今日も引き続き最先端の認知行動療法のINDIGO塾的和訳です
最先端の認知行動療法ではどんなことをしているのか?ということを何となくでも理解してもらえたらと思います
前回の最先端の認知行動療法をINDIGO塾的に学ぶ①の記事のなかでは、
わたしの行動変容の過程を書いてきました
”偽りの回答をする”という行動から、”本音を言う”という行動に変わって来ている!ということについて書き、
最先端の認知行動療法を身に付けることで”まあいっか”と思えるようになってきた
そしてなぜそれが可能になったのかについて、
今日は解説していきます
前々回の記事マーガレットサッチャー?鉄仮面の女Lisaから学ぶ認知行動療法
の記事のなかでは、私の行動をABC分析にかけてきましたが
行動分析のABC分析では、
不快なし👉本音を言うという行動👉不快あり
不快あり👉偽りの回答をするという行動👉不快なし
という図式が成立していました
今回は、上記の行動分析によるABC分析ではなくって、
認知療法の視点から検証していこうと思います
認知行動療法のなかには様々な流派(?)があり、徹底的行動主義と言われる”行動”に焦点を当てたものと、
人の心、何を考え、何を思っているのかなどの、心の内面に焦点を当てる”認知”的なものに分かれているんです
(ややこしいのです…)
目に見える行動と、目には見えない人の内面で起きている事
それぞれ対象にしているものが相反し、全く違う!!ということが、認知行動療法の中には共存しているわけです
そして今日は、
目には見えない内面的なものを扱う、認知療法的なABC分析を行っていきます
以前に書いた行動療法のABC分析とは打って変わって、認知療法的なABC分析にかけると、
行動分析のABC分析とは全く別の見方が出来ることに驚きます
本当のわたしを相手にみせる(自己開示をする)👉出る杭は打たれる(というわたしの中にある考えや確固たる信念)👉自己開示するべきではない
人と違うといじめに遭ったり、集団からあぶれてしまうというわたしのなかの考えが、”自己開示しない”という結果に繋がっている…
分析の結果、そう考えることが出来きたとしましょう
この認知療法的なABC分析が、行動分析で行われていたABC分析とはまるで違うものであることに驚くと思います
認知療法のABC分析は情報処理理論とも言われています
なぜ情報処理理論と言われるのか言えば、
認知療法においては人の感情や思考をコンピューターの情報処理システムになぞって考えられているからです
Aある情報の入力👉Bコンピューター(PC)の情報処理機能👉C出力
パソコンの情報処理は、このような図式で成立していますよね←専門用語で言えば、プログラミングって言われるやつのことですね
これになぞらえて、
A出来事👉B信念、自分のなかにある考え👉C結果(感情や思考)
例を挙げると、
会議でのプレゼンを頼まれた👉また失敗して恥を書く…私にできるわけがない👉憂鬱、不安、心配。恐怖に四六時中捉われる
この人の頭の中には、
自分は何をやっても失敗する
わたしはダメ人間
このような、思い込みや信念が存在し、それがプログラミングとして組まれている様子が伺えます…
たとえ他の情報が入ってきても、このプログラミングを基に全ての情報処理のプロセスが行われ、結果が出力されていくわけです
(このPCは果たして正常と言えるでしょうか?)
”偽りの回答をする”というわたしの行動は、目には見えない内面的なところでは、出る杭は打たれる
(集団からはぶかれていじめられる、学校や職場に居づらくなるなどなど)といった、
わたしの中にあった勝手な(思い込みによる)信念が支えていた
このようにも言えるのです
そして、
”出る杭は打たれる”が何故いけないのか?
なぜ集団から浮いたらだめなのか?
と自分にどんどん問いただしていくと…
”みんなと違うわたしは価値のない人間だから”などといった、もっと奥深くに隠れている信念にぶち当たることになります
この信念によって、わたしはありとあらゆる行動を学習してきました
(この信念こそ、プログラミングの大本になっています)
価値のない人間に思われてしまわないように人に合わせたり、人に嫌われてしまわないように気を使って優しくしたり…
わたしが学習してきてしまったそれらの行動というのは、
嫌われたらお終いだ、わたしには価値がない
そういった情報処理のシステムに常に支えていたとも言えると思います
プログラミングに不具合、異常があれば、常に出力(結果)は間違ったものが出てきてしまうことでしょう
(それを時に人はうつ・不安障害などと名付けるのでしょう…)
さて、これで行動分析によるABC分析と、認知療法の情報プロセスによるABC分析
両方が出揃いました
行動分析では基本的に行動しか扱いませんので、わたしの心の中にある考えまでは介入できません
つまり、行動分析は内面で起きている心の問題まではカバー出来ないというデメリットがありますが、
認知療法では目には見えない内生的な心の中の問題を扱っていることが分かると思います
では、認知療法の方が万能なのかと言うと、決してそんなこともなく、
行動分析をしてみたうえで、行動から変える試みを行った方が良い場合もあります
少々やっかいなのが、
行動分析で使われるABC分析と、認知療法で使われるABC分析は全く視点が別であるということ
(内面で起きていることと、目に見える行動という全く別の視点)
にも関わらず、なぜが名前が同じABC分析となずけられているのです
どっちが自分に合っていて、問題行動や鬱などの悩みを解消するために認知療法を学べばいいのか、それとも行動分析を基に介入していけばいいのか?
どっちが役立つかは、まったくもってケースバイケースであり、それを探っていては回復までに時間が掛かってしまいます
そこで手っ取り早く改善効果を出してくれちゃうのが、最先端の認知行動療法になるわけです
分かりやすく例えると、これまで冬場はストーブ、夏場は扇風機と、
それぞれ季節によって使い分けが必要で、収納場所もとるし、手入れも大変だった
そんな中、1台で温風も冷風も出せちゃう優れものの1台が誕生したとしたら、大助かりであり、まさに目から鱗ですよね
これまでの認知行動療法の世界に、一石を投じることになったのがの今流行りつつある最先端の認知行動療法なのです
つづく