してほしい、ファンサービスでもあるし、聴衆との距離を縮めるものだ。今日の話では、今日はもうこれ以上弾けない(全力を出し切った)と述べた。これだけの曲を一気に弾くのだから当然だ、「熱情」を弾き終わり立ち上がるときに、もうふらふらした感じだった、女性ピアニストにとってはハードなプログラムだったと思う。今日はアンコールなしで当然だ。

また、彼女はピアノ奏者であるとともに芸大などで20年以上後進の指導もしていると述べていた。奏者と指導者と両方を20年もやっているのはたいしたものだ。今日はゴールデンウィークの初日でもあり、彼女の生徒や関係者が先生の演奏を聴きに来ているのだろう、若い女性の姿が目についた。立派な手本を示せたと思う。

最後に彼女は、来年はピアノ・ソナタの最後の3曲に挑戦したいと宣言した。期待したい。

さて、今日の演奏会では、演奏会終了後のカーテンコールの時のみ写真撮影できるとホール内に掲示してあった。これは良いことだ。ただ、今日は誰も撮影していなかった。もっと積極的に宣伝してほしい。ホームページに事前に出すとか、1階と2階の両方の目立つところに掲示するとか、館内放送で言うとか、紙の配布物に入れるとか。ファン・サービスに対するより積極的な対応が望まれる。

ただ、念のため述べると、今日の公演は、奏者によるトーク、一定の写真撮影の許可、プログラムのある説明パンフレットの無料配布など、ホール、奏者などの関係者のファンサービスの姿勢は高く評価できる。



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