「こりゃなんだ。日本の恥じゃないか!」
議員の有力支援者である呉服屋の社長は、事務所に置いてあった週刊誌を広げて、こう叫んだ。
ナニナニ? と聞くと、社長が見ていたのは通常国会召集日のグラビア。和装振興議員連盟の議員らが、着物姿で登院した写真が掲載されていた。
「こんな『おはしょり(=女性が着物を着るとき、着丈より余った分を腰のところで折り返すこと。また、その部分)』のない着方ってあるか。浴衣じゃないんだぞ。袖の長さも足りない。つんつるてんじゃないか」
社長の怒りは止まらない。とりわけ激怒したのは、ある女性新人議員の着物姿。何と「小紋」を着ていたのだ。
「この日は、天皇陛下をお迎えして、開会式が開かれたはず。彼女はこんな格好で、本会議場に入ったのかね。礼を失するのもほどがある」
小紋はカジュアルウエアで、正式の場で着るものではない。ましてや天皇陛下をお迎えするような公式な場所では、絶対に着てはいけない。
「先輩議員がマナーを教えてやらないのか」
社長はそう嘆く。国会議員は国民の代表として、国内外の公式行事に出席する。彼女の失態は日本の恥となるのだ。
私みたく着こなしてごらんなさいませぇ~