ケーガンの仮説は内向的と呼ばれる人の脳の扁桃体は感度が強く未知なるものに反応しやすいという事を説いています
扁桃体は感情脳とも呼ばれ、恐怖やストレスを感じるホルモンを分泌させるところです
基本的に扁桃体の感受性は遺伝(もちろん成長期の環境も関係する)である程度決まっていると言われるので、赤ん坊の時期から「高反応」を示すのも納得です
刺激を感じると扁桃体は反応し、心拍数に影響を与え瞳孔は拡がり、ストレスホルモンが分泌されます
動物だって外敵から身を守る為、危険をいち早く察知したら一目散に逃げ去るでしょう
しかし、調べてみたら、この時この動物は「食べられちゃう、怖い」
とか、そういった感情によって逃げ出した訳ではどうやらないようなのです
逃げ出すのは、ただ扁桃体が反応したからにすぎないから!
この動物が外敵を察知して逃げす行為というのは、扁桃体が反応し、働いたから!
だと言うのです
え?扁桃体って感情脳なんじゃないの??
って疑問が生じる気がしますが…、
扁桃体自体が恐怖の感情を生み出しているのではなく、扁桃体の反応によってその情報が大脳皮質に送られる事で恐怖感情が生まれるという事のようです
赤面症やスピーチ恐怖症、対人恐怖症
知らない場所での不安や知らない人への強い恐怖心、緊張もこれら扁桃体の働きからくるものだと考えられています
よく言われる"内向的"な人が、人をなるべく避けたり、一人で本を読んだりと、そういった時間を好むのは、過度な刺激から逃れる為でもあるのです
人が嫌いで避けているのではない
ただの心の問題だけで引っ込み思案になる訳ではない
扁桃体の感度が人一倍高く、刺激に対して過度に反応するストレスフルな状況で心安らぐ訳がありません
しかし、こんな扁桃体の働きの理解がなければ、自分でも訳が分からず、人嫌いのレッテルを自分自身に貼ってしまうかもしれない
更に…、酷い対人恐怖症へと発展してしまうかもしれません
内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力 | |
古草 秀子 | |
講談社 |